明日できること今日はせず
人形作家・写真家 石塚公昭の身辺雑記
 



曽我派初代蛇足こと曽我墨渓の『一休宗純』と『臨済義玄』は共に京都の一休ゆかりの一休寺、真珠庵にあるそうである。鏑木清方の三遊亭圓朝図が公開されてるのに見に行かない私が京都まで行くはずがない。もう出来ちゃったし。 小学生の時見た蛇足作の横目でこちらを見ている一休に、竹竿持たせて、先っぽにシャレコウベで〝門松や冥土の旅の一里塚目出度くもあり目出度くもなし”をやらせて撮りたい。これは掛け軸並みの長い紙を使い、竹竿を長ーくしたい。この流れで連作の『一休和尚睡臥図』を作ることも出来る。ちょっとダサいな、と思いながら当時の門松を調べてみたが、掲げた髑髏にカラスがまとわりついている図を思い付き、冬のカラスはどうしてる?と調べたら、初鴉は正月の季語だと知った。これで門松を配する、という野暮臭いことをしなくて済む。タイトルも『初鴉』。 ムシロを掛けて寝ている睡臥図の一休の胸元にもカラスを1匹止まらせたい。さらに酒の入ったひょうたんも転がしておこう。作家シリーズの時のように、一休や蛇足にはウケたい気もするが、律儀な私でも、さすがに室町時代の人々に気を使う気にはならない。この二作はおそらく、あまりにも私らしい、私らし過ぎたかもしれません。という作品になるだろう。

kimiaki ishizuka HP

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