明日できること今日はせず
人形作家・写真家 石塚公昭の身辺雑記
 



昨日、簡単にスマホで『慧可断臂図』の未塗装の慧可を陰影を強調し撮ってフェイスブックとインスタに載せたのだが、己の腕を切り落とし、それを捧げ持つ慧可を下から見上げるように撮った。その肩越しに、慧可の覚悟の気配に振り向いた達磨大師、という構図がが浮かんだ。一眼レフ的、写真的構図といえ、雪舟を含め、絵師達の辞書には載っていない構図である。陰影の無い手法では、日本画的な平面的構図しか受け付けない。しかしかつて私はジャズ、ブルースシリーズでこんなことばかりしていた。そもそも達磨の振り向いたポーズは、マックス・ローチの『WE INSIST!』のジャケットのパクリであり『貝の穴に河童の居る事』の表紙の河童にも流用している。私は寝ている子を起こしてしまったのかもしれない。 二刀流も耳慣れた昨今、モチーフによっては陰影有り無し両方やってみるのはどうか? 石塚式ピクトリアリズムを私の大リーグボール3号などと言っていたが、子供の頃星飛雄馬は、一人に撃たれたくらいで他の打者には各ボールを投げ分ければ良いのに、と思っていたのを思い出す。ところで『慧可断臂図』は雪深い場面である。それじゃ陰影が出ないじゃないか、というのが本日のオチだろうか。



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