写るところしか作っていない作品は、一カットの写真作品のために作られているので、それ以上の作品は生まれようがない。特に使い回し不可の、特定のポーズをしていたらなおさらである。独学無手勝流の私は、前面を作り、ひっくり返して後面を作る、という特技?がある。それはかつて前面に集中してほとんど出来てしまい、我にかえって背面を作るなんて、恥ずかしいことを繰り返していたせいである。なので冷酷なくらい、撮影時、ほんの数度も振ることが出来ないくらい背面を作らず、それでも背面を作り足して問題は起きない。上半身だけで、と作っていたら欲が出て来て下半身を作り足した、なんてこともあった。書いていて、自慢にもならないことを、と思うのだが、一眼であるカメラで撮り、初めて成り立つ手法も生んだ。あらかじめ遠近感を強調して作ってあり、普通に作られた被写体では生まれない効果を生んだ。 という訳で、鯉にまたがった琴高仙人など、他に使いようのない作品の、首だけ引っこ抜いて、身体部分は廃棄処分とした。