寒い。布団から出ず携帯でタウン誌の原稿を書く。明日は家から出ずに寒山と拾得の頭部の別バージョン制作の予定。 一つくらい髭のある寒山拾得があっても、と思うのだが、名品の中には見当たらない。それがたとえ爺さん風であっでも。腹の中に何もない、幼児性の表現だろう。同時に不気味に見える笑いの由来でもあるだろう。 横尾忠則さんの国立博物館での『寒山百得展』は百もの寒山拾得を描いたからだそうである。私も気持ち的には、そのぐらい描き倒したいようなモチーフである。しかし用いる手法が手法なので、そうも行かない。私の生来の性格、面倒臭がりからして、まさか粘土をちびちびちまちまと練り付けて行くような事になるとはまったく考えもしなかった。思い通りには行かないものである。18で入った工芸学校、リンゴを作る課題で、私を含めたど素人集団は、まずリンゴ大の粘土を丸めようとする。そうではなく芯を想像しながらやるのだ、とちびちびと。それからずっとその調子である。