明日できること今日はせず
人形作家・写真家 石塚公昭の身辺雑記
 



蒙古兵は右手に金属製の剣を持たせるので、制作中にバランスを崩すと困るので、足元を一日乾燥させ、安定ささてから作り始めた。私の作品は、牧神に見立て、ひずめの下半身にしたニジンスキーだろうと自立するのは、不安定なまま作るので、完成に至れば自動的に自立する。不安定なまま作る、などというのは、独学我流ならではであろう。彫刻などどうやって作るのか知らなかった。もっとも、あの佐藤忠良が制作中の粘土がバランス崩して崩れ落ちたのをテレビで見て驚いたことがあったが。 昔、まだ写真を初めていない頃、スタジオでカメラマンに人形を撮影されるたび、すべて自立するので驚かれたのを思い出す。独身者同様、独学我流者の部屋もノックしないで開けてはならないだろう。何をしでかしているか判りゃしない。糞尿運搬人やドラゴンに噛み砕かれる三島由紀夫や、蒙古兵を作っていたりする。



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