明日できること今日はせず
人形作家・写真家 石塚公昭の身辺雑記
 



無学祖元の前で仁王立ちする蒙古兵。剣を持たせるのは最後にして、仕上げを残し完成。一度乾燥させてから細部の仕上げに入る。 子供の頃、頭に浮かんだイメージは、友達にでも話したならともかく、一人の時に浮かんだものはどこへ消えて行ってしまうのだろう。確かに在るのに。平然とした無学祖元に剣を向ける蒙古兵。参考にした円覚寺の祖元の木像は、口角が上がり一見微笑んでいるかのような表情が、この場面では効果的である。頭の中に浮かんだそのままの物が作業台の上にあり〝やっぱり在った”な、と確認。他人にもこんな物が頭に在ったと示せるが、そこに興味がない人間もいる。 昔、マックスヘッドルームが流行っていた頃知り合った男が、友人のあるグループがコンピューター上に神を作ろうとして自殺者まで出た、といった。内緒だというから黙っていたが、数十年後、その話をすると「何の話だ?」駄ボラ吹くのは良いが、せめて吹いたホラは覚えておけという話である。内緒にしていた私が恥ずかしいわ。



コメント ( 0 ) | Trackback ( 0 )