明日できること今日はせず
人形作家・写真家 石塚公昭の身辺雑記
 



男性漫画家に良くあるパターンだが、私も男性はいくらでもバリエーションがあるのに女性はワンパターンになりがちである。男女という異質な物を、同じ素材で同じ手法で同じ土俵上で描くこと自体に無理があるようにも思える。実際、女賊黒蜥蜴は生身では難しいと作ったら、通常の男のサイズより20センチ以上大きくなってしまった。そんな訳で女性は実物を使う。しかし場合によっては顔出し不可となり、加工が必要となる。 15の頃好きだった物は一生好きだ、という説を聞いたことがあるが、その頃夢中になったのは江戸川乱歩と谷崎潤一郎であった。特に谷崎は2体作ったくらいだったが、谷崎での個展は叶わなかった。それは女性のモデルがいなかったからである。ならば最近目にするA Iによる画像はどうだろうか、あれなら『痴人の愛』のナオミや『鍵』の郁子、『瘋癲老人日記』の颯子などを制作し、私の谷崎と絡ませることはできないだろうか?多くの写真家はA Iに対して心良く思ってはいないであろうことは想像が付くが、私にとって、自分で作った物ではない、という意味においては、AIだろうがモデルだろうと似たような物である。



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