明日できること今日はせず
人形作家・写真家 石塚公昭の身辺雑記
 



無学祖元と、その喉元に剣を向ける蒙古兵は着彩を残すのみ。雲水姿の一休宗純は草鞋を履かせ、後は仕上げ。蘭渓道隆も仕上げの段階である。つまり無表情に、ただ祈り、耐えるだけの頭部の制作を終えた状態である。今年も終わろうというところで、制作を始めた当初からの、自分を焦らして制作における快感をより高めよう、という悪癖が顔を出している気がする。こういったヘキ、というものは反省したところで、そう改められるものではない。快感といってしまえばそうだが、そうすることで集中力が高まり結果は必ず良いし、そうしたくなるのは勝算あってこそである。テーブルに味の素が乗ってる近所の定食屋で熱燗を少々、暖まる。たしか今月、耳元で微かな蚊の羽音を聴いたはずだが。



コメント ( 0 ) | Trackback ( 0 )