英語道(トラスト英語学院のブログ)

長野県伊那市の英語塾「トラスト英語学院」の塾長ブログです(^^)/
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ポスドク問題

2023年12月23日 | 閑話

『青春をクビになって』を読了。

信濃毎日新聞に毎週土曜日掲載される「本の散歩みち」で紹介されていて、思わずポチッていました。

上代文学、特に『古事記』に魅了され、大学院を卒業しポストドクターとなった主人公の、学者として身を立てる難しさを通して自分の人生の方向性を決断する揺れる想いを描いています。

ポストドクター

《postdoctoral fellowから》博士課程修了の研究者。主に博士号取得後に任期を決めて大学の研究職に就いている人。博士研究員。ポスドク。ポストドク。

博士の学位を取得後,①大学等の研究機関で研究業務に従事している者であって,教授・准教授・助教等の職にない者や,②独立行政法人等の研究機関において研究業務に従事している者のうち,任期を付して任用されている者で,かつ所属する研究グループのリーダー・主任研究員等ではない者をいう。①,②ともに,博士課程に標準修業年限以上在学し,所定の単位修得した上で退学した者(満期退学者)を含む。ポスドクと略されることもある。

大学院の修士号・博士号を取得したはいいものの、その後のキャリアパスが整備されていない日本学術界の問題点を浮き彫りにしています。これまでも、九州大学で元院生が焼身自殺を図ったニュースを知っていたので、本著のストーリーは現実味を帯びてます。

私の小学時代からの同級生の親友は、ICUの大学院を卒業後、現在は早稲田大学で教授の職に就いていますが、彼のようにポスドクから教授になれるのは本当に一握りなんだと実感させられます。

親友のカンボジアでの発掘調査の様子

 

ポスドクが希望を持って研究に打ち込める環境整備を、国を挙げて行う必要があるように思います。そうしないと、学術界でますます日本は取り残されていく可能性が高くなります。

大学院進学を考えている学生諸君には、現実を知る意味でも一読をお勧めします。

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