森高千里 風に吹かれて
澄み切った空をみていると、汚れた自分が洗われていく。
同時に、そんな自分に嫌気も感じる。
春の暖かい光、夏の刺すような日差し、秋の満たされる輝き、そして心が洗われる冬の空。
人はいつでも時間を遡れる、少なくとも心がピュアなうちは・・・・
そうした純粋さを失わないように時を消費し、時を積み重ねるけれど、
いったい自分は何者なのだろうか?
そう思うことが有る。
今の自分が本当の自分なのか?
本当は別の自分がいて、いまの自分は常に嘘をついていて、
そう思うと、何故か目頭が熱くなる。
どんなに頑張っても、どんなに誠実でも、限界は限りなく近く、指を伸ばしさえすれば
触れられる現実が無性に悔しい。
そんな自分の歩む道を振り返りながら、「もっと可能性が有るのだと」、
勝手に自分を信じながら明日を生きて行こうとする自分もそこにいる。
どれだけ自分に図々しいのだろう? 「僕は・・・」
木枯らしに身を任せ、空を見上げれば、
星達はいつもと同じ様に笑いかけてくれ、月明かりの光は心の矛盾を照らし出す。
太陽が七色の虹を煌めかせ、月が夢想的で純白の虹を海の彼方に渡すよう
自分は素直でありたい、少なくともこの星を覆う海の輝きのように。
詩 翔.I