依頼リフォームの続きです。
さて、部屋全体がひん曲がっている(不陸が酷く、壁も直線では無い)最悪な和室。
その床張りを、今日はやります。
ったくね・・・・ まるで糞みたいな施工をした大工の後始末???をしている見たいな感覚ですが、そんなんでも、綺麗に直していかねばなりません。
こうした中古住宅は ”雨漏り、傾き、シロアリ”は付きものではありますが、 竹で編んだ素材を芯にして壁造った時代の建物という訳では有りませんから、いい加減過ぎるにも程という物があります。
この部屋は、最大で30mm近い不陸があり、更に入り口ドア含めた壁一面の収納がそのままそっくり傾いて取り付けられているというお粗末さ。
その不陸で、壁面収納、左端ボトムから入り口ドア枠の右ボトム端までで、精密測定して大体20mmくらい。
壁面の一辺の長さが、柱と柱の中心点で、約2730mm
壁面家具の建て付けに対し、その斜めのままに床を合せると、1000mmあたりで7.32mmの傾きとなり、 法律で中古住宅の限界とされている6mm以上になってしまう。
で、建て付け収納の底面ラインに対し、一番左端を4mm 、真ん中(ドア枠左端)で7mm(3mm 上げ)そこから、右端(ドア枠)を12mm(さらに5mm上げ)、の勾配をつけることで、室内全体としては約8mmとして分散し、見た目では全く分からないほどの緩やかな、ねじれ及びV字型床施工(24mm合板の柔軟性限界を考えて)することにしました。
こうすると、12/2730x2730=4.39 となり、新築建物の限界である3mmから、中古住宅の6mmの間に入ります。
そして、この壁面収納の対面となる壁の窓は、運良く?水平取り付けされていましたので(ただし、その窓のすぐ左端は24mmの不陸沈下)、床その物は平行に施工できます。
ですので、まあ、部屋の縦方向としては12mmほどの不陸を、床板をねじらせて取り付けることで解消します。
ただし、12/3640x1000=3.29の不陸となり、新築住宅の不陸限界に近い値になるので、問題はありません。 多分
実際の作業。
まずは床板を載せる、根太に当たる枠を造りますが、シム調整しながら現行の床の上に構成して、上記の説明通りの傾きへ調整していきます。
誤差0.5mm以内。
*白アリに食われていた部分も補修。
今回は、壁面建て付け家具ボトム高さの関係から、枠が2x4だと床が上がりすぎますので、20mm厚のパーティクルボードを使用。
その上に、実付きの24mm合板を載せるので、 枠は910x910mmでOK。
ちなみに、不陸調整は455mm四方で調整していたので、その微調整のためのシムは、施工段階で取り外します。
すっきりしていますね
そうそう、今回はパーティクルボード(建築下地用高硬度品)の切り出しが多数有りまして、その騒音がすごい事から窓をできる限り閉めてやることにしました。
住宅街につき、余り連続で音を出せませんので。
切りくずが山のように出ますから、今回は集塵アダプターを購入。
これに掃除機を連結して、これで出来るだけ埃を出さずに作業します。 それでもある程度は出ますが・・・ これは仕方ない。
高硬度パーティクルボードはかなりの堅さでして、カットしている内に、まだ購入してからそんなに使っていない鋸刃がOUTになってしまった・・・・
ただ、枠を全部作り終わるまではなんとか持ってくれました。
製品名 ”神業”は値段の割にはたいしたことが有りませんでした~~~~ (笑)
ちょうどお昼だった事も有り、新しい刃を買いに行くのを兼ねてホームセンターへ。
今度は値段半分の鋸刃を2枚購入。 やはりこんなので十分でして、駄目になれば気軽に?交換がベスト。
午前中に枠が完成していますから、午後からは床張り開始。
部屋の左側(実の関係で)、窓から、立て付け家具面を見てそう施工して行きますが、 床下の断熱材は50mmグラスウールを使用します。
不陸の大きな部分は、二階和室の天井で使ったロックウールの残りを充填。
なんせパーティクルボードの厚さが20mmしかないので、こうした素材を使用したのですが、本来は断熱材はフワッと膨らむように施工するのが基本。
ただ、20mmの断熱材は特別な物を除くと普通は無いし、 スチレンフォームの20mmだとヘナヘナで床材の裏との密着がかなり難しいし、コスト的に高い。
少しでも床板との隙間が空くと、こうした一階での施工(すぐ下が地面で風が入りまくりの環境)において効果がゼロになりますので、膨らむ方が良いんです。
断熱材無しという方法もありますが、自分的にはあり得ないので、不本意(仕方なしに)ながらグラスウール断熱材を使用しました。
順調に作業は進み、今回の床不陸調整で一番難しい、壁面建て付け家具との突き合わせ面の床張りを開始。
採寸、カット、再び合せて採寸、そしてカットの繰り返し。
24mmの糞重い合板を何度も運んでやりますが、部屋(壁)が歪んでいるので、それに逐一合せないと駄目でして、
みっともない施工防止、及びミス防止の為には丁寧にやるしかありません。
と~こ~ろ~~~~が!! 、途中で、ぽかミス!!!! ←おバカ
あ~~~やってもうた・・・・
実にアホな、痛恨の間違いカットをやらかしまして、ボードを一枚駄目にしました。 くそ~~~~~。
ボードはピッタリ6枚しか買ってませんので、最後の一枚を今日中に施工することができませんが、 無い物は仕方ない。
なので、これは次回にやります。
ただ、建て付け家具側は全部終了しました。
左端。
真ん中
そしてドア枠下。
ほんのわずかですが、見ての通りに傾きの有る段差が出ますが、この程度は普通の家でも有るし。また、意識してみないと分かりません。
気がついたとしても、賃貸住宅なので、気にする人は居ないでしょう! という状態になりました。
壁面に何にも無い部屋の不陸調整は、至極簡単に出来るのですが、こういった、壁一面に何かが造り付けられてる場合は、正直かなり神経使います。
やってみないと判らない場合も有り、もし結果が思うようにならなかったときは、床板を全部剥がし、枠も撤去。
再びシム調整からやり直さねばなりませんので、ある意味一発勝負。
今回は無事に完了してホッとしましたが、途中のカットミスがなければな~~~~
と思う、翔でした。 えへへ
一枚抜けている床板部分を除いて、他の部分をウロウロと歩き回って、傾き感や不陸感を探りましたが、
まったく判らない。
これで、初めから不陸が無いリビングを除いた、3つの部屋は完全に床がフラットになりました。
でもな~まだまだ、やることが沢山有るんですね