依頼リフォーム続きです。
前回は、二階廊下とクローゼット内の床張り等をやりました。
で、そろそろ年末も近づいてきて、「新年にやるのだけは勘弁してくれ~!」という心の叫びに抗えず、
また、今週末は温かいというので、一階和室の天井の破壊と、不陸調整をやることにしました。
やっかいなのは今年で修了させ、来年は楽で綺麗な事だけしたいので(笑)
さて、一階和室ですが、この直上の2階和室は床の不陸がすごかったのですが、一階はさすがにそれはないだろうと・・・
思っていた?んですが・・・・・ やはりという結末でした。
そのあたりは後で書くとして、
この部屋(下の写真)は、”例のごとく”畳を撤去し、クッションフロアによる床へ変更。
ただ今回は、二階みたいに収納をクローゼットにするという大々的な洋室化を行わず、和室の雰囲気を残します。
砂壁は漆喰仕上げとし、床は幅の広いフローリング柄のクッションフロア、鴨居などの類はそのまま残し、壁一面に設けられている収納も壊しません。
モダン和室という感じにしたいわけですが、もし入居者が畳を欲っする場合は、ホームセンター等で売っているシステム畳を自分で買って敷いて下さいな!という訳です。
まあ、壁面収納に歪みもなく、扉の建て付けも良好、表面も綺麗ですのから、取り壊すのはもったいないという理由もあります、です。
どうして僕は畳を無くすのか?ですが、 まずは今のように机と椅子の生活に慣れてしまっている場合は、畳の上にそれを置くこと自体が間違いで、さらにはベッドとかを置くとなると最悪。
他にも物があふれているのも昨今ですから、収納の為戸棚やらワードローブ等のそのまま部屋に置いてしまうと、畳の柔らかさから設置が不安定になる=地震の際に危険要素が増える?訳です。
そもそもが、畳というのは非常に不衛生なものでして、うっかりするとダニの温床となり、他にもこの家に使われていた”ダイケン畳”は最悪でして、
基材の一部であるボードの劣化したパルプ繊維が、次から次へと剥がれて来ては、それが畳表の隙間から出て室内を舞う!という様な代物ですので、そんな物は、絶対的に撤去しなければなりません。
ただ、サンドされている断熱フォームだけは、リサイクルで使います。
作業開始。
まずは、毎度、憂鬱になる天井破壊と撤去。
ラミ天ですが、劣化で表面の木目プリントが浮き始めていて、僕自身もこの木目の安っぽさが大嫌いなんです。
解体に際して一番始めにやるのが、照明器具外しですが、レセプタクルだけ残して収納にしまいます。
解体のやり方は実に単純。
脚立に載って、ラミ天表面をハンマーでぶん殴り、穴が開いたらバールか、ハンマーの釘抜き部分を引っかけて、強引に下へ引っ張り壊します。
細いながらも骨が入っているので、それは鋸で切断して、これまた強引に引き剥がします。
少し剥がしただけで、下はこの有様。
写真の、右の方(光が当たっているところ)がボーッとしているのは、落ちてきて舞い上がった長年の埃の為で、凄まじいのなんのって。
全身を覆える使い捨てカバーオールを着て、工業用防塵マスク、そしてゴーグル。
*粉塵で肺と目をやられますから、上記の二つは必衰アイテム。
もたもたしているほど、埃とか吸い込んでしまいますので、とにかく力任せ&素早く解体しますが、時間的には15分ほどで全部落ちました。
建物外に出て、あたかも霧のように舞い散った埃とかが落ちつくまでしばらく休憩。
そして窓に近いところから、廃材を少しずつ外に運び出して、同時に大まかに分類します。
その後は、再びマスクとゴーグルを装着しての掃除を開始。
畳の上を箒で掃く度に埃が凄まじく舞い上がるので、さすがにうんざりする僕。
チリトリで集めた埃は、30cm四方程度の空き箱に入れましたが、 最後には25cmほどある底の3/4くらいのところまでの量になりました。
掃き終われば掃除機で掃除します。
あらわになった天井ですが、有るはずの野縁がほとんど無いし、ラミテンを止めてた吊り木含めて施工が半端なくいい加減!
その一例の写真 黄色○部分ですが、柱の表と裏????
でもってこうなっています。
判るでしょ! どれだけ職人というのがバカか。 こうしたことを平然とやるのが彼らです。
まさにメチャクチャなんだけど、この家を造った大工がいかに馬鹿であるか!かというのも一目でわかります。
まじでくそ野郎だな・・・・この家の施工。
天井がなくなりましたので、少し時間を置き、舞った埃がなくなると、次は畳の撤去を開始します。
畳を一枚ずつ剥がては、その場で解体して分別していくのですが、途中である事に気がついた。
シロアリの跡が有るじゃん!!!!
剥がした畳にも、食われた痕跡が。
木パルプを基材に使っているので、それ食べたんでしょうね・・・ 美味くね~だろ?合成ノリで木パルプ固めた物ですので。
おっとと・・・・ヤバいかな~こりゃ~! なんて思うわけですが、程度によっては大補修が必要になります。
食われていた、畳押さえを剥がしたところ、大した事は無く、柱の一部分だけにも食べられた跡がありましたが、本当に部分的な物で助かりました。
その後は順調に畳を剥がして分解していき、そして最後に掃除。
まともに直線出ていないだろうなと思いますが、案の定。
赤い線が直線、 白い線が鴨居の線。
で、下の方は。 青線が直線、赤い線が畳押さえ。 ご立派! ぶぁははははは!
下が凸、上が凹という見事さです。
低脳職人のさすがすぎる仕事ぶりですが、まあ、職人なんて皆この程度はごく普通! 許してあげてください。
畳が終われば、部屋のセンター出し。 そして不陸測定。
今回は偶々、センター(部屋の中心点)が一番高いところでしたので、測定は一度で終わりました。
で、角の方でお約束どおりの、約30mm程の沈下?不陸。
この家の不陸の凄まじさは珍しくはありませんが、問題は出入り口のところ。
出入り口、ドア枠左下の高さ55mm
ドア枠右下のドア枠高さ64mm
よくこれで、作り付け収納とかの扉が大丈夫だよな~と思って、レーザーを当てて見たところ、
”全体がそのまま斜めになっている”という事が解りました。 爆汗
入り口の横幅を大体90cmと考えると、不陸は10mm。
部屋の横幅は約2650として1/3で10mm落ちますので、 残り2/3ですから20mm
レーザー測定による部屋の隅の高さは130mm。
130-104=24mmの不陸。 そんな感じです。
部屋入り口ドア下の、床の高さはほぼ同じで110mm前後で、これだけでも、まだ真面です。
こうした不陸は、畳を敷くと感覚がかき消されて判らなくなる(畳は柔らかいので)訳でして、この家を建てた大工のある意味確信犯的な所業ですね。
しかし・・・・・こうなると困るのが不陸調整。
ドア含めて作り付け数全体を破壊して新たに造り直すか、ある程度傾きを残してドアの高さに合せるかになります。
ちなみに、不陸の限界ですが、こちらに簡単な説明があります。
https://www.nakao-ken.com/about-inclination-of-houses-1/
”床の傾きは、3メートル以上離れた2点で測定します。そして、新築で3/1,000以内、中古で6/1,000以内・・・これが許せる目安(許容範囲)です。”
に、書かれている様に、1000mmに対して、 3ミリの傾きが新築。
中古だと6mmとなりますが、自分の基準?の場合、 3mだろうが5mだろうが0mm=フラットですので、 かなり厳密かな・・・・・・とか思う。
で、上記の基準からすると、今リフォーム中の家は、中古住宅の不陸の限度内から少し外れてはいる物の、メッチャ酷いとまでは行かない?程度かな~ とは思うのですが、
今回は、この一階和室の不陸を消すことが極めて難しいので、出来るだけ上記の基準内で押さえる事によって、今有る壁面建具やドア含めて何とかしようかと思っています。
ドアの左右の傾きが9mmに対し、その下の床は110mmと111mmで、 ほぼフラット。
ドア左右の柱の中心から中心までほぼ910mm。
中古住宅の不陸限界は1mあたり、6mmですが、 傾き9mmに対して4.5mmの緩い傾きを入り口付近に設けた床張りにすることで、段差を4~5mmとして、 そのほかの部屋全体はフラットにする。
この場合の段差は、幅が800mm前後での4~5mmで、 そんなに歪んでいるようには感じられないし何とかごまかせる範囲です。
これには、ドアの近くの床、一辺900mm四方の床面にあえて傾き(不陸)を造るか、それとも、もっと大きな範囲1800mm四方全体で緩く傾かせるか?になるわけですが、
床張りに使う合板の厚さは24mm、15mmほどの柔軟性は無く、これを不陸にするには900mmだと難しい。
そうなると1800mm四方で調整するしか無いかなと・・・
で、今回は普通の3x6サイズ合板でも、二階と違う、実付きの物を使用することで、つけた傾きに対しての違和感をなくすつもりです。
さて、時刻はもう3時近く。
温かい一日だったおかげで、一気に捗りました。
次は不陸調整の下地を造る予定です。