いきなり電気が切れた我が家。
おりしも僕は部屋でウトウト状態だったわけですが、二階の馬鹿みたいに蒸された室温がまだ下がっていませんからエアコンとまりゃ~寝られるはずが無い。
「熱いな~」と、リモコンを操作するも、無反応・・・・ 「れれ?」
仕方なく、ごそごそ起きて下へ行くと、息子がブレーカパネルを見ていた、「どうした?」というと、「なんかおかしい」との返事。
確かに電気は落ちているのだが、半分の家電が動き、半分が落ちている状態、あるエアコンは動き、あるエアコンは停止、ある部屋の電気はついて、ある部屋の電気は消えている。
「なんじゃ~こりゃ?」と思うが、すぐに頭をよぎったのは欠相。
最近は珍しくもなくなって来たみたいだけれど、家は単相3三線方式で受電している、新築時に取り付けた古いエアコンが200Vを要求しているからだ。
そのエアコンはもちろん完全停止状態で、うんともすうとも言わない、
工具箱からテスターを出してきて、ブレーカパネルを開け、電圧チェックすると、明らかに欠相。
念のためにメインブレーカの入り口でもう一度測るとやはり同じ、「雷でも落ちたか?」と一瞬思うも、夜空は晴れているしゴロゴロ音などない、次に疑ったのは原発でもめている電力問題。
テレビとパソコンはOKだったので情報を探るも、ニュースを見てもそれらしい案内はない。
「こりゃ~完全に故障だ」とすぐに判断、しかも其の故障は外部にある。
そこで東電に連絡をとった。
「停電しているところありますか?」 、「いいえ特にそうしたことは起きておりません」とのこと。
「ハイ!」これで故障場所が容易に判明、柱状トランスの送電ラインに入っているヒューズが飛んだのだ。
いまさらヒューズ?と思う人も多いだろうが、現場では当たり前のように使われているのも、このヒューズだ。
故障であることが明らかに判明した以上、「てめえ、5分以内に修理に来い!」と怒鳴る僕。
といってもこれはお客様センターですから埒が明かない、そこで「担当支店へ連絡とって、そこの部署から5分以内に連絡させろ!」と再度電話で怒鳴る。
そしてほぼ数分待つと、担当支店から連絡があった。
ブレーカーうんぬんと言い出す可能性があるので、配電等知り尽くしている僕としては先手打って「きさまら、数ヶ月の支払い遅れで相手の事情等考えず電気止めるだろうがバカヤロー こっちは金払っているんだから1秒でも欠かすんじゃない、5分で来い! バカ!」と呼びつけた。
完全に東電を馬鹿呼ばわりである。
そこから計測開始、どのくらいで来るかと測っていたが、15分で家までやってきた。
実際そこから家まで本当に15分かかる、これは知っている、たいていは車一台で現れる先発隊&半分営業みたいなやつだ。
本隊は装備そろえて少し遅れてくることが多い。
欠相の状況を説明をし、どこに問題が起きているかまで(僕はとても親切です)指摘、再び「きさまら、数ヶ月の支払い遅れで相手の事情等考えず電気止めるだろうがバカヤロー こっちは金払っているんだから1秒でも欠かすんじゃない、5分で直せ!」と、 来た職員に向ってバカの一つ覚えみたいに怒鳴って玄関から付き返した。
部屋でそんな僕の姿をみていた息子夫婦、特に嫁さんは僕の剣幕と怒鳴り声を聞くのは初めてですから面玉丸くして、でかい目がさらにでかくなって、息子は「あまりにも言い方がひどいんじゃない?」と言ってきた。
そこで、こうした態度が極めて妥当であることをきっちりと理由までつけて淡々と説明。 当然、息子は納得。
なぜなら、こうして怒鳴られるのはこの会社の、普段お客に対してとっている企業態度(姿勢)にとんでもない問題があるからだ。
そう、かの有名な、2月支払い遅れるとやってくる、東京電力からの脅迫状(おしらせ)何月何日で送電停止しますというやつだ。
これは特に、生活弱者にとって際限なく冷徹だ。
家は電気代の自動引き落とし契約をしてない、送られてくる振込用紙で電気代を支払っているだけだ。
故に面倒なのもあって数ヶ月まとめて支払ったりしている。
別に金銭的に困っているわけではなく、正直なところ単に面倒だからだ。 これは完全に家の怠慢。 言い訳の仕様がない。
そんなわけだが、僅かでも支払いが遅れると、必ず脅迫状をご丁寧に投函してきてくれる。
これを見るたびに 一社市場独占、 独立の営利法人でありながら半公営、 1兆円という膨大な利益を労せずあげ、年収3000万の役員がぞろぞろいる超お金持ち会社。 世界一高い電気代を徴収して儲けているから笑いがとまらないのもこの会社だ。
そんな大会社のもつ横暴な姿勢は、消費者を如何に虫けらのように考えているかという事がすぐに分る。
何が問題なのか? というなら、生産者と消費者は互いの存在が有って初めて成り立っていくものであり、一方の横暴的態度にもう片方が
おびえ、屈辱と累涙を飲まされなければならない理由等、どこにもないからだ。
電気、水道、薪炭、石油は、人が生活していればほぼ必ず消費するといってよいもので、今のような現代生活をおくる今日では
そのどれもが欠かすことは出来なくなっている。
このどれかひとつでも切られると、さまざまな問題が生じ、それは時として人の命さえも奪う結果を生むことになる。
生まれながらに洞穴の原始生活を営んできたのなら無くてもかまわないだろうが、これが普通の人間の現実だ。
バブルの好景気なら電気代の支払いがとどこることはまれだったろう。
しかしながら、今みたいに不景気と不安定の世の中では、いつ何時収入が断たれてもおかしくない。 そこから支払いが遅れるということは結構有る話だ。
*この不景気にもここは安定した収益を上げていた、なんせ石油などの発電コストがあがれば、簡単に値上げして乗り切れるからだ。
家みたいに 面倒だな~ なんていう理由で遅れるわけではなく、本当に大変な思いをしても、支払いが遅れざるを得ない家庭というのはいくらでもある。
これが、「お支払い遅れております、一度支店に相談にいらしてください。 状況により猶予など考慮させていただきます。」と東電が対応するのならまだよい。
さらに、数回に及ぶ相談をするなど、電力会社も相手の家庭に配慮した対応を十分に行い、それでもなおかつ全く支払いの意思を見せない客の場合は停止。
そうでないばあいは、真夏真冬だけでも避けて停止するなどの、いわゆる人間的な対応を心がけてくれているなら、僕の態度もまったく違うものなるだろう。
なにしろ弱者いじめがとにかく大嫌いな僕である以上、それをやる相手にやり返すのは当然とおもっているのも僕だからだ。
今のような日本の経済状況になると、会社の倒産、リストラはじめ、思いもよらない事故、病気はじめ、人というのはいつ何時金銭的な窮地に立たされるか分らない、 誰しもが明日はわが身になりかねない。
例えば年金ぐらしのお年寄りがぎりぎりの生活で、運悪く病気になって治療費を払わねばならなくなったとする。
働いてそれなりの収入があれば、治療費などさしもの事ではないだろうか、数万円という金額でやりくりしなければならない場合は、とんでもなく深刻になる。
でも、脅迫状は容赦なくとどいて、電気を平然と停止する。
大雨、大風で家が思わぬ破損をしたとする、若ければ自分で何とかできるだろうし、人にも頼めるだろう。
しかし、体が言うこと利かないお年よりはどこかに頼んで金銭をはらって修理してもらわねばならない。
それでも、脅迫状は容赦なく届いて、当然のように電気を停止する。
ご主人が事故などでなくなり、母子家庭暮らしの母親が思ってもいない出費に見舞われることは当たり前のようにある。
正規の社員として働こうにも、子供が足かせとなってそれが叶わないなんて事は特別なことではなく、パート暮らしで有るなら
収入にも限度がある。
そこに来て万が一病気になったら・・・
でも、当然 脅迫状は普通に届いて、当たり前の物として停電させる。
何の連絡も無く、いきなり会社が倒産、今のように不況では、容易に職にも就けず、高校生くらいの子供がいればすぐに家計は逼迫する。
脅迫状はきちんと届いて、 お願いしても関係なく送電停止する。
どうにもならない状況というのは、人が生きている以上はいくらでも存在する事だし、それがいつ自分へ降りかかってくるかも分らない。
そんなときに手元に少なくなったお金を何とか工面しようとすれば、必ずどこかにしわ寄せが来る。
電気や水道等はどうしても後になるのは当然だ。
そうした弱者に冷徹な脅迫状を送りつけ、むしり取るように電気代支払わせ、それが出来ねば容赦なく送電を停止する。
自分達(東電)は少しでも苦しくなれば値上げとお上にすがって助けをこうのにだ・・・・
そうしてむしり取ったお金で高額な給与をもらっている東電職員の面々からすれば、自分の支払いが遅れるなんて事を考えることも無かろうが、世の中には上にあげたどこではない、あらゆる生活難というのがあるわけだ。
問題が困難であるほど、二月遅れなんていうのは当たり前の用に生じる、長いように見えて、あっという間にそのくらいの時間というのはすぎてしまう。
そこに突然送られてくる 脅迫状
これがどれくらい弱者に行き場のない悔しさと怒りを引き起こすかなんて、これまた当然職員には想像も出来ないであろう。
東京電力は形の上では普通の会社だ、しかしながら、其の実態は幾十にも法律で保護され、完全に守られている、完全一社市場独占の半国営会社だ。
その上でインフラ整備から始まり、研究、原子力発電所の建設運営、送電配電、燃料の入手から、運輸にいたるまで、難しくて単独でこなせない部分は全て国の保護により成り立っている。
会社の設立以来、研究費はじめ膨大な税金を湯水のごとく注ぎ込んでもらい、今回のような震災事故起きればつぶれないように国が完全防護してくれる。
今、脅迫状を届けている老人の家庭は、かつてはこの単独利益独占企業の成長を支えてきた家庭だ。
病気になった母子家庭の母親はそれまでお客さんだったはずだ。
悲しいことに、こうした会社と決別し、代わりになる別の手立てというのは存在しないし、やりようが無い。
それしかない、選択枝と競争原理が完全に排除された巨大企業である以上、消費者は否が応でも従わねばならず、他社を選択するという方法すらもない。
僕自身原発推進派であり、原発再稼動は当然の事と思っており、東電擁護の考え方が基本である僕でさえも、こうした脅迫手法は一切受け入れることは出来ない。
残念なことに、東電そのものも、それが脅迫であることは良く分っていたようで、故にそれがさらなる怒りを僕に引き起こすわけだが、
というのは、原発事故後に態度ががらりと変わり、それまで当然の物として贈りつけていた脅迫状が、現在送られてこないそうだ。
それがどれだけ無礼で慇懃、弱者いじめ なものだというのを自分達で良く解っていた、だからこそ原発問題で批判されると、突然態度を豹変させて脅迫状からお願いへ変更した。
それまでの態度が正しかったのなら、なんら変更などする必要ないわけで、脅迫であることが十分に分っていたから即時 引っ込めたわけで、実に簡単かつ単純だ。
国民の声が原発事故を引き金にして増幅し、「潰してしまえ!」という声が高まるのが怖いからだが、これがどれだけ自分達が横暴を働いてきたかということを、自分で認めるような行動として出てしまっているのが非常に滑稽で愚かだ。
原発事故前までは、平然と脅迫状を送りつけてきた東京電力。
かれらがそうした態度をとれた理由は簡単だ、自分たちが天下、電気代払っている国民など、虫と同じ、文句あるなら電気使うなであり、虫けらが俺たちに物言うなんて言語道断!
虫けらゆえにどんな窮地に立たされていようが、理由など聞かずに電気を停止するの当然。 それが此処の企業態度そのものである。
故に37度の39度の蒸し風呂となった部屋で、熱中症になった老人が死のうが、それは虫けらの死でしかなく、東電には関係ないわけだ。
今回の原発事故の後に起きた東電批判、そのすごさは、単に放射能問題だけなのでであろうか?
そこには高慢ちきになってやりたい放題だった姿勢に対する、国民の報復という意味も込められているのではないだろうか?
そう思えてならない。
強者は弱者を守らねばならない。 それが僕の考え方である。 ましてや莫大な利益を上げてる会社なら尚もそうだ。
もし東電がお人好しで、明日にも倒産しそうで、それが公的見地から致し方なく強制措置をとっての所業であるなら誰も文句わないし、厳しい眼を向けることも、批判する者もいないないだろう。
しかしながら、トヨタという大企業が汗してなしえる利益を法律で守られることにより意図も簡単にあげてしまうこの東京電力という大会社が、その裏で生活弱者に送りつけている脅迫状。
いくら政府がやさしい社会だ、住みやすい世の中だと叫んだところで、社会を構成する基礎部分で強者による生活弱者への間接暴行行為が平然と起きている以上、それを無視して花畑語ったところでヘドがでるというものだ。
まあ、そんなことがあるわけだから、当然、それに見合ったことをしてもらわねばならないというのがぼくの考え方だ。
電気代支払えないならとめるぞと、弱い物を脅すように、こちらも同じ態度をとるだけで、とてもバランスが取れたことではないだろうか?
送電故障したら、客に頭ごなしに怒鳴られ、昼夜問わず、雨が降るろうが雪が降ろうが現場に即来させられ、罵倒されたうえで5分で修理しとろと無理難題いわれ。
何度も頭を下げて謝罪客に謝罪する。
老人なら電気止められて熱中症で死ぬ事は有っても、東電社員が客にドゲサしても、けして死ぬことはない。 とてつもなく楽だ。
しかも相手は故障を連絡してくれ、修理完了までの時間を電気なしで耐えてくれるわけで、そのお客様に感謝こそすれど、けして
「このやろう」等と思ってはいけない。
何しろ消費者は東京電力みたいに脅迫状を送りつけることはできないからだ。
「たかが、故障くらいで、それで怒鳴るなんでなんて小さなことをしているのだ?」 そういわれれば確かにYES 僕のやることはみみっちい。
それを否定しないし、自分は其の程度の力しかない。
しかしながら、巨大な権力も無く、資金も無く、有名でもなく、人々を先導できる力も無く、そんなごく普通の市民(人間)でしかなければ、其の範囲で出来ることをやるのが一番正しい。
そして、こうしたネットという媒体を通して考え方を伝え、同意してくれる人がたくさん現れ、あちらこちらの現場で社員達が厳しい批判と眼にさらされることが、生活弱者いじめを平然と行う高慢な姿勢を変えさせていく力になる。
きれいごとや精神論をあまり好まない僕は格好をつけることはしない、ときおり「正々堂々と相手に訴えてみたらどうだ!」というやつがいる。
しかしながら、こういったことを口にする人間がそれまで、その言葉に沿った行動を決して取らないことをこれまでの経験から知っている。
きれいごとで他人をそそのかし、起きたボヤを楽しむ人間にきれい事を言う傾向が有るからだ。
現実のものとして、法律で完全保護された巨大企業相手に正面攻撃挑むようなまねは、一見格好いいが、軍艦に相手にビニールボートで立ち向かっていくようなものだ。
お客様相談センターなどに電話しても全く向こうは全く関係ない、そうしたことは当たり前の処理以下の処分対象の一つでしか無く、けしてデータとはならないからだ。
弱者からの声がきちんと報告されているなら、脅迫状ではないものを送付してくるからだ。
結局、こうした人間達は現場でどなりつけ、その企業態度の問題点を問うのが一番効果的方法なのだ。