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日常よく使われる英語表現を毎日紹介します。毎日日本時間の午前9時までに更新します。英文執筆・翻訳・構成・管理:上杉隼人

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LAST DECEMBER

2019-04-18 08:33:22 | L

 

 キリスト教を含む宗教を理解することがアメリカの文化、社会、政治を理解するうえで非常に重要になる。リチャード・ホロウェイ『若い読者のための宗教史』(すばる舎)を訳してみて、心からそう思った。

 同書292ページに、Jehovah's Witnesses(エホバの証人)についての以下の記述がある。

 (ジョセフ・)ラザフォードは1942年に没した。ハルマゲドンが起こることはなかったが、その頃勃発した第2次世界大戦がハルマゲドンを思わせるものとなった。ふたたびエホバの証人たちは失望を乗り越えた。新しい指導者は信徒に長い歴史のなかで腰を据えて待つように助言する。キリストは戻ってこられる。だから常に目を凝らしておくのだ。モルモン教徒と同じように、エホバの証人の信徒も一戸一戸家をまわって熱心に布教活動を行う。そして自分たちの教団への改宗者を確実に増やしている。彼らの崇拝の場は教会ではなく、王キングダムホール国会館と呼ばれる。教団の冊子『ものみの塔』を全世界で長年にわたり販売している。水平線の向こうからイエスが夜に「盗人のように来る」ことはないか、信徒たちは警戒をつづけているのだ。(リチャード・ホロウェイ『若い読者のための宗教史』[すばる舎])

  2016421日に没したプリンスはエホバの証人の熱心な信者であったとして知られる。

 2001年にプリンス名義としては9年ぶりに発表したThe Rainbow Childrenは、宗教的でスピリチャルな内容の歌詞があふれている。

 たとえば、その中の1曲"Last December"の歌詞は以下のようなものだ。

   If your last December came

 What would you do?

 Will anybody remember

 To remember you?

 Did you stand tall?

 Or did you fall?

 Did you give your all?

 Did you ever find a reason

 Why you had to die?

 Or did you just plan on leaving

 Without wondering why?

 Was it everything it seemed?

 Or did it feel like a dream?

 Did you feel redeemed?

 [Chorus]

 In the name of the Father

 In the name of the Son

 We need to come together

 Come together as one

 [Verse 2]

 Did you love somebody

 But got no love in return?

 Did you understand the real meaning of love?

 That it just is and never yearns?

 When the truth arrives

 We'll be lost on the other side?

 Will you still be alive?

 さびの部分、

 In the name of the Father

 In the name of the Son

 We need to come together

 Come together as one

  

 父なる神の名のもとで

 息子イエス・キリストの名のもとで、

 われわれは一緒になる必要がある

 ひとつになる必要がある

 と歌っている。

 Last December, 「最後の12月」、すなわちハルマゲドンが訪れ、キリストが再臨し、この世が終わる時には、われわれは「ひとつになる」必要があるとうたっているのだ。

 この「マイケルと読書と、、」さんのブログに実に詳しく書かれているので、ぜひ参考にしてほしい。

 https://nikkidoku.exblog.jp/27178802/

  『若い読者のための宗教史』の訳者あとがきにも書いたが、「日々英語の文献やニュース記事を読んだり聞いたりするうえで、宗教は英米人のみならず、世界の人々の文化、社会、思想の根底にあることがわかる」

 リチャード・ホロウェイ『若い読者のための宗教史』(すばる舎)は世界の宗教を紹介しつつ、そのあたりのこともわかりやすく書かれているので、ぜひご一読いただけますとうれしいです。

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