新聞のトップに「我是中国人」という文字を見た。「私は中国人です」なんだろう。見出しを見ると、新彊ウイグル自治区「再教育施設」ルポとなっている。中身を読むまでもなく、中国によるウイグル「同化政策」だな、と思う。中央アジアの旧ソ連圏だった国々が独立し、新彊ウイグル自治区も独立を望む声は大きい。テロリストをつくらないという名目で、中国政府はこの再教育センターを設け、同化政策を推し進めているいるようだ。中国は嫌いじゃなかったが今は嫌な国だと思う。チベットで同化政策の実態を垣間見てから、そこまでする必要があるのかと大いに疑問に感じたのだった。チベットを訪ねたのはいつだろう、20年ぐらい前のことだった。町中に「教育推進!」のプラカードが並んでいた。はじめは中国が、チベットの教育に力を入れているのかな、と思っていた。チベット語で「こんにちは」は「デヒデレ」と言ったと思う。ラサの人たちに明るく「デヒデレ」と声尾をかけても、だれも「ニーハオ」と答え、」「デヒデレ」とは言わなかった。そこで「ふん?」と違和感を感じたのだった。もしかしたら見張られているのかも。
仏教寺院は中国軍によって、壊されたままだ。でもチベットの人々の信仰は篤い。あ~、これが同化政策なのだな。日本だって御多分に漏れずの国だが。
民族主義は好きじゃないが、さりとて同化はもっと好ましくない。歴史的に大帝国は、他民族を支配する方法として、民族の信仰や習慣は規制はゆるやかだった。だからこそうまく治められていたのだが。