昨日のNHKテレビでベラルーシの大統領選挙が特集されていた。たぶん、ルカシェンコ現大統領が再選されるだろう。
西側からルカシェンコ大統領は、「独裁者」というレッテルが貼られている。大統領退陣を求めて、ベラルーシ始まって以来の大規模デモだと、デモをする人達が映し出されていた。デモをする人達が持っている旗に目が行った。白と赤の、あれは旧国旗だ。
今日の新聞で、ルカシェンコが圧勝したと報道されていた。反政府側の集会では選挙は茶番だ、不正がある、認められないとコメントしている。
私達が2度目にベラルーシを訪れたときはちょうど大統領選挙だった。投票所にも行って写真を撮ってきた。その時選ばれたのがルカシェンコである。ルカシェンコ政権はあれから12年経ったということになる。次に行ったときはこの現大統領が国旗と紋章を変更すると国民投票を行うべく、国民に同意を呼びかけていた。テレビは終日、国民の疑問に答える大統領の様子がこれでもか、これでもかと放映されていた。一見民主的なように見えた。しかし、それは反対意見を封じ込める手段でもあった。その後の大統領のやったことを見ていると、決して民主的ではない。西側が「独裁者」というのは納得できないわけではない。私個人としてもルカシェンコは好きではない。しかし、だからといって西側の論理で独裁者=悪とかたづけてしまっていいものか疑問に思っている。まして、イラクやアフガンの二の舞になっては困る。
国民投票のとき、市民からこんな意見を聞いた。「ベラルーシ国民は長い中央政権に慣らされてしまっているので、民主主義がわからないのだ」と。
ルカシェンコ政権は旧ソ連のようなシステムを復帰させたいのだろう。ソ連崩壊で目減りしてしまった年金なども復活させているようだ。その反面、人権侵害。反対派は押さえ込んでいるようだ。そういうやり方が独裁者と言われる所以でもある。なんか旧ソ連時代の暗部を連想させられて気持ちが悪い。
とはいえ民主化路線をすすめるロシアとは、これから上手くいくとは思わないんだが。今のところベラルーシは西側との水際にあるから、ウクライナ同様切り離すわけにはは行かないロシアの後押しはあるとしてもだ。
ベラルーシの民主化の旗を振るNGOには、裏でアメリカ政府が出資しているそうだ。代理戦争になりかねない臭いもする。7月ベラルーシを訪問する予定だった。ベリキボールのエレーナのパパとママの病気を見舞いたいと思っていたが、やめにしよう。待ってくれている人達には申し訳ないが。
記事から:
旧ソ連に属していたが、1991年8月に独立宣言。同12月に独立国家共同体(CIS)創設協定を締結した。ルカシェンコ氏が94年、ロシアとの関係強化を掲げ大統領に初当選。96年、大統領の任期を延長し、2001年に再選された。野党指導者や民主化デモの厳しい弾圧で「欧州最後の独裁政権」と呼ばれる。04年10月には国民投票により憲法の3選禁止規定を削除。しかし、欧州安保協力機構(OSCE)の監視団は01年選挙と04年の国民投票を不公正と批判している。(共同)
【ブリュッセル20日時事】欧州連合(EU)は20日の外相理事会で、前日行われたベラルーシ大統領選に関して国際監視団が不正を指摘したのを受け、同国に対する制裁措置の拡大について検討を開始した。 この日は、監視団を派遣した欧州安保協力機構(OSCE)からの暫定報告に基づき、議長国オーストリアが「ベラルーシ当局の孤立政策」に遺憾の意を表明。現在実施している一部当局者への渡航禁止の対象拡大などについて検討に入った。 (時事通信) - 3月21日7時1分更新 |