台風一過、雲ひとつない天気。
由比ヶ浜はサーファーの海に戻っていた。
風波で時化。潮温はいい感じ。
着替えを忘れて、膝まで。
本はカルヴィーノ「魔法の庭」
山へ。お婆ちゃん宅の手前で、
ふわりと、とんでもなく甘い、いい香り。
「金木犀でしょ」といわれるまで気づかなかった。
もう咲いてる。まだ百日紅も咲いてるのにナー。
天狗のところまで行った。
お宮の前の水の入った石の台のところで、
水浴びするカラスがいた。
頭を突っ込んでは、ぶるぶると水をはらい、
そこらじゅうを水びたしにしていた。
その後はお宮の屋根の上で西日にあたり、
気持ちよさそうに「くぁ」とつぶやいていた。
そのカラスを話題にしてたら、
今度は私たちの真ん前の電線の上にとまり、
自慢の嘴を研ぎ始めた。面白い奴。
それから女郎蜘蛛の巣の上に来て、
巣を揺らしていた。蜘蛛多い。
その後もずっといて、お宮の屋根で
顔を横に向けて長い嘴を見せつける
キメポーズを何度もしていた。
富士山が雲の上に見えた。
西日の中にいると、世界が黄金色。
リスが高いところに3匹。
げたげた鳴く子、
ツクツクホーシの声も聞こえた。
帰り途、出たての月がレモン色(一句)
シロップ漬けの、レモンの輪切り。
とっくり見ようと来た道を戻り、
また海に出る頃には白く輝いていた。
さそりがもう海の上すれすれ。
オリオンがくるぞー!
夏の特別運転が終わり、
冷えやら鐘前の頭痛やら貧血やらいろいろ戻ってきたCと私。
8月はすでに切なくて、9月はやけくそ、
10月はおばあちゃん。
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夜「グラン・トリノ」(2回目)