お寺にいつもいるカラスのミック(仮)。
いつも嘴を磨いではキメポーズで見せつけたり、
カーカー鳴いて美声を披露したりしている。
うっかりミックの存在に気づかないでいると、
イライラして騒ぎ出す、ミックは夏のオレ。
色の黒いのも共通点。
オレが好きすぎて、
この何年か彼女のできる気配がなかった。
ミックに会って、
「彼女できないねー」と言ってた一週間後、
お寺の下、山のふもとの木にとまり、
「カー!カー!」(オレ、ここ!)
山をのぼると先まわりしたミックはお堂の上にいて、
「カー!カー!」(オレ、ここ!)
からの目の前を滑空(オレの飛ぶ姿!)、
大きな杉の木の枝にとまると、
なんとそこに、彼女が待っていた。
夕陽の方を向いて並んで、
中睦まじいミックと彼女。
彼女の方がミックに寄りそったり、
首元の毛づくろいをしてあげていた。
「カー!」(オレの彼女!)
ミックおめでとう!お幸せに!
しばらくイチャイチャを見せつけた後で、
ミックは一人で飛んで山を降りて行った。
次のオーディエンスを探しに行ったのか。
スミレちゃん(仮)のおとうさんは
黄色の花束、たぶんレンギョウを抱えて
山を上っていた。
やっぱり挨拶する方が自然だと思って、
挨拶することにした。
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ジムのプールガードにも夏のオレの生き残りがいて、
ジャグジーに入ってる人をオーディエンスにして
プールガード用のメッシュのタンクトップをあえて着ないで、
日に焼けたシックスパックを意識しながら
せっせと床のブラシがけをしていた。