なぎのあとさき

日記です。

ピクニック

2014年09月19日 | 映画の話(ネタばれ)



今年はおしゃピクで
ピクニックのなんたるかを知ったし、
今読んでる「別荘」もピクニックに出かける話だし、
ツァイの新作で引退作のタイトルが郊遊(ピクニック)。
これらのピクニックに共通点はなんもないけど。

(以下ネタばれ)

シャオカンがアラフォーの子持ちに。
まともな人には成長しても変わらない、
変えられない部分があると思うけど、
監督もシャオカンも全然変わってなかった。
昔は痩せてたシャオカンが中年体型になったくらい。

何だろうここ???っていう風景、
何やってんのこの人???っていう謎の動き、
エッシャーの絵みたいに天地の狂った屋内、
変な絵!っていう絵、などなど
何それ?変なの!っていうシーンが続々。
それも相当な長回しなんだけど、
画が異常に切なくも美しかったり、
生々しいって意味でエロスがすごかったり、
女の子の顔や行動がかわいかったり、
雨が猛烈でだったりして、
意識が他にとぶこともなく
2時間ちょっとすっぽり入った。

キャベツのシーンは、
切なさが極まってひと笑いした後も長々と続くので、
3笑いくらいした。
セリフが少ないし、人によって見方はいろいろだろうけど
私は3人の女性を別の人と思って見ていた。
ワンコたちにご飯をあげている人は二人いたはず。
じゃなきゃ、はじめのご飯をあげるシーンで
ワンコたちが食いつかないはずがない。
孤独、孤独といわれがちなツァイの映画だけど、
そんなヒトコトでくくるのはちょっと違う、
3人の女性には、響くなにかがあるのでは。
(1人目はよくわかんなかったけど、
たぶんアル中ろくでなし夫のシャオカンの浮気相手が、
子どもたちの寝顔を見てもうこんなことやめよう、
と思ってたのでは)

雨の夜に川でシャオカンがおかしな行動に出て、
子どもたちが救われた後で
急に始まる家族のシーンは、時間軸的には
映画が始まる以前のことだと思って見ていた。
で、ラストの男女アップのシーンだけど、
絵を見てる女、すぐ後ろで酒飲んでるシャオカン、
それも息づかいがうっとーしいし、
酒臭いし、顔はだらしなくゆれている。
女はもうそんな男に耐えられなくて涙を流す。
シャオカンの人生に何があったのか、
なんでキャベツにあんなことをしたのか、
雨の夜にあんな行動に出ることになったのかを、
セリフなしのワンカットで描いていて
すげえ、これが映画だ、と感動するんだけど、
すげえ、すげえな、とひとしきり感動した後も
まだそのカットが続いている。
すごく変、変で、これぞ映画。
映画館で見なかったら集中できなかっただろう。

もひとつ笑ったのは、
引退作といっといてもう次の映画をとってる、って話。

渋谷イメフォにて。
渋谷は渋谷にいるしかないよーな人々で
相かわらずごった返していた。
かつて、私もそんなかの一人だった。

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