ここだけはゆずれにゃい
モンちゃん、先を見越して頭を使うんだから、賢い子。
伊達に殿ビーの弟やってない。
しかも無理やり押しのけて蹴り落としたりせず、もめずに丸くおさめる。
マオちゃんは上の段をとられたことに気づきもしないし固執もない。
オモチャに飛び付いた時点で過去のことは頭にない。また上の段に乗りたくなったら、新たな気持ちで遠慮なくぴょんして、モンちゃんを押しのけようとする。
そもそも、モンちゃんがマオちゃんをなめてあげるのも、高まって落ちつかないマオちゃんをなだめているようで、ただ気ままになめてるのではなく、意味のある行動に見える。モンちゃん、平和主義で争いを好まないみたい。
モンちゃん、いいお兄ちゃんになったし、一手先を読む賢い猫になった。ビーは3、4手先を読んでたけどね。
こないだ読んだ「火星の‥」の動物学者が、遊んだり話しかけたり刺激を与えて育てた豚は明るい性格になる、といってた。
マオちゃんはどんな子になっていくんだろう。今のところ、ツンデレぶりが突出してる。殿はかっこつけデレでツンではないもんね。
マオちゃんは疲れ知らずでさんざん一緒に遊び倒した後でも、マオちゃん、と呼ぶと、ツン!
あまくみにゃいで!
あまく見るわけないよ。キジの女の子は私の知る生き物でヒエラルキーのトップですから。
あたちはモンにーたんがいればいいにょ
にーたんといるとあんちん!
たくまちいせなかにゃの
かーちゃんのうでもたくまちいにゃ
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9月に入った日は朝から雨で、止んだらなんとも涼しいのね。道行く人は長袖なんか着てるのね。夜の空気がしんしんとしてるのね。
仕事はやっと落ち着いてきて家作業に戻ってきて、仕事前にTSUTAYAカフェぶらぶらして本見て歩いたり、公園で本読んだりできて、仕事の後はプールで泳いで、そのままチャリでOKまで買い物に行ったり。体を動かしてると仕事にまつわる雑念が徐々に消えていい。特に坂道をびゅーんとチャリで飛ばすと雑念も飛んでく。いつもと違う大きいスーパーに行くのも気分転換になる。これもととのい。
前までは、やらされてる感がハンパなかったとMさんがいってたけど、今は二人で自らやらなくちゃ、で仕事していて、後者のほうが責任はあるけどストレスは少ない。
しゃちょーの病気は進行が早くてもう起き上がることはおろか話すことも、LINEをうつこともできない。脳からの命令が筋肉に届かなくなる難病で、考えることはできてもコミュニケーションをとれないので、仕事の引き継ぎもまともにできず、PCのデータを見ながら手探りでやってきた。もともとしゃちょーは秘密主義なので必要な情報も隠されてたし、パスワードやら何やら分からなくて大変だった。6月の終わりに急な閉鎖が決まって2ヶ月、今は新会社の社名も定着してきて、クライアントさんも皆継続してくれている。 もともと制作は私とMさんでやっていたので、制作面に不安はない。
しゃちょーは自分から何も発することができないのは、想像を絶する辛さだろう。人の話聞くより自分の話したい人だったから。この病は鬱や認知を併発すると言われてるけど、あの状態で鬱にならないほうが難しそうだ。神経系の病気になるとアイデンティティを一から再構築して適応していくとサックス先生がいってたけど、コロナにも適応できてなかった人がどんな気持ちでいるのか、全くわからない。
家族以外、会いたくないかもしれない。家族だけは、一緒にいて自分から何も言わなくてもいい、気にならない存在だ。空気のような存在って、いざというとき本当に大切だ。
しゃちょーは家族に恵まれている人なので良かった。
しゃちょーがそんな辛い状況なので、しゃちょーの経費使い込みの記録を見ても、あらゆる嘘が分かっても、私たちは見てみぬふりをして残務処理を笑顔でこなした。こなしながら、嘘ついたりなんでも秘密にしたりって、よくないなーと何度も思った。悪い気が滞る。急に動けなくなって周囲の人にいろいろ知られて、居心地もわるかろう。わるいところばかりの人ではないんだけどね。外部スタッフKちゃんは騙されやすくていいところを拡大するのでしゃちょー大好きだし、パートナーのMさんは元々しゃちょー大嫌いだし、その狭間にいていろいろなことを思う夏でもあった。
私は好きも嫌いもなく、長いことつながりのある人が、日に日に弱っていくのを見るのはいやで、会った日は複雑な思いでどっと疲れた。わーわーやりあってた頃が懐かしい。
もう少し時がたてば仕事を残してくれたことに感謝して、いいところだけ思い出せるようになるであろう。
私とMさんは何でもオープンにして嘘はつかないでいようと言っている。風通しのいい流れを作って、悪い気がたまらないように。