菅首相の小沢代表当時子ども手当2万6千円金額に「びっくり」発言の無責任にびっくり

2011-02-25 08:48:20 | Weblog

 

 菅首相が9月に行う政権公約見直し検証の中に子ども手当まで含めることを昨2月24日(2010年)午後の衆院本会議で表明した。《2万6000円に「びっくり」=子ども手当論議時、満額困難を示唆-菅首相》時事ドットコム/2011/02/24-17:01)

 マニフェストズタズタの崩壊と言ったところだが、社民党の阿部知子政審会長の「現実の財政状況の中で満額2万6000円の給付は当面不可能だ」の指摘に記事題名にある「びっくり」発言が飛び出したと言う。

 菅首相「私もこの議論がなされている小沢(一郎)代表の当時、『2万6000円』と聞いたときに一瞬ちょっとびっくりしたことを覚えている」

 記事は解説している。〈当初、満額支給額の多さに驚き、実際の支給も困難との認識を示したとも受け取られる発言で、野党側の反発が予想される。〉――

 「NHK」記事をネタにTwitterに次のように投稿した。

 〈2011年02月24日(木) posted at 17:19:25

 首相 子ども手当の額見直しも http://nhk.jp/N3uP5zK9「小沢代表の当時に2万6000円に決まったと聞いたときは、一瞬、びっくりしたのを覚えている」。薄汚い責任転嫁。このマニフェストを基準に民主党の主要議員の立場で選挙を戦い政権交代を果たした以上実現に努力すべき。〉――

 自民党谷垣総裁、その他も無責任だと批判している。《子ども手当2万6千円、「議論当時びっくり」 首相答弁》asahi.com/2011年2月24日23時35分)

 谷垣総裁「小沢さんが提案したものだから責任を負わないぞ、と言っているように聞こえた。無責任極まる発言だ」

 石井啓一公明党政調会長「民主党マニフェストがいかにいい加減なものだったかが改めてはっきりした」

 小沢氏直系若手議員「あまりに腹が立った。同僚議員と首相発言への対抗策を練る」

 政府高官「首相は正直なのだが、本当のことを言ってはいけない時もある」

 普通はこういった無責任さを「正直」とする性格と一致させることはしないが、菅首相に関する性格評価ということなら、非常に的確な表現と言える。両者を関連価値と看做すと、無責任であることに常に正直であると言うことになり、野党時代の発言と首相になってからの180度違う発言との説明がつく。当然リーダーとしての資格はないということになるが、リーダーの資格がない政治家がリーダーとなっているという逆説を見事体現した菅首相というのも、その逆説までも見事正直に表していると言える。

 岡田克也幹事長「最終的に我々はマニフェストを選んでおり、びっくりしたけど合意したということだ」

 この発言は私がツイートした〈マニフェストを基準に民主党の主要議員の立場で選挙を戦い政権交代を果たした以上実現に努力すべき。〉に一致する。

 (以下は記事エントリー後の追加部分。インターネット上に岡田氏の子ども手当てを「月4万円程度にまで引き上げるべきだ」の発言が流布しているのに気づき、追加することにした。(2月25日午前11時30分)

《人口減少社会(コメント)》岡田かつや TALK-ABOUT/2006/01/31)  

 岡田克也「総選挙マニフェストでは、子どもの食費・被服費をおおむね賄える程度ということで1万6,000円という金額を設定しましたが、医療費や教育費などを考えると、まだ不十分です。将来的には、新たな財源を手当したうえで、月4万円程度にまで引き上げるべきだと私は考えています」――

 この発言は先の岡田幹事長の「最終的に我々はマニフェストを選んでおり、びっくりしたけど合意したということだ」のうち、「びっくりしたけど合意した」の発言に反する、矛盾した言葉となる。「びっくりした」主語に自身も入れて、「我々は」としているからだ。

 実際は「びっくり」どころか、「月4万円程度にまで引き上げる」ことを考えていた。無責任でいい加減な「びっくりしたけど合意したということだ」となる。

 菅首相にしても例え内心不承認であったとしても、表向きは承認した以上、内心の不承認を抑えたと言うことである。それを今更、「一瞬ちょっとびっくりしたことを覚えている」などと今になって表向きも不承認とするのは潔くないではないか。

 この「びっくり」発言、昨夜(24日夜)の首相官邸でのぶら下がりで次のように説明している。《NZ地震「家族の希望かなうよう支援」24日の菅首相》asahi.com/2011年2月24日21時1分)

 記者「今日の本会議で、阿部知子議員の質疑に対する答弁の中で、総理は『2万6000円は当面不可能だと指摘をいただいた。私も、小沢代表当時、2万6000円と聞いて一瞬ちょっとびっくりしたことを覚えている』と発言された。びっくり発言の真意は」

 菅首相「いや、言葉通り、当時その話を聞いたときに、びっくりしたというのを覚えていたものですから。当時の感想です」

 阿部知子議員の「当面不可能だ」との指摘に反応して「2万6000円と聞いて一瞬ちょっとびっくりした」は「当時の感想」だということは、その当時不可能だとの思いを抱いたと言うことであろう。

 だが、菅首相は民主党代表代行であった当時、当時の民主党作成のマニフェスト原案を了承している。《民主の政権公約原案、重点政策に4年間で22兆円》YOMIURI ONLINE/08年9月27日3時6分)

 2009年9月26日、〈小沢代表と菅代表代行、鳩山幹事長、直嶋政調会長らが党本部で会談し、原案を了承した。

 了承後の記者会見――

 直嶋氏「税金の無駄遣いをやめ、財政の仕組みを見直すことで、政策の裏付けとなる財源は十分確保できる」

 〈今後、重点項目などを精査し、10月上旬にも小沢氏が発表する。〉

 記事は最後にこう解説している。

 〈財源は、〈1〉国家公務員の人件費20%削減、独立行政法人への補助金カット、国の直轄事業として行う公共事業や調達コストの見直しなどで12・6兆円〈2〉所得控除の見直しなどで2・7兆円〈3〉外国為替資金特別会計や財政融資資金特別会計の運用益などで4兆円〈4〉政府資産の売却、租税特別措置の見直しなどで3兆円--により確保する考えだ。

ただ、与党が「財源に裏付けがない」との批判を強めていることから、今後、さらに精査する方針だ。〉――

 このような方針・決定に菅首相は民主党代表代行として深く関わっていた。

 また、小沢代表の記者会見の中で新聞記者が菅首相の子ども手当に関する発言を間接的に伝えている。《【小沢氏会見詳報】(2)完「中国の理解と協力が絶対必要」 》MSN産経/2009.4.14 19:52 )

 --政府が平成21年度補正予算に盛り込む15兆円の追加経済対策を発表したが、中身は子供への手当てなど、民主党の政策と非常に似通ったものが盛り込まれている。菅直人代表代行は、子ども手当1つとっても月額2万6000円と年額3万6000円で意味が違う、と言っているが、小沢氏は政府の対策の中身をどうみるか。また党内からは、補正予算案に対し修正案を出して議論を深めるべきとの意見もあるが、小沢氏自身はどうお考えか。

 「年額3万6000円」とは麻生内閣成立の「子育て応援特別手当」と銘打って就学前の3年間、第2子以降に支給する年額3万6000円(月額3000円に相当)のことである。

 いわば子ども手当月額2万6000円に乗っかって、「子育て応援特別手当」の年額3万6000円と比較して価値あること、優れていることとしたのである。

 それを今更、「小沢(一郎)代表の当時、『2万6000円』と聞いたときに一瞬ちょっとびっくりした」はあまりにも無責任な、誰もがびっくりする発言ではないか。

 参考までにこのときの上記問いに対する小沢代表の答弁のみを記してみる。

 小沢代表「あのー、政府与党の予算案っちゅうのは、以前からも申し上げておりますように、結局、役所で積み上げてきたものをまとめだけの作業でしかありません。つねに与党から役所に、お前のところはいくら出せ出せという話で積み上がってきたものがそうですから。基本的に、特徴としては直接、国民生活のレベルアップルに資するというような政策は非常に少ないということですね。いろんな事業やら団体やらというたぐいのところに、かなり多くのお金が使われ、この間、それだけ無駄が出ている、というのが特徴の1つ。

 それからもう1つは、あのー、子ども手当の話も出たけども、3歳から5歳だっけ? それで1年間でしょ? なんかもう、1万2000円の(定額給付金の)話と同じように、ほんとにこの日本の経済社会を再建するというよりも、とにかく、選挙前だし、なんでもいいから短期的に当面ばらまくという感じになっておって、いわゆる、国民一人一人が将来、長期にわたって生活設計をきちんと作っていく、という、そういうことにまったく足しにならない形でみんな組み立てられておりますので。この2つが特徴的なことだと思いますが、われわれとしてはもっと、当面の経済対策であると同時に、一番の問題は将来に対する不安、年金やその他のセーフティーネット、雇用やその他のセーフティーネット含めてですね、将来不安っちゅうのが余計、消費を減退させてるわけですよ。だから、国民の消費支出が6割、アメリカでは7割ですけれども、これをきちんと増大させていくためには、所得の増加と同時に、長期的な不安を取り除く、そういうセーフティーネットの新たな構築というのが大事だと思っております。その意味で、私たちの言っている施策は、両方とも、制度的に仕組み的に、これを定着させていこうという考え方。それから、個人個人の生活に資するという、途中での…いわゆる俗なことでいえばピンハネみたいなムダをやめようと。こういう2つの点に重点をおいて考えておりますので、基本的にこの考え方、政策の成り立ちそのものが違うと思っております。

 修正も…もし出たら、修正案を出してやるっていうことも1つかもしれませんけれども、予算のことについては特に、衆院の優越が認められておりますし、自民党が役所で積み上げてきたものを変えるだけの能力、力はありませんので、まあ、無理押ししてでも、ということになるだろうと思います。ですから野党としての限界はありますけども、方法論としては修正案を作ってやったほうがいいのか、あるいは基本的な論議を強く主張していったほうがいいのか、そこはもう、私っちゅうよりも、幹事長はじめ政調会長など、みなさんの判断におまかせしようと思ってます」――

 以前ブログに取上げているが、小沢元代表は1月16日(2011年)日曜日フジテレビ「新報道2001」に出演して、子ども手当に関して次のように発言している。

 平井文夫フジテレビ報道局専任局長「例えば、子ども手当にしても、まあ、あの、国民は政権交代を、その熱狂的に受け入れましたけれども、いざ、政権交代してみたらですね、例えば子ども手当一つとっても、色々問題もあることが分かってきた、じゃないでしょうか。財源だけの問題でないような気もするんですけどね」

 小沢元代表「いや、今言われているのは財源でしょう。それから政策の中身についは、また別の議論でしょう。だから、ごっちゃにして話しちゃダメですよ。何でもすぐごっちゃになっちゃうからいけないんでね。

 そのー、子ども手当も、おー、政策そのものもいいと言う人もあれば、悪いという人もありますよ、それは。当たり前なんですよ、そんなことは。
 
 だけども、例えばヨーロッパでも、フランスは十何年前から、フランスも、あのー、ドイツも子ども手当ちゃんと出してますよ、日本より多い。

 そしてそれによって、出生率も高まっていますよ。

 結果としておカネだけじゃないとは、あのー、思いますが。だから、そういうことも踏まえながら、我々は訴えたわけですから、だから、それをできるだけ実現すると、いうことが我々の姿勢です」

 要するにフランスやドイツの子ども手当を見習って政策作りを行ったということであろう。当然、自民党の児童手当や子育て応援特別手当よりも優越した政策であるかを説明するとき、フランスやドイツの成功例を引いたはずであり、菅首相にしてもその当時びっくりしたとしても、見習ったはずである。

 以下は《フランスの子ども手当はこんなに手厚い!》All About /2010年4月トピックス)を参考。金額は2010年4月現在。 

 フランスは消費税は19.6%であるが、食料品、住宅関係など生活必需品の場合は税率5.5%の軽減税率を設けている上に、「家族手当」の名目で、子ども1人のみでは手当を受け取ることはできないが、所得制限なしで、子どもが2人いる場合、月額124.54ユーロ(月額約1万5500円)、3人目以降は1人ごとに月額159.57ユーロ(月額約2万円)。

 子どもが11歳以上になると月額35.03ユーロ(月額約4400円)、16歳以上になると月額62.27ユーロ(月額約7800円)の加算。この加算額は子どもが1人(なし)、2人(1人分だけ)、3人以上(全員分)と、子どもの数によって変わるという。

 1人の子どもがいるだけでは家族手当を受け取ることはできないのは「2人以上の子どもを奨励する」ことによって出生率を上げる目的のフランスの育児支援政策となっているからだという。

 そのほかにも子どもが3人以上いる場合の各子どもが20歳に到達した時点から1年間、月額78.75ユーロ(月額約1万円)支給の成人手当や3歳から21歳までの子どもがいる低所得世帯に月額162.10ユーロ(月額約2万円)支給の低所得家庭手当がある。

 さらに離婚した場合も含めて片方の親を失った場合は月額87.57ユーロ(月額約1万1000円)、両方の親を失った場合は月額116.76ユーロ(月額約1万4500円)支給の孤児手当、所得制限のある出産一時金、子どもが出生してから3歳になるまで(養子の場合は養子になった日から3年間)、月額178.84ユーロ(月額約2万2000円)支給の基礎手当、その他があると言う。

 今年中国に抜かれて世界第3位に落ちたとは言え、これまで長い間世界第2位を保ってきた経済大国日本が日本よりも下位の世界第5位の経済大国フランスに社会が共に育てるとしている子ども支援策が劣ったのでは恥ずかしくないだろうか。

 だが、菅首相は恥ずかしくならずに、2万6000円の金額にびっくりしたと言い、9月には金額を見直すとしている。見直すとは金額を下げるということなのだろう。最初の年は月額1万3000円、次からは月額2万6000円とマニフェストで約束して多くの票を釣っておきながら、満足に支給しないうちから見直すでは、これでは「びっくり」しない国民がどれ程いるだろうか。

 しかも消費税を10%にまで上げようとしている。食品等に対する軽減税率を設けるかどうかまでまだはっきりとさせていない。

 要するに国家公務員の人件費20%削減や独立行政法人への補助金カット、その他諸々の見直し、あるいは衆議院の定数削減、予算の全面的組替え等を行って財源生み出すとした当初の方針を無責任にも当初の方針のまま手付かずに放置しているところを見ると、実行するだけの政治主導能力と覚悟を全く以って欠いているとしか見えない。

 その程度のリーダーだと言うことなのだろう、菅首相は。

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