世論調査の国民評価が必ずしも正しくないのは菅首相に対する評価一変が証明している

2011-02-15 08:09:00 | Weblog



 最初に昨日のブログ《米軍普天間飛行場辺野古移設が官僚主導による決定なら、菅首相は政治主導による決定に修復する責任を有する - 『ニッポン情報解読』by手代木恕之》について少し加筆したい。鳩山前首相が普天間に代る基地移設に関して「国外、最低でも県外」を断念、県内の辺野古に決めた理由付けに「抑止力」を持ち出したのは「方便」と新聞社のインタビューに答えた。菅首相は鳩山前首相が沖縄駐留の海兵隊の抑止力に関して言ったのだが、「直接聞いたわけではありませんので。いずれにしても私は沖縄の海兵隊を含む在日米軍全体として、やはり我が国の安全、あるいはアジア地域の、アジア太平洋地域の安定に大変重要な役割があると、このように認識しています」 (asahi.com)と「在日米軍全体」で捉えた場合の「抑止力」にすり替えるゴマカシを行っている。

 例え沖縄米海兵隊が実態的にそれ相応の抑止力を備えているとしたとしても、九州や四国、あるいは中国地方に移動しても「抑止力」の程度はそう変わらないだろうから、それを「国外、最低でも県外」の最初の約束に反して沖縄としたことの正当性として「抑止力」を理由付けとしたということなら、「方便」であることに変わりはない。

 また、「抑止力」云々の問題を抜きにしても、官僚主導で辺野古移設の日米合意がなされた事実に変化はないから、沖縄の基地問題の決定に関しても政治主導を公約としていた以上、政治主導での決定に戻すべきである。

 菅内閣の支持率がまた下がった。1月14日に第2次改造内閣発足後の世論調査では4ポイント前後上がったが、どうせご祝儀相場、早晩下がるに違いないと多くが見ていただろうが、案の定と言うか、予定事実と言うか、下降線を辿ることとなった。

 先ずは2月11、12両日(2011年)実施の「共同通信社」全国電話世論調査を見てみる。《内閣支持、最低の19%に 79%が与野党協議支持》47NEWS/2011/02/12 20:34 【共同通信】)

 菅内閣支持率――19・9%(前回1月中旬調査-12.3ポイント)
   不支持率――63.4%(前回+9.5ポイント)

不支持理由
 「首相に指導力がない」   ――30・5%
 「経済政策に期待が持てない」――27・4%

社会保障と税の一体改革に関する与野党協議
 野党も応じるべきだ   ――79.8% 
     応じなくてもよい――13・3%

一体改革に伴う消費税率引き上げについて
 賛成――55・9%(「どちらといえば」を含めて)
 反対――41.9%

適当と思う税率
 「8%程度」 ――47・3%
 「10%程度」――33・5%
 「15%程度」―― 4・7%
 
 15%と答えたのは余程の余裕所得層であろう。

政治資金規正法違反の罪で強制起訴の小沢一郎民主党元代表の対応について
 「議員辞職すべきだ」――52・8%

 次は2月11日12.13日(2011年)実施の電話世論調査。《NHK調査 内閣支持率21%》NHK/2011年2月14日 19時29分)

菅内閣を「支持する」  ――21%(前回先月調査-8ポイント)――去年6月菅内閣発足後最低。
     「支持しない」――64%(前回+5ポイント)

菅内閣を支持する理由
▽「他の内閣より良さそうだから」――47%
▽「人柄が信頼できるから」    ――21%

菅内閣支持しない理由
▽「政策に期待が持てないから」――40%
▽「実行力がないから」    ――40%

菅総理大臣が6月までに社会保障改革の全体像と消費税を含む税制の抜本改革の基本方針を示すとした姿勢についての評価
▽「大いに評価する」 ――6%
▽「ある程度評価する」――39%
          全体――45%
▽「あまり評価しない」 ――31%
▽「まったく評価しない」――18%
          全体――49%

消費税の税率引き上げについての賛否
▽「賛成」       ――33%
▽「反対」       ――31%
▽「どちらともいえない」――31%

小沢元民主党代表の進退

▽「民主党を離党すべきだ」   ――21%
▽「議員辞職すべきだ」      ――54%
▽「離党も議員辞職も必要はない」 ――17%

「ねじれ国会」をどう打開すべきだと思うか
▽「衆議院の解散・総選挙で改めて民意を問うべきだ」――45%
▽「与党と野党が政策ごとに連携すべきだ」     ――32%
▽「与党と野党の一部が連立政権を組むべきだ」   ――8%
▽「与党と自民党が大連立政権を組むべきだ」     ――5%

衆議院の解散・総選挙の時期をどう考えるか尋ねたところ、

▽「平成23年度予算案が成立した後、今年の春ごろに行うべきだ」――25%
▽「通常国会が終わる今年の夏ごろに行うべきだ」        ――22%
▽「今年の年末までには行うべきだ」              ――17%
▽「再来年の任期満了まで総選挙を行う必要はない」       ――24%  (以上)

 菅内閣が発足したのは2010年6月8日。民主党代表選を経て菅第1次改造内閣は2010年9月17日から2011年1月14日まで。柳田法務大臣更迭や仙谷、馬淵問責決議を受けた菅第2次改造内閣発足が2011年1月14日から1ヶ月経過しているが、通算して約8ヶ月しか経っていない。生まれたてのホヤホヤと言ってもいい新鮮さを保っていてもいいはずの内閣だが、「NHK」世論調査では「再来年の任期満了まで総選挙を行う必要はない」24%を除いて88%の国民が今年中の解散・総選挙を求めている。

 鳩山内閣退陣時の内閣支持率は20%を切っていたが、6月8日の菅内閣発足後の各マスコミの世論調査内閣支持率は軒並み60%前後を記録、V字回復と言われた。そして菅内閣発足から3カ月後の民主党代表選2010年9月14日投開票前の菅内閣支持率は50%から60%を記録していて、ほぼ国民の支持を維持していた。

 だが、一国のリーダーとして必須の資質としなければならない「政策」と「実行力」という肝心な点での支持・不支持を朝日新聞の世論調査で見ると、他の新聞の世論調査でもほぼ似た傾向を示していたが、

「政策の面」での支持――20%
「実行力」での支持 ――13%

「政策の面」での不支持――27%
「実行力」での不支持 ――51%

 となっていて、「政策」と「実行力」の資質に関しては否定的判断が上回っている。特に「実行力」に関しては4倍近い否定評価を示している。

 一国のリーダーとしての必須の能力に関しては否定的だが、内閣支持に関しては60%前後の国民が肯定的態度を示した。

 この逆説は既に知られているように国民の多くが首相がコロコロ代ることに拒絶反応を示していたことによる帰結であった。

 いわば首相が長く務めることに価値観を置いた。

 また民主党代表選での対抗馬である小沢元民主党代表との間の「次の首相に誰がふさわしいか」では、菅首相――65%、小沢元代表――17%と圧倒的に菅首相に軍配を上げている。

 このことは首相はコロコロ代えるべきではないとする首相選択の判断基準とした価値観に添った選択であると同時に小沢民主党元代表に対するアレルギーが影響した選択でもあるはずである。

 この世論に於ける価値観は民主党代表選で地方議員や党員・サポーターに大きな影響を与えただけではなく、世論の動向に従った議員も現れ、代表決着の大きな要因となったはずである。

 だが、民主党代表選当時から5ヶ月しか経過していない短い期間に菅内閣支持率は20%前後まで下げている。変わらない点は指導力と政策に対する一貫した否定的評価のみである。

 いわばここにきて内閣支持率と首相として必須としなければならない政策能力、指導力に対する評価がやっと一致した。あるいは整合性ある姿を取ることになった。

 この当然としなければならない帰趨は5ヶ月前に国民が首相選択の判断基準とした「首相はコロコロと変えるべきではない」の価値判断が間違っていたことをそのまま証明することになる。

 あくまでも「コロコロ」を判断基準とするのではなく、常に政策、あるいは指導力を判断基準として首相を選択すべきだったということである。

 ということなら、同時にその判断基準に基づいて小沢氏を選択できるかどうか判断すべきであったことになるが、当時と変わらずに現在もそうなっていない。

 このことは昨年(2010年)9月7日エントリーの当ブログ民主代表選、国民世論は指導力なら小沢と言っている》に書いた。

 最初に示した共同世論調査で菅内閣支持19・9%、不支持63.4%でありながら、社会保障と税の一体改革に関する与野党協議に関しては、野党は応じるべきだが79.8%、応じなくてもよいが13.3%の逆説を描いているのは、与野党協議は国民は必要と判断としているが、菅首相に関しては必要としていないという意思表示がそのまま表れた結果値であるはずである。

 いわば与野党協議に於ける菅主導の排除を意味していると見るべきだろう。

 一度は国民が首相選択の価値観とした「首相はコロコロ変えるべきではない」は少なくとも現在のところ国民自らが葬り去って、88%の国民が、民主党の勝利を予想する見方が少ないことから、結果的に首相をコロコロ変えることになることが予測される年内の解散・総選挙を望んでいる。

 だが、依然として指導力あると見ている小沢氏に対するアレルギーは強く残っている。


コメント (1)
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