文飾は当方。
国家戦略特別区域諮問会議(首相官邸/2017年9月5日) (一部抜粋) 安倍晋三「岩盤規制改革をスピード感を持って進めていく。これは、安倍内閣の揺るぎない方針であります。国家戦略特区はその強力な突破口で、特区に係る決定は民間議員の皆さんが一点の曇りもないとおっしゃっておられるとおり、いずれもオープンで適切なプロセスを経たものであります。他方、今般、第三者が加わらない省庁間の直接の調整をめぐって、当事者間で言った言わないの水掛け論に陥り、国民的な疑念を招く結果となりました」 |
加計学園の獣医学部新設に関して政治的関与があったのではないのか、行政を歪めたのではないのかと安倍晋三がその首謀者に目されてあれやこれや様々に噴出した「国民的な疑念」を「当事者間で言った言わないの水掛け論」だといとも簡単に片付けてしまうペテンは流石である。
大体が今回の疑惑での「言った言わない」の証言の食い違いはどちらかが事実を述べていないということであって、単なる「水掛け論」のレベルに収めてしまうことはできない。
収めようとしているところに疑惑の首謀者と目されている安倍晋三自身の疑惑隠蔽の意図を嗅ぎ取らない訳にはいかない。
2017年7月10日 加計学園参議院閉会中審査 森ゆうこ自由党議員「萩生田官房副長官、平成27年4月2日、今治市の担当者は首相官邸で誰と協議を行いましたか」 萩生田光一「平成27年4月2日に今治市の職員が総理大臣官邸を訪問したかは、訪問者の記録が保存されていないため確認できませんでした。 先日も先生から御質問を受けまして、総理に直接聞くようにということでありましたのでお答えしておりますが、改めて総理に直接確認したところ、平成27年4月2日に今治市の職員と官邸で面会したとの記憶は全くないとのことでありました。 なお、一般的に市の職員が安倍総理などと面会することは考えにくいと思っておりまして、どなたとお会いしたかは確認ができておりません」 森ゆうこ「首相官邸ですね、平成27年4月2日です。(資料提示)パネルにも示しておりますし、皆様に今治市の行政文書、情報開示によって提供された行政文書であります。合計で7800以上あります。7800枚ですよ。これが行政です。 そのうちの一部です。きちんと書いてあるじゃないですか、平成27年4月2日、15時から16時30分まで、首相官邸。議題はそこに書いてあるとおりです、獣医学部の設置について。残念ながら、相手方、首相官邸でどなたと会ったのか、ここは黒塗りで開示されておりません。今まではその答弁でよかったでしょう。 じゃ、菅官房長官に伺います、首相官邸のことですから。一体、4月2日に、一地方都市の課長、そして課長補佐が訪れるということはほとんどないわけですよ。何で分かんないんですか、なぜ記録がないんですか、なぜ誰も確認できないんですか、誰も覚えていないんですか、お答えください」 山本幸三「今治市に確認したところ、官邸には行ったが、今後の今治市の業務に支障が生じるおそれがあるため、情報公開条例の趣旨にのっとり、相手方、内容についてはお答えできないとのことでありました。 一方、内閣官房に確認したところ、平成27年4月2日に今治市の職員が総理大臣官邸を訪問したかは、訪問者の記録が保存されていないために確認できなかったとのことであります」 森ゆうこ「山本さんに聞いていませんよ。首相官邸の話ですよ。菅官房長官、分からないんですか。何で記録がすぐ廃棄されちゃうんですか。2年前のことですよ。平成27年4月2日、今治市の課長、そして課長補佐、官邸を訪れているんです。なぜ分からないんですか。一体誰と会ったんですか」 菅義偉君「まず、総理大臣官邸への入邸については、通行証を貸与し、厳格に管理を行っております。通行証の貸与に当たり、訪問予定者に対し、訪問先への訪問予約届、その事前提出を求めて、入邸時にこれに記載されている内容と訪問予定者の身分証明書、これを照合し、本人確認を行っています。これによって安全性、これを十分確保しているということです。 その上で、訪問予定者の入邸確認後に訪問予約届はその使用目的を終えることに加え、外部からの入邸者数というものは一日に三百人から四百人いるということです。これを全て保存すれば個人情報を含んだ膨大な量の文書を適切に管理する必要が生じることもあり、公文書管理法や関 係規則等に基づいて遅滞なく破棄すると、こういう取扱いになっているということであります。 森ゆうこ「遅滞なく破棄する、そこが分かりませんね。参議院でも、会館への訪問者、その記録、3年間取ってある、文書管理規則に基づいて3年間取ってあります。なぜすぐ廃棄するんですか。なぜ官邸に誰が訪れたのか全く確認できないんですか。それはもう全然おかしいですよ。 その時間帯、御覧ください、資料にありますとおり、首相動静を見てみますと、平成27年4月2日15時から16時30の間、河村建夫衆議院議員も訪問されていますけれども、総理が会われているのは、この間、加計学園問題で裏金疑惑が報じられました元文部科学大臣の下村博文さんです。ピンポイントじゃないんですか。これ、でも、国家戦略特区で、今治市が獣医学部を提案を国家戦略特区で行う前の話なんですよ。二か月も前の話なんですよ。なぜ官邸に行く必要があるんですか。一体誰と会ったんですか。答えてください、菅さん」 菅義偉「それは今治市に聞かれたらいかがでしょう。官邸で、先ほど申し上げましたけれども、毎日三百人から四百人の方が訪れて、そして、それは公文書管理法や関係規則等に基づいて遅滞なく破棄する取扱いになっている、これは事実であります」 森ゆうこ「国民をばかにするのもいいかげんにしてくださいよ。今治市は、七千八百枚、加計学園問題に関しての行政文書を管理、保管し、市民の情報開示請求にのっとって全部出したんですよ。私のところに全部ありますよ。 じゃ、なぜ官邸はこんなことも確認できないんですか。なぜ誰も覚えていないんですか。おかしいでしょう。内閣府も分からないんだよね、何にもね、何にも文書がないんでしょう。どうかしていますよ。(発言する者あり)総理補佐官、静かにしてください」 |
森ゆうこは情報開示によって提供された今治市の行政文書には今治市役所の課長と課長補佐が平成27年4月2日の15時から16時30の間に獣医学部の設置に関して首相官邸を訪問したと記されている、誰と会ったかは黒塗りで開示されていない、会ったのは誰なのか明らかにして欲しいと求めた。
対して安倍晋三の腰巾着萩生田光一は「訪問者の記録が保存されていないため確認できない」、安倍晋三に聞いたところ、「今治市の職員と官邸で面会したとの記憶は全くない」と答えたと答弁、結局、分からずじまいで片付けている。
山本幸三は今治市に確認したが、総理官邸での応対者、応対内容は今治市の業務支障の関係で明らかにできないということだったで済ませている。
官房長官の菅義偉は通行証や訪問予約届、身分証明書等で本人確認するが、訪問予定者の入邸記録自体は「公文書管理法や関係規則等に基づいて遅滞なく破棄すると、こういう取扱いになっている」として、萩生田光一と同様、記録が残っていないことを理由に応対者が誰なのか分からないとした。
ここで問題になるのは萩生田光一、山本幸三、菅義偉の言っていることが事実証言なのか、虚偽証言なのか、本人たちは事実証言だと言い張るのは分かりきっているが、いずれなのかという疑惑が生じることになる。
例え本人たちが事実証言だと言い張ったとしても、今治市役所の課長と課長補佐が平成27年4月2日の15時から16時30の間に獣医学部の設置に関して首相官邸を訪問したという今治市の記録に残っている事実と、その記録では首相官邸側の応対者が黒塗りとなっている以上、応対者が存在していたという事実を以ってすると、「言った言わないの水掛け論」の類いで収めることはできない疑惑であって、そのような疑惑であることからすると、安倍晋三が「言った言わないの水掛け論」程度の疑惑だとするのは、まさにその程度の疑惑に貶めるペテンそのものを働かせていることになる。
加計学園衆議院予算委員会閉会中審査(2017年7月24日) 今井雅人「先ほど大串さんがちょっと触れましたけれども、これが今治市が提出している公開の資料です。中身は真っ黒なのでまだわからない部分もありますけれども、4月の2日に官邸の方に、今治市の企画課長と課長補佐が首相官邸を訪れています。 課長クラスが首相官邸を訪問するというのは私は本当に余り聞いたことがないんですけれども、普通は内閣府の担当者に会わせてもらう程度で、わざわざ官邸に行くというのは本当にあり得ないと思うんですけれども、そのときの関係者が証言をしています。 このとき面会をしたのは経産省出身の柳瀬唯夫首相秘書官、当時。柳瀬氏は今治市の担当者に、希望に沿えるような方向で進んでいますという趣旨の話をしています。おととしの四月ですね、この話をしているのは。面会の後、今治市では、ついにやったとお祝いムード、普通、陳情など、担当者レベルに会えればいい方、それが官邸に来てくれと言われ、安倍首相の名代である秘書官に会えた、びっくりですよ、絶対に誘致できる、さすが加計さんだ、総理にも話ができるんだと盛り上がったというふうに証言をしておられます。 これは、黒塗りのものが取られればどなたに会ったかというのもはっきりするわけですけれども、もう一度お伺いします。 この4月2日、柳瀬当時の首相秘書官は、今治市の課長と課長補佐にお会いになられましたか、そしてどんな話をされましたか」 柳瀬唯夫「お会いした記憶はございません」 今井雅人「では、会った可能性はあるということでよろしいですか」 柳瀬唯夫「お会いした記憶はございません」 今井雅人「もう一度確認します。私の質問に答えてください。 記憶にないということは、会ったか会っていないか断定ができないということですね} 柳瀬唯夫「記憶に本当にございません」 今井雅人「では、もう一回お伺いします」 記憶にないということは、会ったか会っていないかが定かではないということでよろしいですか。だから、会っている可能性は否定できないということですね。それでよろしいですか」 柳瀬唯夫「覚えておりませんので、ちょっとこれ以上のことは申し上げようがございません」 今井雅人「これは大事な部分なんですね。 ちょっと後で紹介しようと思っていましたけれども、今回は、いろいろな証言とか文書とか、いろいろ出てきているんですね。私がさっと数えただけで十幾つあります。十個以上ありますよ。それに対して政府側は、記憶にないとか、そういう事実はないと。では、それに対してどういう文書があるんですか、ありませんと。そればかりですよ。 片やちゃんと文書がきっちり残っていて、その真偽を聞いているのに、それは覚えていないとか、あるいは内容が正しいとは思えないとか、そういう発言しかないんですね。ファクトが大事なんですよ。ですから、国民の皆さんもよくわからないなとなるわけです。だって、いろいろな文書が出てきていますよね。それに対して、いやいや、違います、こういうことなんです、ここの、この文書を見てください、違うじゃないですかという説明を私は一度も受けたことがありません。 もう一度お伺いします。 お会いになった可能性はありますね。会っていないと断言はできないということですね」 柳瀬唯夫「覚えてございませんので、ちょっと何とも言いようが。申しわけございません」 浜田委員長「速記をとめてください。 〔速記中止〕 速記を起こしてください。それでは、柳瀬参考人、もう一度答弁願います」 柳瀬唯夫「お答え申し上げます。私、当時、秘書官、おととしの、25年の前半までやっておりましたけれども、当時、TPP、地球環境、成長戦略、研究開発、相当広範なところを担当しておりまして、相当多くの方々とお会いをしていたと思います。その中で、ちょっと、具体的にこの方とお会いしたかどうかの記憶が定かでないということでございます」 今井雅人「丁寧に説明を。記憶にないというのが一番よくないんですよ。 私も、政治家になる前に、政治家の人って記憶にないとか、役所の人も記憶にないとよくおっしゃるなと思っていたから、ここをはっきりしないとやはり国民の疑念が消えないので申し上げているんです。 これはいずれ公開されるかもしれませんので伺っているんです、ここに書いてあるかもしれないから。 ですから、会っている可能性も否定できないですねということ、そこだけ確認してください。言えない話じゃないでしょう。こんなところでとまると思わなかった」 柳瀬唯夫「覚えてございませんので、会っていたとも会っていないとも申し上げようがございません」 今井雅人「そうしたら、午後までに当日の官邸の入館記録を提出していただきたいと委員長にお願いしたいと思います、平成二十七年の四月二日の官邸の入館記録」 浜田委員長「理事会で協議します」 |
2017年7月24日にあったこの質疑の日から遡って2年と3カ月余前の今治市職員の首相官邸訪問に対して官邸側の応対者と目されている当時安倍晋三の秘書官だった柳瀬唯夫は「記憶にない」、「覚えていない」の一点張りで押し通している。
参議院予算委員会 加計学園閉会中審査(2017年7月25日) 桜井充「柳瀬参考人にお伺いしたいと思いますが、柳瀬さん、久しぶりでございます。柳瀬さんとは、特に原発の事故のときには大変お世話になりまして、柳瀬さん、私、柳瀬さんと今日久しぶりにお会いするんですが、前にお会いしたの、いつだか覚えていますか。 柳瀬唯夫「いつ頃でしたでしょうか、多分7、8年前でしょうか、ちょっと正確じゃございませんけれども」 桜井充「そうなんですよ。7、8年ぐらい前に財務省の当時の主計局長さんが会合を開いてくださって、官僚のこの方々が優秀で、これから先は日本の将来を担っていく人だから、副大臣、お付き合いしてくださいと言われてお会いしたのが最初だったと思いますが、それでよろしいですよね」 柳瀬唯夫「財務省の方が当時の櫻井副大臣にどう御説明されたか、ちょっと私は存じ上げませんので、申し訳ございません」 桜井充「でも、まあそのときに宴席一緒にしましたよね」 柳瀬唯夫「夜、お食事をさせていただいたのをよく覚えてございます」 桜井充「さあ、7、8年前のことを覚えていらっしゃるんですから、去年、おととしのことは覚えていらっしゃると思うんですがね。 そうなってくると、これは記事でしかありませんが、今治市と会ったのがその当時の柳瀬首相秘書官だと、そう言われているんですが、これは事実でしょうか」 柳瀬唯夫「お答え申し上げます。当時、私は総理秘書官として国家戦略特区、成長戦略担当してございました。その関連で内閣府の担当部局と打合せもしておりました。私の記憶をたどる限り、今治市の方とお会いしたことはございません。 私が秘書官をしていました平成27年の前半までは、そもそも50年余り認められてこなかった獣医学部の新設をどうするのかという制度論が議論されていまして、この後、先生の御指摘のあったよりも多少後に、今、石破四原則とおっしゃった、再興戦略2015というのをまとめて、いわゆる石破四原則というのをそこで書いたわけで、その過程でございまして、制度を具体的にどこに適用するかというふうな話は全く、当時の段階では全くございませんでした。 したがいまして、この段階でどなたにお会いしても、今治市がいいとか悪いとか、そういうことを私が申し上げることはあり得ないと思ってございます」 桜井充「そうすると、簡潔に答えてください、今治市の職員とは会っていますか、その日、会っていませんか」 柳瀬唯夫「私の記憶をたどる限り、お会いしていないということでございます」 桜井充「それは否定されたということでいいんですね」 柳瀬唯夫「私の記憶する限りはお会いしていないということでございます」 桜井充「済みませんが、それは事実としてもう否定したということでよろしいんですね」 柳瀬唯夫「事実としまして、私の記憶のある限りはお会いしていないということでございます。(発言する者あり) 山本一太委員長「速記を止めて。 〔速記中止〕 速記を起こしてください」 柳瀬唯夫「記憶している限りはお会いしたことはございません。会った覚えがないということでございますので、それで御判断をいただくということだと思います。 桜井充「それでは、和泉(首相)補佐官は今治市職員と会っていますか、その日に」 和泉洋人「私は会ってございません」 桜井充「今のように、会っていない方ははっきりと会っていないとおっしゃっているんです。 改めて、柳瀬参考人、いかがですか」 柳瀬唯夫「記憶たどっても会っていないということでございます」 |
今井雅人に対しては「記憶にない」、「覚えていない」の一点張りが、「私の記憶のある限りはお会いしていない」、あるいは「記憶たどっても会っていない」に変わっている。
と言うことは、「記憶のないところでは会った可能性はある」と言うことになる。だが、桜井充はそこまでは追及しなかった。
以前ブログにこの遣り取りについて、〈経験したことは全てが脳レベルで痕跡として残っていると言われている。但し人間はその全てを覚えている記憶力は有しておらず、脳に痕跡として残っている経験に近い第三者の言葉や映像、行動などの何かのキッカケを与えられることで、脳の無数の経験の引き出しの中からキッカケによって刺激を受けた経験が記憶として引っ張り出されるのだと、フジテレビの「ホンマでっか」にコメンテーターとして出演している生物学者の池田清彦がかなり前にそんな趣旨のことを言っていた。〉と書いた。
要するに「記憶にない」、「覚えていない」は記憶にないだけ、覚えていないだけのことで、会っていないことの証明とはならない。繰返しになるが、「記憶のないところでは会った可能性はある」と言うことになる
「スクープ! 加計疑惑 官邸で今治市と密会した“真犯人”は安倍首相の懐刀 特区申請前になぜ?(AERA/2017.7.23 12:14) 安倍晋三首相が出席し、7月24、25日に行われる国会の閉会中審査。 これまでの審議では、加計学園問題について多くの疑惑が未解明のままになっている。その一つが、2015年4月2日、愛媛県今治市の企画課長と課長補佐が首相官邸を訪れていたことを示す今治市側の記録があることだ。 市町村の課長クラスが首相官邸を直接訪問していること自体も目を引くが、その時期は今治市が国に国家戦略特区での獣医学部新設を提案する2カ月も前のこと。いったい、誰と何が話し合われたのか。「加計ありき」のレールが、この時期から敷かれていたのではないのか。 だが、肝心の訪問相手は今治市側が公開した資料では黒塗り。7月10日の閉会中審査で自由党の森ゆうこ議員が質問したが、萩生田光一官房副長官は「訪問者の記録が保存されていないため確認できなかった」と煙に巻いた。たかだか2年前のことなのに、面会相手が誰だったかすらわからないというのだ。 そんな中、本誌はこのときの面会者について重要な証言を得た。事情を知る今治市関係者がこう語る。 「実は、このとき面会したのは経産省出身の柳瀬唯夫首相秘書官(当時)。柳瀬氏は今治市の担当者ら少なくとも3人と会い、『希望に沿えるような方向で進んでいます』という趣旨の話をしたと伝わっています」 名前が挙がった柳瀬氏は、以前から経産省の次官候補と言われてきたエース。麻生太郎政権でも首相秘書官を務め、その仕事ぶりが評価されて安倍政権でも秘書官に起用されたという。経産省では原子力政策課長だった06年に原発の増設や輸出を進める「原子力立国計画」をまとめたことでも知られる。同じ経産省出身の今井尚哉首相秘書官とともに、安倍首相と経産省との“蜜月”関係を象徴する人物でもある。 安倍首相の懐刀である柳瀬氏が直接、今治市の担当者を官邸に招いて面会していたとすれば、やはり“特別扱い”という疑念を抱かざるを得ない。前出の関係者もこう語る。 「面会の後、今治市では『ついにやった』とお祝いムードでした。普通、陳情など相手にしてもらえず、下の担当者レベルに会えればいいほう。国会議員が同行しても、課長にすら会えない。それが『官邸に来てくれ』と言われ、安倍首相の名代である秘書官に会えた。びっくりですよ。『絶対に誘致できる』『さすがは加計さんだ、総理にも話ができるんだ』と盛り上がったというのは有名な話です」(以下略)(文/今西憲之、本誌・小泉耕平) |
8月10日付「asahi.com」が記事が、〈加計(かけ)学園の獣医学部新設をめぐり、愛媛県今治市の担当者らが2015年4月に首相官邸を訪れた際、加計学園事務局長が同行し、当時の柳瀬唯夫・首相秘書官(現・経済産業審議官)が対応していたとの朝日新聞報道を受け、菅義偉官房長官は8月10日午前の記者会見で、「国会で柳瀬さんが答えた通りだ」と述べ、事実関係を改めて調査する必要はないとの考えを示した。〉と伝えている。
菅義偉は柳瀬唯夫の会っていないことの証明とはならない「記憶にない」、「覚えていない」だけの国会答弁で安倍政治関与疑惑がなかったことの証明にしようとしている。
この門前払い同然の安易さは安倍晋三が言っていた「丁寧な説明」に対しても矛盾することになる。
「通常国会終了を受けた記者会見」(2017年6月19日) 安倍晋三(質疑応答で)「国家戦略特区における獣医学部の新設につきましては、文書の問題をめぐって対応は二転三転し、国民の皆様の政府に対する不信を招いたことについては、率直に反省しなければならないと考えています。 今後、何か指摘があれば、政府としてはその都度、真摯に説明責任を果たしてまいります。国会の開会・閉会にかかわらず、政府としては今後とも分かりやすく説明していく。その努力を積み重ねていく考えであります。 今国会の論戦の反省の上に立って、国民の皆様の信頼を得ることができるように、冷静に、そして分かりやすく、一つ一つ丁寧に説明していきたいと思います」 |
「何か指摘があれば」、「冷静に、そして分かりやすく、一つ一つ丁寧に説明していく」
例えマスコミ報道であったとしても、今治市の職員に加計学園事務局長が同行したという新しい事実と、「事情を知る今治市関係者」の新しい証言が出てきたのである。安倍晋三の疑惑払拭のための“分かりやすい丁寧な説明”の公約に忠実に添って改めて首相官邸での応対者が誰で、どのような内容の用事を承ったか調べ直すべきだろう。
勿論、柳瀬唯夫に改めて聞き取りをしても、「記憶にない」、「覚えていない」の一点張りだろうから、時間のムダ・労力のムダは目に見えている。最善の方法は地方公共団体に対して強い影響力を持ち、国と地方公共団体及び地方公共団体相互間の連絡協調等を役目としていると「Wikipedia」が紹介している総務省に命じて今治市が黒塗りにしている記録の開示を求めれば、応対者が柳瀬唯夫なのか、そうでないのかのみの事実一つで安倍晋三の政治関与疑惑が事実であるか、事実でないかが判明することになり。事実でないということになれば、安倍晋三の疑惑が一気に晴れることになる
安倍晋三自身が政治関与の首謀者と目されていながら、「言った言わなかったの水掛け論」程度の疑惑に貶めて、さも自身が関与していないかのように装うペテンも必要なくなるし、国会審議を正常に戻す一助にもなる。。