安倍晋三の「国難突破解散」の“国難”は歴代自民党政権がつくったものだから、“突破”はマッチポンプ

2017-09-26 11:54:22 | 政治

次期衆議院議員選挙 争点とすべき


      2つのこと



  森友・加計政治関与疑惑にまみれた

     指導者を続投させるべきか否か

  成長実感ゼロのアベノミクスを

     効果があると見せかける幻想に

      今後も付き合うべきか否か

 ご存知のように「マッチポンプ」とは「自分でマッチで火を付けて自分でポンプで消すこと」を言う。「自分で火を付ける」とは他人に関係する揉め事を自分で起こすことの比喩であって、「自分でポンプで消す」とは自分で起こした揉め事をその他人のために解決してやって他人から利益を得ることの比喩となっている。

 言ってみれば、自作自演自己利益行為の揉め事のデッチ上げと言うことになる。

 安倍晋三は昨日2017年9月25日の衆議院の解散を告げる記者会見で「この解散は『国難突破解散』であります」と命名した。

 現在日本が置かれている「国難」は勿論、安倍晋三が一人でつくったわけではない。歴代自民党政権がつくり出し、それを歴代自民党政権の末席に現在位置している安部政権がその国難の突破を図る。と言うことは、自民党政権という文脈で考えた場合、まさに“マッチポンプ”に相当する。

 当然、自民党という立場からしたら、自作自演自己利益の「国難突破」と名付けることができ、そのための解散に過ぎない。

 国難の殆どは1990年代初頭のバブル崩壊後、20年以上に亘って続いた経済の停滞を言う“失われた20年”によってもたらされた。経済が拡大し、拡大によって税収が年々増加していく高度経済成長時代はその弊害は目につかなかったが、高度経済成長時代が終わって以降、“失われた20年”が進行する経済停滞の中にあっても、自民党政治が長年染み付かせて主たる属性となっていた各議員の地元や業界団体と結びついた利益誘導政治を改めること無く続けて特定の自民党議員を潤す目的の各選挙区地元のムダな公共事業や特定の業界を潤して国会議員にその利益の一部を還元するすムダな政策にムダな予算を費やした結果の先進国最悪水準の国の借金が2016年9月末時点で過去最大更新の1062兆5745億円(日経電子版)が国難の端緒となっているはずだ。  

 「借入金償還財源の繰入額」等が記されている財務省のページを見ると、2017年度の国債と地方債を合わせた公債の予定償還額は34兆7,298億円、一般会計からの繰入額13兆8,619億円、特別会計からの繰入額18兆2,418億円、株式売払収入からの繰入額1兆5,460億円その他となっている。  

 一般会計からと特別会計からの繰入額を合計した32兆1037億円分、各政策に回す予算を窮屈にしていることになる。しかもこの金額は2017年度の予定額で、2016年度から遡って年度毎にほぼ変わらない金額を償還に充てて、年々予算を窮屈にしている。

 殆どが自民党政権が借金をつくって、自民党政権が返済するという一人相撲はまさに自作自演自己利益の“マッチポンプ”のそのものである。

 安倍晋三は上記記者会見で2019年10月予定の消費税率8%から10%増税時の2%分5兆円強の税収5分の1社会保障の充実、残り5分の4の4兆円程度を借金返済の予定となっているが、借金返済の約4兆円を財政再建は後回しにして、そのうちの幾らかを子育て世代への投資拡充への用途変更を申し出ている。

 投資の主たる内容は幼児教育の無償化や高等教育の無償化に回すと言っている。

 大いに結構だが、2015年11月24日付「日経電子版」記事は、経済協力開発機構(OECD)の9月24日公表の情報として、〈2012年の加盟各国の国内総生産(GDP)に占める学校など教育機関への公的支出の割合〉は、〈日本は3.5%で比較可能な32カ国中、スロバキアと並び最下位だった。OECD平均は4.7%。〉と伝えている。

 歴代自民党政権が営々と積み上げてきた2016年9月末時点国の借金1062兆5745億円の返済のために年度ごとに30兆円前後を支払い続けなければならないためにその金額分窮屈にせざるを得ない予算配分が教育予算にも及んでいることからの教育機関への公的支出割合のOECD最下位ということでもあるはずだ。

 いわば借金をつくって教育予算を減らしていながら、消費税増税分のうちの借金返済額の何パーセントかを幼児教育や高等教育の無償化の教育予算に回す。

 しかも選挙の目玉の一つにして票を取り入れ、自己利益にしようとする思惑(=打算)がないことはないはずだから、自作自演自己利益型の“マッチポンプ”そのものであろう。

 幼児教育や高等教育の無償化に反対はしないが、借金の返済額から工面した場合の年々の返済額の減少は、その金額は消費税増税分から回されることになるから少しは減ることになったとしても、減少分と見合う金額に応じて各政策への予算配分を窮屈にしていかなければならないことになって、これまでと左程変わらない堂々巡りの悪循環を繰返していくことになる。

 当然のこと、歴代自民党政権が自分たちでつくった国の借金を自分たちで返していく自作自演自己利益の“マッチポンプ”は続いていくことになる。

 これが安倍晋三が言っている「国難突破解散」の中身であり、安倍晋三自身が自ずと“マッチポンプ”の性格を付き纏わせていることになる。

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