安倍晋三:従軍慰安婦強制連行否定2007年3月16日閣議決定 「政府が発見した資料の中には、軍や官憲がいわゆる強制連行を 直接示すような記述も見当たらなかった」とする “政府発見資料”とは如何なる資料か、公表すべき |
当時国家戦略特区担当の内閣府地方創生推進室次長だった藤原豊が2015年8月に岡山市や今治市に主張した際、移動に加計学園の車を使っていながら、出張記録には自治体の「官用車」を使った移動であるかのように虚偽記載していたと、2018年5月15日付け「日経電子版」記事が、《「官用車」と虚偽記載か 内閣府次長、今治出張時》 と題して伝えていた。
記事が、〈学校法人「加計学園」(岡山市)の車を使用したとみられる問題があり、内閣府は15日の野党合同会合で、交通手段の欄に「官用車」と記した職員の出張記録を公表した。〉と伝えてることからすると、最初にこの問題が何らかの理由で浮上して、野党が5月15日の合同会合に内閣府職員を呼んで事情を聞いたところ、「官用車」と記した藤原豊の出張記録を公表したという経緯を踏んだのだろう。
記事はさらに、〈内閣府担当者は矛盾を認め「確認中」と説明。〉と伝えている。つまり移動手段として実際には加計学園提供のお車のお世話を受けていたにも関わらず、さも自治体提供の官用車を使った移動手段であるかのように記載していた。
加計学園提供のお車のお世話を受けていながら、出張記録には官用車と記載する。このことを記事は、〈学園側から便宜供与を受け、虚偽記載をした可能性がある。〉と端的に記している。
公表された「旅費精算請求書」などの複数の出張記録から判明した出張の具体的な日付は2015年8月5~6日まで。出張の具体的な目的は国家戦略特区の意見交換会。出張場所は熊本市や岡山市、今治市。虚偽記載の疑い箇所は、「岡山市内~今治市内~松山空港は官用車利用」との記載部分。
さらに記事は末尾で次のように解説している。
〈藤原氏は15年4月2日、学園関係者や愛媛県、今治市の職員が首相官邸で柳瀬唯夫首相秘書官(当時)と会う前に内閣府で面会していた。(愛媛)県職員が作成した文書には、藤原氏が「要請の内容は総理官邸から聞いており」「県・市・学園と国が知恵を出し合って進めていきたい」などと発言したと記載されていた。内閣府によると、藤原氏は調査に「(発言の)記憶がない」と答えている。〉――
藤原豊が虚偽記載に関わる出張の出発点とした岡山市には加計学園の本部がある。ネットで調べてみると、岡山市から山陽自動車道と本州四国連絡道路の3ルートのうちの1つである西瀬戸自動車道(通称瀬戸内しまなみ海道)経由で138.8 km、2 時間8分の所要時間と出ている。
岡山空港に到着したか、あるいは山陽新幹線岡山駅に到着した藤原豊を加計学園の車が出迎えたということもある。そして岡山市の加計学園本部に向かった。
もしもこのことが事実だとしたら、当然、加計孝太郎と面会するはずだ。面会後、加計孝太郎を混じえて、完成模型があったなら、それを前にして目標としている獣医学教育の内容・方針・規模、そして校舎のデザイン等々の講釈を受けてから今治市に向かったとすると、真っ先に今治市役所に足を運んで、獣医学部の建設計画、校舎建設場所や周囲の環境等、さらには愛媛県や今治市の資金的なバックアップがどの程度なのかといった説明も含まれていたかもしれない、そういった説明を受けた上で獣医学部校舎建設予定地にまで足を運んで、その場所を目で確認した可能性も考えることができる。
いずれにしても、加計学園の車を移動手段としていながら、自治体が使用する官用車を移動手段に使ったかのように粉飾、虚偽記載した疑いが出たということは加計学園の車を使ったことを隠す必要があって隠したことになる。
上記記事は既に触れたように、〈学園側から便宜供与を受け、虚偽記載をした可能性がある。〉と解説しているが、便宜供与を生じさせるには前以ってある種の特殊な関係性が存在しなければならない。
そのような関係性があって初めて便宜供与を生じさせることができる。いわば隠す必要があったその対象は加計学園と内閣府の関係、あるいは加計学園と内閣府の藤原豊との関係であったはずだ。
その関係を隠す必要上、便宜供与となる移動手段のための車の提供まで隠す必要性に迫られて、さも自治体の官用車を移動手段としたかのように粉飾することになった。
加計学園と内閣府の関係、あるいは加計学園と内閣府の藤原豊との関係を正々堂々と公にできるものなら、加計学園の車を使ったことを隠す必要性に迫られることはない。
上記記事が触れている藤原豊が2015年4月2日に内閣府で愛媛県と今治市の職員、さらに加計学園事務局長と面会した際に発言した記載している愛媛県文書を見てみる。
《藤原地方創生推進室次長の主な発言(内閣府)11:30》 ・要請の内容は総理官邸から聞いており、県・今治市がこれまで構造改革特区申請をされてきたことも承知。 ・政府としてきちんと対応していかなければならないと考えており、県・市・学園と国が知恵を出し合って進めていきたい。 ・そのため、これまでの事務的な構造改革特区とは異なり、国家戦略特区の手法を使って突破口を開きたい。 ・国家戦略特区は、自治体等から全国レベルの制度改革提案を受けて国が地域を指定するものであるが、風穴を開けた自治体が有利。仮にその指定を受けられなくても構造改革特区などの別の規制緩和により、要望を実現可能。 ・今年度から構造改革特区と国家戦略特区を一体的に取り扱うこととし、年2回の募集を予定しており、遅くとも5月の連休明けには1回目の募集を開始。 ・ついては、ポイントを絞ってインパクトのある形で、2、3枚程度の提案書案を作成いただき、早い段階で相談されたい。 ・提案内容は、獣医大学だけでいくか、関連分野も含めるかは、県・市の判断によるが、幅広い方が熱意を感じる。 ・獣医師会等と真っ向勝負にならないよう、既存の獣医学部と異なる特徴、例えば、公務員獣医師や産業獣医師の養成などのカリキュラムの工夫や、養殖魚病対応に加え、ペット獣医師を増やさないような卒後の見通しなどもしっかり書きこんでほしい。 ・かなりチャンスがあると思っていただいてよい。 ・新潟市の国家戦略特区の獣医学部の現状は、トーンが少し下がってきており、具体性に欠けていると感じている。 |
だが、藤原豊は上記記事に書いてあるとおりにこのような発言を否定している。
この面会の4カ月後の2015年8月5日から6日までの今治市出張で隠す必要性を招いた加計学園と内閣府の関係、あるいは加計学園と内閣府の藤原豊との関係は、他にも様々にあるだろうが、愛媛県文書にある藤原豊の発言に対する自身の否定と対応していると見なければならない。
いわば2015年4月2日の内閣府での藤原豊と愛媛県及び今治市の職員と加計学園事務局長を加えた面会自体に対する隠す必要性に対応させた出張時に於ける両者の関係の隠す必要性だということになる。
愛媛文書の存在は2018年4月10日付「朝日デジタル」が報じ、同日のうちに愛媛県知事中村時広が記者会見でその存在を認めた。つまり少なくとも2015年4月2日から2018年4月10日までの3年間、藤原豊の内閣府での面会発言は秘密にされていた。
この秘密と対応させた今治市出張時の加計学園との関係の秘密が加計学園の車を使いながら、さも官用車を使ったかのように粉飾しなければならなくなって虚偽記載に迫られたということであろう。
加計学園獣医学部認可が安倍晋三の行政に対する不当な政治関与によって実現したことでなければ、何一つ隠す必要性は生じないし、隠す必要性は前のウソが次のウソを必然的に生む一環性を取るように不当な政治関与という全体的な隠蔽が様々な事実関係に対してそれぞれに個々の隠蔽を必然的に誘うことになる、このような前後全体の一環性によって成り立っていると見なければならない。