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浜田防衛大臣海上自衛隊へP-3C派遣を命令! ソマリア沖海賊事案

2009-05-15 23:04:32 | 防衛・安全保障

◆P-3C海上警備行動で派遣へ

 浜田防衛大臣は、本日午前、海上自衛隊へソマリア沖海賊事案海上警備行動に際して、P-3C哨戒機の派遣を命令した。

Img_1145  海上警備行動として派遣されるのは、厚木航空基地第4航空群に所属するP-3C哨戒機2機。速力395ノット、戦闘行動半径2500kmで、6600㍍の高度から各種センサーを用いて洋上哨戒、対潜哨戒を行う機体。現在、海上自衛隊では80機が運用されており、対潜機材に加え、機首と胴体尾部に360°を警戒可能なAPS-115Bレーダー、AAS-36赤外線探知装置などを搭載。索敵範囲は非常に広い。

Img_7790  近年は、洋上哨戒能力を向上させるべく、捜索レーダーなどの近代化を実施している。リンク11により、洋上の水上戦闘艦や陸上の航空基地とデータリンクを結ぶことが可能となっており、今回派遣されるP-3Cは、現在派遣され、任務にあたっている“さみだれ”“さざなみ”を支援する。

Img_0640  P-3Cの任務は、具体的には護衛艦に上空から不審船舶の情報を送信するとともに、必要であれば、ソマリア沖へ派遣されているNATO規格の各国艦艇ともデータリンクすることも可能だ。P-3Cの派遣は、米軍も駐留するジプチ共和国のジプチ空港を拠点とする。派遣計画は、まず5月18日に先遣隊をジプチへ派遣、5月末に派遣部隊本隊をジプチに送る。

Img_9563_1  P-3C派遣に際して、派遣部隊の規模はどの位になるのだろうか。海上自衛隊は機上要員、地上要員など100名を派遣。陸上自衛隊も空港警備の要員として中央即応集団から50名を派遣するため、150名からなる部隊となり、加えて航空自衛隊も人員や部品などの輸送で協力するとのこと。

Img_9354  イラク復興人道支援任務に際しての航空自衛隊のC-130H部隊派遣を見ても、自衛隊は少数機を長期間にわたり高い稼働率を維持させる整備能力が、各国に評価されており、今回のP-3C派遣任務に際しても、任務完遂へ期待がもたれる。同時に、艦艇に加え、航空機を派遣した海上自衛隊は、国内の教育訓練体系に影響がでないよう工夫も求められることとなる。

HARUNA

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コメント (2)
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