北大路機関

京都防衛フォーラム:榛名研究室/鞍馬事務室(OCNブログ:2005.07.29~/gooブログ:2014.11.24~)

パノラマカー名称列車カルテット1DAY やながせ号&ブルーインパルス号&鬼岩号

2009-05-23 13:02:08 | コラム

◆名鉄パノラマカー団体列車

 パノラマカーカルテット運行を先週土曜日に撮影した。パノラマカー名称列車を一度に多数撮影できる機会ということで足を運んだのだが、本日は、パノラマカー特集としてその様子をお伝えしたい。

Img_8682  パノラマカーカルテット運行とは、名鉄パノラマカーが団体列車として運行し、目的地毎にヘッドマークを切り替えるというイベント運行で、カルテットという名前の通り、四つのヘッドマークを付け替えて運行される。今なお人気の名鉄7000形、その特別列車運行ということもあり、展望席はいつも通りの活気だ。

Img_8648  パノラマカーやながせ号。やながせ、とは岐阜市の繁華街柳ヶ瀬に由来する。田神駅を通過を撮影。名称列車カルテット1DAY切符は3500円、募集人員は230名とのこと。白帯7000形は、座席指定席特急専用運行を想定して車内をリニューアルしたのだが、座席は、転換クロスシートでリクライニングシートではなく、扉も客室部分と直結しており、冬季の暖房、夏季の冷房の機能には影響が考えられる。

Img_8653  指定席券を必要としない急行車としては、展望席を有しており、京阪のテレビカーと並んで、特別料金不要の車両としては、サービスは最高峰にあったと言い切れるのだが、他方で7000形に頼り過ぎ、旧3700形のような支線車両の近代化が置き去りにされたのでは?という批判もあったようだ。他方、展望車を有する急行車というもの自体、消えてしまうのは残念。

Img_8704  座席指定席の表示が出ていた。名鉄では、特別車、ミューチケットという呼称を用いているが、昔は座席指定席車、座席指定券という名称で運行されていた。指定席特急運行開始当時は、そのまま無改造のパノラマカーが充当されたこともあったが、その後、座席を新しくするなど改修を行った。

Img_8674  細畑駅を通過する7000形パノラマカー、ブルーインパルス号。ブルーインパルスとは、もちろん、航空自衛隊のブルーインパルスを意味する名称列車で、沿線に十万人以上の来場者を集める岐阜基地、そしてC-130輸送機を運用する小牧基地があり、航空祭輸送の目的で運行された名称列車だ。

Img_8679  ブルーインパルス号ヘッドマークには、T-4練習機が描かれている。航空自衛隊のブルーインパルスは、F-86戦闘機、超音速のT-2高等練習機、そして現在のT-4練習機を運用して展示飛行を実施してきたが、名鉄の航空祭輸送も過去にはF-86やT-2を模ったヘッドマークで運行している。三柿野駅は、岐阜基地の最寄駅。

Img_8683  パノラマカーは、岐阜基地航空祭2008の時点では、ブルーインパルス号はもちろん、多くの車両が解体されてしまっており、その運行も非常に限られている状況ではあったが、名古屋から新鵜沼までは運行されているダイヤが組まれていた。ちなみに今年の岐阜基地航空祭の時点では、パノラマカーは完全引退した後となる。

Img_8714  三柿野駅に停車するブルーインパルス号。三柿野駅で停車時間が長く設定されており、方向幕を団体から特急に切り替えたうえで、時々ヘッドマークを換える、というようなサービスを実施していた。当日は、輸送機が飛んでいたようだが、平日のように盛んに岐阜基地から戦闘機が発着する、というようなことは無かった。

Img_8711  三柿野駅のホームであるが、パノラマカーが停車しているホームは、団体列車乗車券の専用ホームとなっており、入手することができなかった人は反対側のホームから撮影していた。当日は撃てんで、傘をさしていなければ撮影もままならない状況ではあったが、かなりのファンが足を運んでいた。

Img_8708  展望席を隣から撮影。パノラマカーは、運転台を二階に上げているということで眺望も良好、安全確認をしやすい視程の良さに加え、連結器を緩衝器として機能するよう設計されているので、過去に踏切を塞いだダンプカーに衝突した際も乗客の安全は確保でき、鋼製車であるので、過去に可燃物を満載したトラックが突っ込んで来た際にも乗客の安全は守られた。

Img_8792  7700形四両編成による急行運行。下手なパノラマカーよりも、今は貴重となった7700形の連結運行。7700形は、支線にもパノラマカーを!、という構想のもと導入された電車で、1973年に導入された電車。7000形の導入が1961年であるから、やや後でデビュー。車内は展望席を除きパノラマカーと同じだ。

Img_8795  白帯車と同じ転換式クロスシートを採用しており、特急運行にも充当された。7000形白帯車とともに7700形は六両編成の特急に充当されたこともあるのだが、同時に普通電車として運行されることも多い。とっ急に利用される電車が普通電車として運行、いわゆる乗り得列車として頑張っていた。

Img_8806  7700形は、現在、知立駅を起点として三河線の普通列車運行に充当されているが、この場合、二両編成で運行される。しかも三河線は基本的に普通電車しか運行されていないので、二両編成の7700形が四両編成で、しかも急行として運行されているのは、非常に貴重なのでは、と思った次第。

Img_8830  パノラマカー鬼岩号。御嵩に向かう特急で、鬼岩とは、日本ライン川下りと関係した名称。四両編成なのだが、出来れば他にも7000形の編成は生き残っているので、8両編成ということで長大な編成を走らせたり、もしくは二本同時に走らせ、待機駅で7000形を追い越し、追い越され、というのも見てみたい気がする。

Img_8832  鬼岩号。このあと、御嵩駅で、パノラマカー木曽川鵜飼号として新鵜沼駅まで運行された。木曽川鵜飼号も撮影は考えたのだが、戻ってくるまで非常に時間がかかるのと、西可児トンネルや犬山橋は大盛況とのことで、今回は、カルテットの四列車のうち、三つを撮影に成功したので、状況終了となった。

Img_8833  今回のパノラマカーカルテットは、名鉄パノラマカーさよならイベント第三弾として企画されたもので、今後名鉄では、一ヶ月に一回という規模で、パノラマカーによるイベント運行を実施するとのこと。8月30日に最終運行が予定されているパノラマカーの文字通りラストスパートを、今後もできる限り見守ってゆきたい。

HARUNA

[本ブログに掲載された本文及び写真は北大路機関の著作物であり、無断転載は厳に禁じる]

コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする