◆特急で東舞鶴へ
新砕氷艦しらせ就役、そして元ヘリコプター搭載護衛艦はるな、を見るべく、特急にて舞鶴に向かった。本日は、その際の内容。
二条駅に滑り込むように到着する特急たんば1号・まいづる1号。複線化工事するむ嵯峨野山陰線、その高架部分を進む特急。古都京都をゆく高架路線というのも、妙な取り合わせのようだが、ここからしばらく進むと、保津峡のあたりをさかいに嵯峨野山陰線の車窓に映る風景は一変する。
京都駅で撮影した特急雷鳥。この485系で湖西線を北陸本線の敦賀まで行って、そこから小浜線に乗り換え、日本海の景色を堪能しながら舞鶴へ向かう、というのも考えたのだけれども、所要時間が倍以上かかるので、今回は断念。ちなみに、蛇足だが確か前回と前々回、その前も断念した経路だ。
二条駅の特急まいづる号。この高架路線を進んでくる特急を撮影するべく、一本前の普通亀岡行きで京都駅から二条駅に向かった、・・・、と言いたいのだが、それ以上に、特急料金は京都駅からだと自由席利用で1360円、しかし、二条駅からだと距離の関係上、特急料金は950円で利用することができる。
特急はしだて。京都行き。同じく二条駅にて撮影。二条駅から特急まいづる号を利用する場合、まいづる号は三両編成。そのうち二両が指定席で自由席は一両のみ。グリーン車は設定されていない。自由席を利用する場合、眺望の良い窓側が空いているかがポイントだが、ここ数回、利用するときには二条でも窓側に座る事が出来た。
保津峡の情景。もともと嵯峨野山陰線は、この保津峡の険しい情景の真っただ中を走っていた。現在の嵯峨野山陰線は、トンネルにより整備された、いわゆる短絡線だ。旧山陰線は、トロッコ列車として線路が今も利用されている。風光明媚な路線で、鉄道写真の被写体としても、トロッコ列車は親しまれている。
この保津峡を越えて、亀岡に至ると、景色は開けてくるのだが、トンネルを越えて絶景、またトンネルに入り、トンネルを抜けると絶景、こういうのが何度か繰り返す。ちなみに、この絶景を楽しめる保津峡川下りというものがあるのだが、更に川下りの終着、嵐山では夏季には鵜飼も行われる。
しばらく進むと、183系が回送電車として停車していた。よくみると、先頭車には貫通扉が取り付けられている。北近畿をゆく特急は、利用者の数に限界があり、短い編成で運行されることが多い。したがって、こういった貫通扉は必須なのだが、もともと無かったところに貫通扉を設置する改造には、巧の技を感じる。
この183系、なぜか、中間車が旧国鉄塗装、いわゆる“こだま色”だった。これは、JR西日本塗装から、こだま色にリニューアルするのか、その逆か、113・115系電車でやっているように、新旧塗装が混在して運行されているのか、ちょっと疑問に思った。ご存じの方、ご教授いただければ幸い。
山陰線にしても、舞鶴線にしても同じなのだが、線路と、その沿線の木々はかなり距離が近い。たまに、これは車体に枝があたっているのでは、と思う。ただ、183系の窓は、それほど大きくはないので、眺望には、もうすこし窓の縁を下げてくれる設計ならばなあ、と、まいづる号に乗るたびに思う。
183系は、個人的に好きな特急。路線もそうなのだが、リクライニングシートに身を沈め、車窓の大自然を眺めつつ、折畳テーブルを出し、弁当を広げると、景色と相まって、デパートの駅弁大会なんかで売られていて、自室の景色とともに食す駅弁とは、比較にならないような移動の醍醐味を感じることができる。
ただ、サンダーバード号や、しらさぎ号に使われている681系や683系と比べると、どうしても見劣りしてしまう。シートからして、バケット式で乗り心地が段違い、読書燈が付いていて、車内も間接照明で、なんというか、その居住空間としての質が段違いというか、世代の差というものを感じさせられる。
それにしても、先ほどの通過した反対側にいた回送電車。あの新旧塗装の183系は、何だったのだろうなあ、と考えて油断していると、行き違いの駅にて、反対側に特急まいづる号が停車していた。急いでカメラを取り出したものの、残念ながら“まいづる号”のヘッドマークは写らなかった。
特急はしだて号との行き違い。こだま色の特急。北近畿タンゴ鉄道が運行しているタンゴディスカバリー号や、タンゴエクスプローラ号は世代の違う特急なのだが、タンゴディスカバリー号が京都駅から東舞鶴へ発車する時間はもう少し後なので、便利を考えると、やはり183系の、まいづる号を利用するしかなかったり。
綾部駅の手前。綾部から山陰線と舞鶴線に分かれてゆく。余部鉄橋ほどではないが、これは降りたら凄い情景なのでは、という橋梁も途中にあったりして、一度はじっくりとカメラ片手に歩いてみたいのだが、あの場所、駅から凄く遠そうだなあ、という、これも毎回思うこと。ちなみに、綾部は、梅の写真が凄い、と憲法とデジカメのお師匠様からお教え頂いた次第、いつか下車してみよう。
HARUNA
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