◆センターミズーリ州空軍基地・リビー陸軍飛行場
防衛省航空自衛隊によれば航空自衛隊は先週より米国高等空輸戦術訓練への部隊派遣を実施しているとのことです。
航空支援集団より小牧基地第一輸送航空隊のC-130H輸送機一機が派遣され、期間は先週の11月29日から12月18日まで、米本土ミズーリ州セントジョセフのローズ・クランス州空軍基地とアリゾナ州シエラビスタに所在するリビー陸軍飛行場へ派遣され、基地周辺空域を訓練空域として運用しているもよう。
戦術航空輸送とは、通常の貨物輸送航空機としては飛行できない状況、輸送空域周辺での敵防空火器の潜在的脅威や航空優勢確保地域とその競合空域周辺での空輸輸送を行う可能性を有しており、通常の航空管制に応じた飛行で対応できるものではありません。
このため、低空飛行による地形追随飛行を求められる場合や、基地周辺までを高高度飛行しその後に高度を急降下させ着陸態勢へ移行する、等などのほか、各種機体自衛装備の運用や技術研究と情報交換などを行う必要があり、米国高等空輸戦術訓練への部隊派遣としてその能力強化に努めています。
C-130は戦術輸送機です。必要に応じ不整地胴体着陸後に貨物を展開させ重量を抑えたのち脚部を展開させ離陸するという運用や、実戦では非舗装道路を利用した場外輸送、滑走路周辺への敵遊撃隊が展開しての強行輸送等を実施した事例があり、航空自衛隊でも例えば輸送任務に対応するKC-767とはまた違った機種といえるかもしれません。
この訓練センターでの訓練への輸送機派遣は今回で第六回を数えるとのことで、戦術輸送機としてのC-130の能力強化に期待するとともに、今後部隊配備が開始されるより大型のC-2輸送機についての将来参加や、戦術輸送任務には距離があるものの潜在的可能性を有し間もなく配備が開始される海上自衛隊のC-130についても今後の展開に興味がわきます。
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