◆最新装備とともに2013年を振り返る
自衛隊の最新装備について、公開されたものをいち早くお伝えする北大路機関、本年も多くの装備をお伝えすることが出来ました。
いずも型ヘリコプター搭載護衛艦一番艦いずも。全長248m、満載排水量27000t、海上自衛隊最大の護衛艦として今年8月6日にIHIマリンユナイテッド横浜工場において進水式を迎えました。しらね型ヘリコプター搭載護衛艦の後継として設計、満載排水量は四倍近く、19000tの護衛艦ひゅうが型よりもさらに大きい航空中枢艦です。
進水式より北大路貴案は僅か数日後に横浜へ展開、猛暑が酷暑となる厳しい気候と共に撮影、同じ場所で建造されていたヘリコプター搭載護衛艦ひゅうが、いせ、よりも大きく、海上自衛隊もこれだけ大型の護衛艦を建造する時代となったのか、と驚きました次第です。
12式地対艦誘導弾システム、富士総合火力演習において初公開されました。本装備は当初、射程延伸と記載しましたがこれは未確認で、画定しているのは目標情報データリンク能力、GPS中間誘導能力、複合経路地形追随同時弾着能力、発射能力等が付与された新装備とのこと。
第1戦車大隊10式戦車、10式戦車は昨年も量産車両導入を紹介しましたが、本年より実戦部隊である第1戦車大隊への配備が開始されました。本年は機動戦闘車が初めて報道公開されましたが、こちらも一般公開の暁には記事として掲載できるよう準備しておきますのでお楽しみに。
11式装軌車回収車、駒門駐屯地祭において初公開されました。10式戦車の支援用に開発された戦車回収車で、擱座戦車の回収の他、戦車重整備支援なども対応します。10式戦車装備部隊へ順次配備されてゆきますが、10式戦車の配備が90式戦車の配備部隊と重なるようであれば少数生産で終了することもあるやもしれません。
基幹連隊指揮統制システム、旭川駐屯地祭で撮影したもので、写真はその通信装備中央処理装置にあたります。これば米軍のFBCB-2データリンクシステムを参考として、戦闘状況や敵部隊情報と交戦儒教に補給情報などを暗号化し同時に全部隊が情報共有、所謂PCゲームのような状況図を供するというもの。
第一線部隊の部隊指揮官や主要車両などへ小型端末を多数装備させ、情報連携を行うもので、即座の入力と見通し線外情報連携の速度などについて、更に研究開発が進められています。将来戦闘は情報優位が戦域空間優位に直結するため、陸上自衛隊の将来を担う重要な装備で、現在、旭川第2師団と神町第6師団において実験中の装備です。
富士学校において観閲行進に参加した遠隔操縦観測システム中継車両、多くの無人偵察機が衛星通信情報を元に運用している点に対し陸上自衛隊では通信妨害などへの脆弱性低減の観点から自己完結化を図っており、本装備はその情報伝送に関する中継車両とされます。これにより遠隔操縦観測システムの運用範囲が100km以上に延伸させることも可能になるようです。
CRRC戦闘強襲偵察用舟艇、中央観閲式予行において撮影しました。相浦駐屯地の西部方面普通科連隊に装備され、水陸両用作戦における水路進入に用いられる装備です。新年度より団規模の島嶼部防衛における水陸両用部隊創設が開始されることから、重要な装備の一つ。
CH-47JAガンシップ仕様、第1ヘリコプター団に装備されているヘリボーン強襲支援用の装備で、機体後部に1丁と機体前部左右に各1丁の12.7mm重機関銃M-2を装備し、着陸時等における重機関銃弾の弾幕を以て対地制圧任務に当たります。
特別機動船25号型、舞鶴展示訓練において撮影しました。これは地方隊警備隊に装備し海賊対処任務等に対応する1.9t型の特別機動船よりも大型化させた5.9t型で輸送能力と航続距離が増大し、最高速力は50ノットともいわれるほか、安定性なども強化されています。既に1.9t型が20隻以上導入されていますが、今後はこの大型である25号型に切り替わるとのこと。
04式空対空誘導弾AAM-5、F-2支援戦闘機に搭載されたAAM-5空対空誘導弾、岐阜基地航空祭において展示されていました。AAM-5はシーカー部分の技術発展により赤外線誘導方式である短射程誘導弾ながら射程は35kmから条件によっては50kmという長射程を有していますが、初めてF-2に装備され公開されていました。
99式空対空誘導弾(B)AAM-4B、従来のAAM-4へアクティブフェイズドアレイレーダーを採用し射程と補足能力を強化したもので、米空軍のAIM-120Cと同程度の射程と追尾能力を有しつつ、対航空機性能に加えて対巡航ミサイル性能を重視したもの、射程は120km~140km程度とされ、我が国へ近年増大する爆撃機からの巡航ミサイル脅威に対処する重要な装備といえるでしょう。
世界の艦艇では45型防空駆逐艦デアリング、東京港入港、23型フリゲイト以来のイギリス艦艇撮影です。艦隊防空に当たるミサイル駆逐艦に当たり、サンプソンレーダーが回転する様子が初めてこの目で見ますと、何やら不思議な印象を強く受けましたね。
オーストラリア海軍コリンズ級潜水艦ウォーラー、韓国海軍艦艇と共に潜水艦救難訓練へ横須賀へ入港しました。就役当時は実戦配備された艦艇として通常動力潜水艦では世界最大の規模を有していました。このコリンズ級は幾つかの課題を抱えており、後継艦について我が国への支援の打診も行われています。
ここからは番外編。旭川駐屯地にて撮影、一眼レフ二台と超望遠レンズ等レンズ数個にタブレットPCや防滴器具を入れるのに最適な大きさで自衛隊も遂に広報班用の新型自衛隊迷彩2型カメラバッグを、というのは嘘で、試料採取用具2型、有毒化学剤や放射性物質などが散布された際に採取し後方へ搬送するための採取器具と保管器具を組み合わせたもの。
自衛隊も遂にスマートフォン時代へ、というのは大袈裟ですがタッチパネルを備えた新通信機、HFとUHFにVHFの周波数帯へ対応する新装備、広帯域多目的無線機、伊丹駐屯地祭において展示されていたもので第13旅団の一部普通科連隊が今年、この行事の直前から配備を受けた最新型通信機です。
オーストリアのローゼンバウアー社製航空機用化学消防車で、築城基地へ昨年度から装備が開始されたものです。従来航空機火災用消防車よりも搭載タンクが大型化し、消化能力が強化されている、とのこと。このように本年も多くの新装備をお伝えすることが出来ました。来年も多くの装備をお伝えできれば、と思います。
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