■鹿児島に東調855号領海侵犯
本日は最初にコンゴウさんの写真と共に昨日のメンテナンスに関するお知らせから。昨日は長時間のメンテナンスと終了後のアクセス不能、ご不便おかけしました。
gooブログサービスによれば、メンテナンス完了後コメント機能をはじめ幾つかの機能に対し不具合が確認されているとのことです。また、記事掲載に関しても画像データ等の準備に時間を要する不具合が生じており、この他にも幾つかの仕様変更に伴う混乱が発生しています。今後改善されるとみられますが、しばらく不具合ご不便おかけします事となるかもしれません。
今朝未明、中国海軍東調級情報収集艦855号が鹿児島県へ領海侵犯した事を海上自衛隊のP-3C哨戒機が確認、一時間以上にわたり我が国領海を航行する事案が発生しました、東調級情報収集艦は満載排水量6000tの電子情報収集艦で、この種の情報収集艦としては珍しく、複数の機関砲で武装しています。中国海軍艦艇の我が国領海侵犯は2004年11月10日の漢級原子力潜水艦領海侵犯事件以来二回目となり、防衛省では先日発生しました沖縄県中国海軍フリゲイト接続水域進入事案と併せ中国海軍の動向へ警戒を強めています。
中国海軍情報収集艦が領海侵犯に至ったのは鹿児島県口永良部島の沖合で15日0330時頃口永良部島西方海域へ侵入しました。領海侵犯を行った情報収集艦は南東へ航行し鹿児島県屋久島沖合へ浸透、0500時頃に屋久島南方沖合で領海を出たということです。中国海軍はこの海域を国際海峡と主張しています、海軍艦艇に対しては国連海洋法条約に無害通航権が認められる場合がありますが、鹿児島県口永良部島屋久島沖合が航行しなければ他の海域へ通行できない国際海峡と主張する事には少々無理がある事は否めません。
現在太平洋上では日米印共同訓練マラバール2016が実施されています。これは佐世保から沖縄県東方海域に掛け10日から17日まで実施されているもので、第3護衛隊群司令眞鍋浩司海将補、アメリカ海軍第3空母打撃群司令官マーカスAヒッチコック海軍少将、インド海軍東部司令部派遣部隊指揮官スニールVボカレ海軍少将、が訓練統裁官となり、海上自衛隊からはヘリコプター搭載護衛艦ひゅうが、等が参加し対潜戦、対水上戦、対空戦、捜索救難訓練、等を実施しています。中国海軍情報収集艦の目的はこの日米印共同訓練マラバール2016を受けての示威行動にあるのでしょうか。
インド海軍と海上自衛隊の協力関係は、ともに海洋自由原則を共有する二国間での安全保障協力関係が、特に近年の中国海軍による海洋占有政策を掲げ自国以外の商船などを排除する行動に対し、南シナ海及び東シナ海での海洋交通を保持するという施策が時刻を含む周辺諸国の共通利益に繋がる事から強化されており、インド海軍艦艇の海上自衛隊基地親善訪問や観艦式への参加など関係を強化してきまして、今後も続くことでしょう。
領海侵犯事案は、2004年の漢級原子力潜水艦領海侵犯事件以降中国海軍は我が国周辺での行動を大きく封じ込められることとなりました。この事件は北海艦隊青島海軍基地から出港した漢級原子力潜水艦が初のグアム方面への長距離航行を実施した帰路、日本領海を潜行したまま領海侵犯を行ったものです。潜水艦は浮上し旗国を明示した場合を除いて無害通航権を有しません、この為日本政府は即座に海上警備行動命令を発動しました。
海上自衛隊は、ヘリコプター搭載護衛艦くらま、護衛艦ゆうだち、P-3C哨戒機により漢級原子力潜水艦を追尾していました。この際に海上自衛隊はパッシヴオペレーションとして音波などを出さない対潜オペレーションを実施していた為、漢級原子力潜水艦が自艦が完全に捕捉されている事を気付かず、護衛艦部隊に包囲されている事を知らないまま領海侵犯に至った為、日本政府は即座の行動をとり、作戦行動で潜行中の潜水艦が上空でソナーを降ろすヘリコプターと共に世界中に位置を中継されるという史上まれにみる程の大恥をかくこととなり、中国海軍潜水艦はこの海域で行動できなくなってしまった訳です。
領海警備任務では海上自衛隊の奮戦は特筆すべきものです。先頃発生しました沖縄県中国海軍フリゲイト接続水域浸透事案では、当初報じられた護衛艦せとぎり、が中国海軍艦艇を警戒した際、せとぎり、が先に浸透したロシア海軍艦艇に挟撃される形を採られたような印象がありましたが、防衛省発表によれば、ロシア海軍艦艇に対しては海上自衛隊はミサイル護衛艦はたかぜ、を派遣し警戒しており、充分な体制を以て行動しています。
今回の鹿児島県中国海軍情報収集艦領海侵犯事件は、その目的などについては今後の中国海軍の行動と併せて検証する必要がありますが、先日発生しました沖縄県中国海軍フリゲイト接続水域浸透事案を並び、中国海軍の我が国近海での行動が活性化している事を示します。併せて、中国海軍によりヴェトナムやフィリピンと摩擦が続く南シナ海での緊張状態と重なる部分も否定できず、西太平洋地域での新しい多国間協力関係を検討すべき時機が到来しているともいえるでしょう。
北大路機関:はるな くらま
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今朝未明、中国海軍東調級情報収集艦855号が鹿児島県へ領海侵犯した事を海上自衛隊のP-3C哨戒機が確認、一時間以上にわたり我が国領海を航行する事案が発生しました、東調級情報収集艦は満載排水量6000tの電子情報収集艦で、この種の情報収集艦としては珍しく、複数の機関砲で武装しています。中国海軍艦艇の我が国領海侵犯は2004年11月10日の漢級原子力潜水艦領海侵犯事件以来二回目となり、防衛省では先日発生しました沖縄県中国海軍フリゲイト接続水域進入事案と併せ中国海軍の動向へ警戒を強めています。
中国海軍情報収集艦が領海侵犯に至ったのは鹿児島県口永良部島の沖合で15日0330時頃口永良部島西方海域へ侵入しました。領海侵犯を行った情報収集艦は南東へ航行し鹿児島県屋久島沖合へ浸透、0500時頃に屋久島南方沖合で領海を出たということです。中国海軍はこの海域を国際海峡と主張しています、海軍艦艇に対しては国連海洋法条約に無害通航権が認められる場合がありますが、鹿児島県口永良部島屋久島沖合が航行しなければ他の海域へ通行できない国際海峡と主張する事には少々無理がある事は否めません。
現在太平洋上では日米印共同訓練マラバール2016が実施されています。これは佐世保から沖縄県東方海域に掛け10日から17日まで実施されているもので、第3護衛隊群司令眞鍋浩司海将補、アメリカ海軍第3空母打撃群司令官マーカスAヒッチコック海軍少将、インド海軍東部司令部派遣部隊指揮官スニールVボカレ海軍少将、が訓練統裁官となり、海上自衛隊からはヘリコプター搭載護衛艦ひゅうが、等が参加し対潜戦、対水上戦、対空戦、捜索救難訓練、等を実施しています。中国海軍情報収集艦の目的はこの日米印共同訓練マラバール2016を受けての示威行動にあるのでしょうか。
インド海軍と海上自衛隊の協力関係は、ともに海洋自由原則を共有する二国間での安全保障協力関係が、特に近年の中国海軍による海洋占有政策を掲げ自国以外の商船などを排除する行動に対し、南シナ海及び東シナ海での海洋交通を保持するという施策が時刻を含む周辺諸国の共通利益に繋がる事から強化されており、インド海軍艦艇の海上自衛隊基地親善訪問や観艦式への参加など関係を強化してきまして、今後も続くことでしょう。
領海侵犯事案は、2004年の漢級原子力潜水艦領海侵犯事件以降中国海軍は我が国周辺での行動を大きく封じ込められることとなりました。この事件は北海艦隊青島海軍基地から出港した漢級原子力潜水艦が初のグアム方面への長距離航行を実施した帰路、日本領海を潜行したまま領海侵犯を行ったものです。潜水艦は浮上し旗国を明示した場合を除いて無害通航権を有しません、この為日本政府は即座に海上警備行動命令を発動しました。
海上自衛隊は、ヘリコプター搭載護衛艦くらま、護衛艦ゆうだち、P-3C哨戒機により漢級原子力潜水艦を追尾していました。この際に海上自衛隊はパッシヴオペレーションとして音波などを出さない対潜オペレーションを実施していた為、漢級原子力潜水艦が自艦が完全に捕捉されている事を気付かず、護衛艦部隊に包囲されている事を知らないまま領海侵犯に至った為、日本政府は即座の行動をとり、作戦行動で潜行中の潜水艦が上空でソナーを降ろすヘリコプターと共に世界中に位置を中継されるという史上まれにみる程の大恥をかくこととなり、中国海軍潜水艦はこの海域で行動できなくなってしまった訳です。
領海警備任務では海上自衛隊の奮戦は特筆すべきものです。先頃発生しました沖縄県中国海軍フリゲイト接続水域浸透事案では、当初報じられた護衛艦せとぎり、が中国海軍艦艇を警戒した際、せとぎり、が先に浸透したロシア海軍艦艇に挟撃される形を採られたような印象がありましたが、防衛省発表によれば、ロシア海軍艦艇に対しては海上自衛隊はミサイル護衛艦はたかぜ、を派遣し警戒しており、充分な体制を以て行動しています。
今回の鹿児島県中国海軍情報収集艦領海侵犯事件は、その目的などについては今後の中国海軍の行動と併せて検証する必要がありますが、先日発生しました沖縄県中国海軍フリゲイト接続水域浸透事案を並び、中国海軍の我が国近海での行動が活性化している事を示します。併せて、中国海軍によりヴェトナムやフィリピンと摩擦が続く南シナ海での緊張状態と重なる部分も否定できず、西太平洋地域での新しい多国間協力関係を検討すべき時機が到来しているともいえるでしょう。
北大路機関:はるな くらま
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