■アメリカ巨大空母の激務
北大路機関広報、お陰様をもちましてgooブログサービスメンテナンスが完了し、Weblog北大路機関閲覧も12時間ぶりに再開することとできました。
十二時間にわたるメンテナンスは今回、メンテナンス実施中はブログサービスが全面的に中断される事となり、ご迷惑御心配をおかけしました。今後とも北大路機関を宜しくお願いいたします。それでは本日の記事は若干早い時間帯となりますが、原子力空母ハリーシップトルーマンの地中海での激務とアメリカの海軍航空母艦について、特にその一隻である空母ロナルドレーガンの事実上の母港としてアメリカ本土以外唯一空母が前方展開しています我が国の視点から知っておきたい実情について、みてみることとしましょう。
空母ハリーシップトルーマンよりAFP通信が長く続く対ISIL作戦の状況を報じました、地中海に遊弋し半年を越えたとの事で、アメリカ海軍の航空母艦は5500名が乗艦し、70機前後の艦載機を運用します。この巨大な打撃力を持つ航空母艦は、世界の海軍艦艇においても最も激務の艦艇として知られ、また、艦内には売店や図書館にフィットネスジムはもちろん、テレビ放送局が置かれるほど充実した環境を有しているものの、一旦出港すれば平均して三か月間は母港へ戻る事が出来ません。
今回のISIL対処作戦では、既に半年以上の長期にわたる作戦行動となっており、疲労感も相当となっているようです。何故これだけ長期間の作戦行動となるのか、と言いますと、世界には全通飛行甲板を有する艦艇を有する海軍は多々ありますが、艦載機を30機以上搭載できる艦艇は世界に25隻程度、フランスとロシアが各1隻、それ以外は全てアメリカ海軍の航空母艦と強襲揚陸艦です、それだけ数が限られており、貴重であるわけです。
空母任務群指揮官のブレットバチェルダー海軍少将は、間もなく七か月を迎える海上での任務と共にチェス大会や歌コンテストなどを開きつつ、しかし隷下の乗員の多くは帰国を待ち望んでいる、としています。少将はアフガニスタンやイラクでの経験もあるとのことですが、流石に七か月間の任務、特に原子力空母は燃料を補給へ寄港する必要が無く、航空機用の燃料や弾薬、乗員への補給品は補給艦から受け取る事が出来、乗員の疲労感を感じているとのこと。
空母勤務空母は全長330mと水上戦闘艦艇としては空前の大きさを有しますが、外を眺められる場所は限られ、特に広大な飛行甲板は全長330mの空間に通常の4000mの敷地を持つ空軍基地に匹敵する航空機を扱う関係上世界で最も危険な場所と呼ばれ、乗員は実に5500名、安易に日光浴を愉しむ事が出来ません、また、昼夜分かたず艦載機の発着を行う事から文字通り常に緊張が続き、文字通り乗員の使命感により支えられているといって過言ではないでしょう。
しかし、アメリカ海軍の負担は着実に増えています、アメリカ海軍の航空母艦は年々減少しており、1990年代には15隻が運用されていましたが、現在はニミッツ級原子力空母10隻のみ、他方でISIL対処任務やアフガニスタン作戦支援、朝鮮半島の緊張や台湾海峡と東シナ海南シナ海での緊張へ対処しなければならず、空母一隻当たりの負担は確実に増大しているといえ、実際、かつてアメリカ海軍では最低でも15隻がなければ世界規模の展開が出来ないといわれていました。
アメリカ海軍以外に正規空母、ニミッツ級に匹敵するような航空団規模の部隊を収容できる航空母艦を保有する動きが無い点ですが、これは一隻だけでは海軍の象徴的なものとしかならず、実用任務に充てる為には一隻が重整備中であってももう一隻を稼働させる体制が無ければ、艦載機の乗員の練度を維持する事が出来ません、これは僅か330mの滑走路でオーバーランさせれば海面に落下する状況での航空機を運用するために必要な訓練がある為で、しかし二隻の空母とその航空団を維持する事は、中堅国の空軍に匹敵する艦載機を揃える必要があり、とてもではありませんが予算をねん出できない為です。
ただ、アメリカ海軍に対抗するべく中国海軍がロシア製中古空母を修繕し練習空母として運用しているほか、新たに国産航空母艦の建造を進めています。ロシア製航空母艦は発着装置に限界があり運用に上限がありますが、平時の周辺国威圧には多大な威力を発揮するため、平時におけるアメリカ海軍の任務は更に巨大化する事でしょう。我が国も全通飛行甲板を有する満載排水量27000tのヘリコプター搭載護衛艦を整備中ですが、今後世界規模のアメリカ海軍の展開と友好国の負担という問題も大きくなるでしょう。この点についても、同盟国である我が国は長い視点で考えてゆかなければならないのかもしれません。
北大路機関:はるな くらま
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空母ハリーシップトルーマンよりAFP通信が長く続く対ISIL作戦の状況を報じました、地中海に遊弋し半年を越えたとの事で、アメリカ海軍の航空母艦は5500名が乗艦し、70機前後の艦載機を運用します。この巨大な打撃力を持つ航空母艦は、世界の海軍艦艇においても最も激務の艦艇として知られ、また、艦内には売店や図書館にフィットネスジムはもちろん、テレビ放送局が置かれるほど充実した環境を有しているものの、一旦出港すれば平均して三か月間は母港へ戻る事が出来ません。
今回のISIL対処作戦では、既に半年以上の長期にわたる作戦行動となっており、疲労感も相当となっているようです。何故これだけ長期間の作戦行動となるのか、と言いますと、世界には全通飛行甲板を有する艦艇を有する海軍は多々ありますが、艦載機を30機以上搭載できる艦艇は世界に25隻程度、フランスとロシアが各1隻、それ以外は全てアメリカ海軍の航空母艦と強襲揚陸艦です、それだけ数が限られており、貴重であるわけです。
空母任務群指揮官のブレットバチェルダー海軍少将は、間もなく七か月を迎える海上での任務と共にチェス大会や歌コンテストなどを開きつつ、しかし隷下の乗員の多くは帰国を待ち望んでいる、としています。少将はアフガニスタンやイラクでの経験もあるとのことですが、流石に七か月間の任務、特に原子力空母は燃料を補給へ寄港する必要が無く、航空機用の燃料や弾薬、乗員への補給品は補給艦から受け取る事が出来、乗員の疲労感を感じているとのこと。
空母勤務空母は全長330mと水上戦闘艦艇としては空前の大きさを有しますが、外を眺められる場所は限られ、特に広大な飛行甲板は全長330mの空間に通常の4000mの敷地を持つ空軍基地に匹敵する航空機を扱う関係上世界で最も危険な場所と呼ばれ、乗員は実に5500名、安易に日光浴を愉しむ事が出来ません、また、昼夜分かたず艦載機の発着を行う事から文字通り常に緊張が続き、文字通り乗員の使命感により支えられているといって過言ではないでしょう。
しかし、アメリカ海軍の負担は着実に増えています、アメリカ海軍の航空母艦は年々減少しており、1990年代には15隻が運用されていましたが、現在はニミッツ級原子力空母10隻のみ、他方でISIL対処任務やアフガニスタン作戦支援、朝鮮半島の緊張や台湾海峡と東シナ海南シナ海での緊張へ対処しなければならず、空母一隻当たりの負担は確実に増大しているといえ、実際、かつてアメリカ海軍では最低でも15隻がなければ世界規模の展開が出来ないといわれていました。
アメリカ海軍以外に正規空母、ニミッツ級に匹敵するような航空団規模の部隊を収容できる航空母艦を保有する動きが無い点ですが、これは一隻だけでは海軍の象徴的なものとしかならず、実用任務に充てる為には一隻が重整備中であってももう一隻を稼働させる体制が無ければ、艦載機の乗員の練度を維持する事が出来ません、これは僅か330mの滑走路でオーバーランさせれば海面に落下する状況での航空機を運用するために必要な訓練がある為で、しかし二隻の空母とその航空団を維持する事は、中堅国の空軍に匹敵する艦載機を揃える必要があり、とてもではありませんが予算をねん出できない為です。
ただ、アメリカ海軍に対抗するべく中国海軍がロシア製中古空母を修繕し練習空母として運用しているほか、新たに国産航空母艦の建造を進めています。ロシア製航空母艦は発着装置に限界があり運用に上限がありますが、平時の周辺国威圧には多大な威力を発揮するため、平時におけるアメリカ海軍の任務は更に巨大化する事でしょう。我が国も全通飛行甲板を有する満載排水量27000tのヘリコプター搭載護衛艦を整備中ですが、今後世界規模のアメリカ海軍の展開と友好国の負担という問題も大きくなるでしょう。この点についても、同盟国である我が国は長い視点で考えてゆかなければならないのかもしれません。
北大路機関:はるな くらま
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