北大路機関

京都防衛フォーラム:榛名研究室/鞍馬事務室(OCNブログ:2005.07.29~/gooブログ:2014.11.24~)

朝鮮半島情勢-北朝鮮1月6日発射ミサイルは"極超音速ミサイル"発射実験の可能性

2025-01-08 07:00:28 | 防衛・安全保障
■北朝鮮ミサイル
 北朝鮮が1月6日に発射したミサイルは極超音速ミサイルの可能性があるとのこと。

 韓国軍合同参謀本部が1月6日に発表したところによれば、平壌近郊より発射されたミサイルについて、飛行距離は1100km程度であり、中距離弾道弾以下の飛翔距離だったとしつつ、韓国軍関係者の話として音速の五倍以上という極超音速兵器実験であった可能性を示唆しているという。北朝鮮ミサイル実験は今年はじめてとなる。

 弾道ミサイルであればその名の通り放物線上に弾道を描いて飛翔する為に、いってい上の高度へ上昇する目標を捕捉するだけで警戒態勢を取る事が出来ますが、極超音速兵器の場合は低空を高速飛行するものが有り、従来のミサイル防衛システムで迎撃が困難となる一方、落ちてくる弾道弾よりも迎撃が容易となる場合もあるようです。

 一方で、固定式ミサイル防衛システム、例えばグアムイージスアショアのような防衛システムには、そのものが標的となる事で税悪政が生まれるとされていますが、北朝鮮の極超音速兵器がどの程度の射程を最終的に想定しているかは未知数で、日本の場合は着実にイージス艦によるミサイル防衛整備などが求められてゆくでしょう。

 韓国へはアメリカのブリンケン国務長官が任期中最後となる韓国訪問の最中であり、バイデン政権からトランプ政権へ移行する中においてアメリカ政府に対するけん制の意味を含めていたのではという分析も成り立つ模様です。トランプ第一次政権時代にもその就任前後に多数の弾道ミサイルが発射されていました。

 アメリカはバイデン政権からトランプ政権へ政権交代を迎えますが、バイデン政権時代には北朝鮮とアメリカの関係は進む事無く、核開発やミサイル開発についても手詰まり感がでていました。一方、ロシアウクライナ戦争参戦によりミサイル技術供与を受ける事は必至であり、今後の両国関係の展開が大きな関心事とも言えるでしょう。

北大路機関:はるな くらま ひゅうが いせ まや
(本ブログに掲載された本文及び写真は北大路機関の著作物であり、無断転載は厳に禁じる)
(本ブログ引用時は記事は出典明示・写真は北大路機関ロゴタイプ維持を求め、その他は無断転載と見做す)
(第二北大路機関: http://harunakurama.blog10.fc2.com/記事補完-投稿応答-時事備忘録をあわせてお読みください)

コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 【防衛情報】GCAP日英伊共同... | トップ | 【京都幕間旅情】菅大臣神社,... »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

防衛・安全保障」カテゴリの最新記事