■多忙極める水陸機動団
広報等で看板部隊というものが必要な点は理解するのですが実動演習などで特定の部隊に負担が集中しますと、勤務体制など大丈夫かと不安になることが。
フィリピンでのカマンダグ多国間演習に自衛隊が初めて参加しました、アジア最弱と呼ばれた2010年代フィリピン軍は、国内の武装勢力対処で培った戦闘経験を持つ要員を中心に自走砲や軽戦車に水上戦闘艦と軽戦闘機の導入など大車輪で近代化を進め、今回の演習は2016年よりアメリカとの演習として開始、今回は水陸機動団と韓国海兵隊が参加しました。
水陸機動団は精鋭ぞろいだ、この事は疑いないのですが、アメリカ本土で行うアイアンフィスト演習を筆頭に、昨今水陸機動団は親善広報部隊か国際交流部隊か、というほどに様々な任務へ投入されており、第3水陸機動連隊の創設を前に過剰勤務となっているのではないか、即ち一部の即応部隊に任務が過剰集中しているのではないか、と危惧するのです。
カマンダグ多国間演習は沿岸防備を任務とする演習であり、フィリピン軍はインドからブラモス地対艦ミサイルの導入計画を進めている最中だということもあり、中国軍事脅威の増大を受け沿岸防備戦力の近代化、というよりも一からの構築を急いでいる状況ですが、日本から派遣したのは水陸機動団、しかし地対艦ミサイル連隊等を派遣しても良かった。
精鋭部隊への負担の集中は、1990年代までは第1空挺団に2000年代に中央即応連隊に、いわば看板部隊やアイドル部隊というような形で任務が集中していました、ただ、これでは他の部隊が経験を積む事も出来ません。対照的に、アメリカ軍などは日米合同演習に敢えて州兵部隊を参加させ、予備役扱いに近い州兵部隊へ経験を積ませた実例もあるのです。
即応機動連隊などは、考えてみれば現在の各国陸軍装備を見ますと、アメリカ陸軍の最も軽量部隊である歩兵旅団戦闘団でもハンヴィーの後継に軽装甲車であるJLTVを、火砲もM-119榴弾砲の後継にM-777やブルータス簡易自走榴弾砲を検討、TOW搭載ハンヴィーの後継35t車体へ105mm砲を搭載するグリフィン軽戦車への置き換えが始まる状況に。
歩兵旅団戦闘団と比較した場合に即応機動連隊、自衛隊では比較的重装備と考えられる部隊と比較しても、それ程見栄えする装備ではない、という事を気付かされるでしょう。逆に様々な部隊、地域配備師団の普通科連隊でも即応機動旅団の普通科連隊でも、こうした訓練に参加させる事が、一部の精鋭部隊から精鋭の自衛隊へ昇華する、要諦となるよう思うのです。
北大路機関:はるな くらま ひゅうが いせ
(本ブログに掲載された本文及び写真は北大路機関の著作物であり、無断転載は厳に禁じる)
(本ブログ引用時は記事は出典明示・写真は北大路機関ロゴタイプ維持を求め、その他は無断転載と見做す)
(第二北大路機関: http://harunakurama.blog10.fc2.com/記事補完-投稿応答-時事備忘録をあわせてお読みください)
広報等で看板部隊というものが必要な点は理解するのですが実動演習などで特定の部隊に負担が集中しますと、勤務体制など大丈夫かと不安になることが。
フィリピンでのカマンダグ多国間演習に自衛隊が初めて参加しました、アジア最弱と呼ばれた2010年代フィリピン軍は、国内の武装勢力対処で培った戦闘経験を持つ要員を中心に自走砲や軽戦車に水上戦闘艦と軽戦闘機の導入など大車輪で近代化を進め、今回の演習は2016年よりアメリカとの演習として開始、今回は水陸機動団と韓国海兵隊が参加しました。
水陸機動団は精鋭ぞろいだ、この事は疑いないのですが、アメリカ本土で行うアイアンフィスト演習を筆頭に、昨今水陸機動団は親善広報部隊か国際交流部隊か、というほどに様々な任務へ投入されており、第3水陸機動連隊の創設を前に過剰勤務となっているのではないか、即ち一部の即応部隊に任務が過剰集中しているのではないか、と危惧するのです。
カマンダグ多国間演習は沿岸防備を任務とする演習であり、フィリピン軍はインドからブラモス地対艦ミサイルの導入計画を進めている最中だということもあり、中国軍事脅威の増大を受け沿岸防備戦力の近代化、というよりも一からの構築を急いでいる状況ですが、日本から派遣したのは水陸機動団、しかし地対艦ミサイル連隊等を派遣しても良かった。
精鋭部隊への負担の集中は、1990年代までは第1空挺団に2000年代に中央即応連隊に、いわば看板部隊やアイドル部隊というような形で任務が集中していました、ただ、これでは他の部隊が経験を積む事も出来ません。対照的に、アメリカ軍などは日米合同演習に敢えて州兵部隊を参加させ、予備役扱いに近い州兵部隊へ経験を積ませた実例もあるのです。
即応機動連隊などは、考えてみれば現在の各国陸軍装備を見ますと、アメリカ陸軍の最も軽量部隊である歩兵旅団戦闘団でもハンヴィーの後継に軽装甲車であるJLTVを、火砲もM-119榴弾砲の後継にM-777やブルータス簡易自走榴弾砲を検討、TOW搭載ハンヴィーの後継35t車体へ105mm砲を搭載するグリフィン軽戦車への置き換えが始まる状況に。
歩兵旅団戦闘団と比較した場合に即応機動連隊、自衛隊では比較的重装備と考えられる部隊と比較しても、それ程見栄えする装備ではない、という事を気付かされるでしょう。逆に様々な部隊、地域配備師団の普通科連隊でも即応機動旅団の普通科連隊でも、こうした訓練に参加させる事が、一部の精鋭部隊から精鋭の自衛隊へ昇華する、要諦となるよう思うのです。
北大路機関:はるな くらま ひゅうが いせ
(本ブログに掲載された本文及び写真は北大路機関の著作物であり、無断転載は厳に禁じる)
(本ブログ引用時は記事は出典明示・写真は北大路機関ロゴタイプ維持を求め、その他は無断転載と見做す)
(第二北大路機関: http://harunakurama.blog10.fc2.com/記事補完-投稿応答-時事備忘録をあわせてお読みください)