■臨時情報-台湾総統選
独自路線堅持か融和路線変更か第三局か。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/13/47/7b6c6160ef3d059a5c8c17e6cf2185d5.jpg)
中華民国台湾総統選挙が昨日13日に開かれ、即日開票により民進党の頼清徳氏が次期総統に選ばれました。この選挙は世界の耳目を集める大きな選挙であり、特に隣国である日本としては台湾海峡情勢に即座に影響を及ぼす重大な可能性があったためです。台湾海峡での緊張が高まれば、九州沖縄地域からは文字通り周辺事態であり、戦火が及ぶ懸念がある。
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総統選挙は、蒋介石政権時代の独裁が続く蒋経国総統時代に民政移管が発表され、当時の中華民国総統に李登輝氏が継承されましたが、その李登輝氏が中華民国憲政史上初の民主選挙を行ったのが1996年、しかし、台湾が独裁政権をやめ民主選挙を行う事は台湾の独立への一歩になるとして中国が反発、台湾海峡に弾道ミサイルを撃ち込む海峡危機となった。
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第二次台湾海峡危機として、この時台湾海峡は非常な緊張状態となりましたが、当時のアメリカクリントン政権は原子力空母を含む空母機動部隊2個を台湾海峡に緊急展開させ、これにより中国の弾道ミサイル演習を事実上封じ込める事となりました。しかし、1996年のこの事件により海軍力不足を悟った中国政府は海軍を増強、空母などを整備しています。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/26/09/5769963a839af905c244bd80047a72c9.jpg)
台湾の主要政党は、現在は中国融和路線ですがかつては反共路線を示し国共内戦と台北臨時政府の下で大陸反攻を国防基本方針として掲げていた国民党、台湾独自路線を強調している現与党民進党、そしてこの二大政党制に対して新しい路線を示そうとしている民衆党の三党が主要政党となっています。そして中国融和路線を示しているのは、国民党のみ。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/60/93/5d3e6f924d21012b025aa71b84bd9bdc.jpg)
民進党の頼清徳氏が次期総統に選ばれ、これにより現在の民進党蔡英文総統が示した台湾の独自路線が継続されるものとみられます。これにより対立候補である国民党の侯友宜氏が敗北を認め、またもう一人の候補者である民衆党の柯文哲氏も事実上の敗北宣言を行いました。最大の僥倖は、選挙そのものの結果が明白であり、混乱が生じなかったこと。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/75/bc/a8d23592214412d202fbd438a0259fe6.jpg)
中国政府は選挙前に台湾本島上空を飛翔する人工衛星発射実験を行い圧力をかけた構図ですが、過去こうした圧力は中国融和路線への有権者の厳しい視線が送られる結果となり、今回も踏襲された形です。しかしそれ以上に、せきょが接戦となり過ぎる、前アメリカ大統領選のような状況となった場合、周辺国の一部に介入の口実を与えかねなかったため。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/5c/33/524836925c98ad761ee33c4bbbe6f6a3.jpg)
融和路線を掲げる国民党ですが、しかし国民党の融和路線の前に中国政府が香港に対して行った抑圧的政策が、中国のイギリスからの香港返還時に取り決められた一国二制度路線を反故にした構図であり、結局、融和路線であってもこれが即座に政治統合となる可能性は低かったのですが、国民党が掲げた経済交流による恩恵に対し、選挙の結果は違った。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/50/10/e3503a4d596df1eff139529410aabd89.jpg)
独自路線ではあるものの、独立を明言はしていません。ただ、中国政府には経済力と経済成長が続くうちに台湾を統一しなければ国力の面から難しくなるという独自の分析が有るという理解があり、独自路線の継続は海峡に緊張を残すものとなるのかもしれません。他方、武力による現状変更を拒否するという視点から、この地域は注視すべきでしょう。
北大路機関:はるな くらま ひゅうが いせ
(本ブログに掲載された本文及び写真は北大路機関の著作物であり、無断転載は厳に禁じる)
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独自路線堅持か融和路線変更か第三局か。
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中華民国台湾総統選挙が昨日13日に開かれ、即日開票により民進党の頼清徳氏が次期総統に選ばれました。この選挙は世界の耳目を集める大きな選挙であり、特に隣国である日本としては台湾海峡情勢に即座に影響を及ぼす重大な可能性があったためです。台湾海峡での緊張が高まれば、九州沖縄地域からは文字通り周辺事態であり、戦火が及ぶ懸念がある。
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総統選挙は、蒋介石政権時代の独裁が続く蒋経国総統時代に民政移管が発表され、当時の中華民国総統に李登輝氏が継承されましたが、その李登輝氏が中華民国憲政史上初の民主選挙を行ったのが1996年、しかし、台湾が独裁政権をやめ民主選挙を行う事は台湾の独立への一歩になるとして中国が反発、台湾海峡に弾道ミサイルを撃ち込む海峡危機となった。
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第二次台湾海峡危機として、この時台湾海峡は非常な緊張状態となりましたが、当時のアメリカクリントン政権は原子力空母を含む空母機動部隊2個を台湾海峡に緊急展開させ、これにより中国の弾道ミサイル演習を事実上封じ込める事となりました。しかし、1996年のこの事件により海軍力不足を悟った中国政府は海軍を増強、空母などを整備しています。
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台湾の主要政党は、現在は中国融和路線ですがかつては反共路線を示し国共内戦と台北臨時政府の下で大陸反攻を国防基本方針として掲げていた国民党、台湾独自路線を強調している現与党民進党、そしてこの二大政党制に対して新しい路線を示そうとしている民衆党の三党が主要政党となっています。そして中国融和路線を示しているのは、国民党のみ。
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民進党の頼清徳氏が次期総統に選ばれ、これにより現在の民進党蔡英文総統が示した台湾の独自路線が継続されるものとみられます。これにより対立候補である国民党の侯友宜氏が敗北を認め、またもう一人の候補者である民衆党の柯文哲氏も事実上の敗北宣言を行いました。最大の僥倖は、選挙そのものの結果が明白であり、混乱が生じなかったこと。
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中国政府は選挙前に台湾本島上空を飛翔する人工衛星発射実験を行い圧力をかけた構図ですが、過去こうした圧力は中国融和路線への有権者の厳しい視線が送られる結果となり、今回も踏襲された形です。しかしそれ以上に、せきょが接戦となり過ぎる、前アメリカ大統領選のような状況となった場合、周辺国の一部に介入の口実を与えかねなかったため。
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融和路線を掲げる国民党ですが、しかし国民党の融和路線の前に中国政府が香港に対して行った抑圧的政策が、中国のイギリスからの香港返還時に取り決められた一国二制度路線を反故にした構図であり、結局、融和路線であってもこれが即座に政治統合となる可能性は低かったのですが、国民党が掲げた経済交流による恩恵に対し、選挙の結果は違った。
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独自路線ではあるものの、独立を明言はしていません。ただ、中国政府には経済力と経済成長が続くうちに台湾を統一しなければ国力の面から難しくなるという独自の分析が有るという理解があり、独自路線の継続は海峡に緊張を残すものとなるのかもしれません。他方、武力による現状変更を拒否するという視点から、この地域は注視すべきでしょう。
北大路機関:はるな くらま ひゅうが いせ
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