北大路機関

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ウクライナ供与のエイブラムス戦車は最新のM-1A2型,デジタル戦場に対応し数十分で100kmの楔を打ち込む

2023-01-28 07:00:56 | 先端軍事テクノロジー
■臨時情報-ウクライナ情勢
 デジタル戦場というものは孤立しているようでもデータリンクにより火力と補給で常に結びつき、一見無謀な集合と分散により相手の中枢を打撃可能です。

 アメリカ政府はウクライナへ供与するM-1戦車について湾岸戦争で活躍したM-1A1戦車ではなく最新型のM-1A2戦車になる方針を示しました。M-1A1とM-1戦車の場合は主砲が105mm砲から120mm砲となった点で大きな違いがあるのですが、M-1A1から今のM-1A2への改良は車両システムがアナログ方式からデジタル方式となった点で大きな違いがある。

M-1A1とM-1A2ですが、アナログとデジタルの違いとしまして、一番わかりやすい表現は90式戦車と10式戦車という違いでしょうか、いや10式戦車の場合は車両制御システムから駆動系まで一新され、一時は第四世代戦車と称された程なのですが、乗員が音声通信により部隊の連携を展開するのに対して、データリンクでは画面上で情報連携が可能です。

 90式戦車の乗員の方によれば今の戦車はゲームの様な分り易さがすくなくとも戦闘に際してはある、こう説明して頂いた事が有るのですが、10式戦車についてはゲームよりも進んでいる、と云われたものです。あそこまで情報共有なゲームでは成り立たない、再現すると100円硬貨を使わないので商売が成り立たなくなる、という程進んでいるとの事でした。

 M-1A2戦車、世界最強と云い得る。主砲についてはドイツのレオパルド2A6の方が砲身が長く初速が高いのですが、戦闘システムについての更新頻度がM-1A2の方が高く、総合的には高い水準です。もっとも主砲については日本の90式戦車や10式戦車のような自動装填装置をどちらも採用していませんし、目標自動追尾性能も無く、と日本人としては思う。

 アメリカ軍の戦車、最大の問題はディーゼルエンジンではなくガスタービンエンジンを採用している為に、とんでもない加速性能がある一方で燃費が、アメリカでなければ1500ℓの燃料タンクを毎日何度も給油して満タンにできないという、持てる国の為の主力戦車という厳しい事情があります、排気お凄い為にフィルター交換の頻度が高く整備負担が凄い。

 T-72戦車やT-90戦車に対してであれば、破滅的な優位を発揮できる、それがM-1A2です、ただ、アメリカ軍の後方支援基盤を前提に設計されている戦車ですので一種、良いとこのお嬢様を一般家庭が嫁に迎える覚悟が必要な戦車だ。ただ、ガスタービンエンジンにより一気に数十分で100km位楔を打ち込むように前進、相手の戦線を瓦解させられる戦車です。

北大路機関:はるな くらま ひゅうが いせ
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