北大路機関

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【G3X撮影速報】第10師団創設61周年守山駐屯地祭【5】74式戦車自衛隊卒業へ(2022-09-05)

2024-02-18 20:22:13 | 陸海空自衛隊関連行事詳報
■戦車大隊最後の展示
 北部方面隊は戦車隊か戦車連隊だけですのでいよいよ年度末に自衛隊から"戦車大隊"というものはなくなるわけです。

 第10師団資料館を背景に96式装輪装甲車、第10戦車大隊の所属車輛である為に年度末改編で師団を去る装備です。後継には日本製鋼所がフィンランド製パトリアAMV装甲車を810両ライセンス生産する事となっていますが、一両当たりの製造費用は五倍以上になる。

 軽装甲機動車と96式装輪装甲車、2700万円と9600万円、性能にはいろいろ文句はあるのかもしれませんが安価に製造した小松製作所の功績は大きい。軽装甲機動車後継にはハーケイ軽装甲車かイーグルⅣ軽装甲車が選定中ですが、調達費用は二億前後と七倍以上だ。

 74式戦車、防衛費がGDP1%という長年のくびきを越えて岸田政権の国家防衛戦略画定と共に急にGDP2%となったのですが、個人的には74式戦車を10式戦車に置換え、狭いのは定員を減らし96式装輪装甲車を一定数普及させた方が良かったのではないかとおもう。

 装甲車部隊の充実とともに攻撃部隊が攻撃準備を整え近接戦闘は白兵戦の段階に進みます。パトリアAMV装甲車が810両も配備されるのであれば、第10師団にも廻ってくるのでしょうが、かなり高価な分、装甲は正面装甲が30mm機関砲弾に耐えるという、重装甲だ。

 96式装輪装甲車を戦車大隊本部から普通科部隊が間借りして、こうして訓練展示に当るのですが、今後師団にパトリアAMVが配備されますと、あの車両は全長7.7mでAAV-7両用戦闘車の8.16mにも迫るおおきさ、砲塔を備える可能性もあり行事の印象は一新しそう。

 AH-1S対戦車ヘリコプターの支援、第5対戦車ヘリコプター隊が明野からの飛来です。自衛隊は戦闘ヘリコプターと対戦車ヘリコプター全廃の方針を固めていますが、代替に無人機を充てるとは言うものの、近接戦闘部隊の在る限り、この種の装備の必要性は不変です。

 航空支援と我がほうの戦車部隊の活躍により、仮設敵の戦車は無力化した。こう思っているとやられた戦車が後送されて修理デモされたのか再度登場、撃破され後送され復活、というやり取りを幾度も挟む、今年は戦車最後の行事ということもあり戦車の活躍がつづく。

 仮設敵陣地に迫る普通科部隊と軽装甲機動車、ハーケイかイーグルⅣかという前述の話題ですが、どれも調達費用が三倍から五倍になり、自衛隊も金持ちになったものだとおもう。装甲車開発で揉めたのは分かるのですが、そんなに小松製作所と縁を切りたいのだろうか。

 74式戦車が支援できる位置に展開し、状況は終了となりました。島国である日本で戦車を使う状況はあるのか、という問いが有るのでしょうけれども、逆に、専守防衛の憲法を堅持したまま戦車を手放す防衛戦略ってなんなのだ、と戦車不要論には全く賛同できません。

 状況終了と装甲車たち。師団改編で96式装輪装甲車は去り軽装甲機動車だけが唯一の装甲車となりますが、政権が変りでもしない限りパトリアAMVの大量調達が始まるので、この様子は外国製装甲車と偵察戦闘車や16 式機動戦闘車の車列に代わる事となるでしょう。

 第10師団の改編は戦車大隊廃止と偵察戦闘大隊新編、特科連隊の方面特科連隊移管となるのですが、要するに師団は海上自衛隊の地方隊のように指揮系統だけが重要で有事の際には隷下部隊を増強し統合任務部隊司令官たる方面総監の直轄部隊となる事を意図している。

 師団改編、しかし必要に応じ戦車は北部方面隊から合流させ火砲は方面隊から戦闘加入させるという運用、これが悠長にできるならば最初から戦闘団編成を組んでいる即応機動連隊の全国での新編と矛盾する為、わたしは平時から戦車等を持つ現行編成が最適だと思う。

北大路機関:はるな くらま ひゅうが いせ
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