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ゼレンスキーウクライナ大統領国会演説-これまでの支援に謝意,ロシア大統領府報道官は核兵器実戦使用を示唆

2022-03-24 07:00:24 | 国際・政治
■臨時情報-ウクライナ情勢
 ロシア軍ウクライナ侵攻開始から間もなく一ヶ月ですがウクライナ軍は驚くべき粘り強さと官民一致の抵抗によりロシア軍を押しとどめています。

 ゼレンスキー大統領は23日夕刻、衆参両院議員を前に初のオンライン演説に臨み、ロシアへの経済圧力をアジアで最初に決断した日本政府の決断やウクライナへの支援へ謝意を示したうえで、ロシア軍ウクライナ侵攻に際して機能不随に陥った国連での改革や、ロシア軍による無差別攻撃にて甚大な被害を受けたウクライナの国土復興へ協力を要請しました。

 衆参両院議員を前にした演説では、通訳の難しさはありましたが、チェルノブイリ原発をロシア軍に占領されソ連時代の原発事故から続く長期間にわたる核汚染物質管理体制を阻害されている点、また、ロシア軍によりサリンなど化学兵器の使用が懸念されている現状を説明し、福島第一原発事故や地下鉄サリン事件を知る両院議員の良心に訴えた構図です。

 ゼレンスキー大統領は、日本の平和外交を深い意味から理解しているようで、当初考えられた対戦車ミサイルや防空システムなどの武器援助や三海峡封鎖などを要請する事は無く、ロシアへの経済制裁を更に強化する事を望んだ姿は印象的でした。ただサリン以外の大量破壊兵器について心配な情報がロシア大統領府報道官から示されました、核兵器について。

 ロシア大統領府のぺスコフ報道官はCNNインタヴューに応え、ロシア軍が核兵器を使用する可能性はあるのかとの問いに対し、ロシア軍には核兵器を使用する手順が在り、決定的な敗北が想定される場合には核兵器の使用はあり得ると発言、改めてウクライナ国内での戦闘が核攻撃へ発展する可能性を示しています。実際にはどのような状況が考えられるか。

 戦術核兵器は定義が様々ですが、機甲師団や重要拠点など即応が必要な目標に対しては砲兵隊の短距離ロケット弾などを用い即座に対応する事も可能ですし、イスカンデル弾道ミサイルなど短距離弾道弾に搭載する事も可能、また海軍の大型対艦ミサイルにはHE弾頭以外に核弾頭型があり、政治が使用決断するならば投射手段は難しいものではありません。

 核兵器による威嚇の段階であり、核兵器使用は不可避ではありませんが、例えば核攻撃が行われた場合に各国からのロシア外交官追放や国連除名を含む厳しい措置が無い、つまり核攻撃により戦争を短期間で終わらせられると判断するならば、投射する可能性が否定できません。日本は常識を超える様な制裁措置を含め、考えておくべきなのかもしれません。

 ウクライナ侵攻開始から間もなく一ヶ月、しかしロシア軍の実情は驚くもので、先ず軍直轄部隊の電子戦装備や防空指揮車や砲兵指揮車にレーダーなど、故障は勿論燃料切れとなった車両が破壊されず放置され、毎日のようにあの1976年のミグ25函館亡命事件に匹敵する様な絶対に第三国に渡ってはならない装備がウクライナ軍に鹵獲され続けています。

 戦術核兵器使用については懸念されているのですが、そもそもロシア軍の侵攻部隊指揮系統が全く分からず、なにしろ敵前で60kmも渋滞する程の攻撃軸などの設定は不得手という状況ですので、ウクライナ軍とロシア軍の混交している状況でロシア軍自身を巻き込まずに核攻撃は出来るのか、また核防護装備がお粗末な現状で自軍被害が大きくないか、と。

 ウクライナ侵攻の野戦部隊を統括する総司令官が誰なのか、この時点から不明といわれています。もっともロシア軍は何をやるか分らないという事が、今回のウクライナ侵攻で判明しています、従って20世紀や21世紀の軍事常識では測り兼ねている為に、敢えて自軍を巻き込み使用する懸念さえあるのが不気味なのですが、こうした素朴な疑問があります。

北大路機関:はるな くらま ひゅうが いせ
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