北大路機関

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【G3X撮影速報】自衛隊トンガ救援隊派遣,空中給油輸送機KC-767派遣準備(2022-01-20)

2022-01-20 20:22:45 | 陸海空自衛隊関連行事詳報
■フンガトンガフンガハアパイ山
 本日トンガ派遣準備が進む小牧基地の様子を撮影して参りましたのでコンパクトデジタルカメラG3X撮影データにて速報をお送りしましょう。

 自衛隊トンガ救援隊。防衛省は今夜にも航空自衛隊小牧基地より噴火災害に見舞われたトンガへ救援物資空輸を開始する、こうした情報を得まして本日、まん延防止重点措置開始直前の愛知県へ行って参りました。基地隣接の公園から撮影しましたが、撮影は当方のみ。

 小牧基地は雪でした。いや行く途中も雪だったのですが積雪と云う程では無く暫くしますと青空も見えてきました、帰路はまた降りまして少し難渋しましたが。愛知県のCOVID-19感染拡大を考えますと、公共交通機関を避け飲食も断念、そして現場は当方のみの緊張だ。

 KC-767空中給油輸送機、今回のトンガ救援隊は航空自衛隊の装備する航空機の中でも航続距離が大きなKC-767空中給油輸送機が派遣されるとのことで、ボーイング767-200ER旅客機を原型として空中給油機としたもので貨物型と同程度のパレット物資搭載が可能です。

 C-130H輸送機も発着していましたが、流石にトンガへ8000kmというものは少々戦術輸送機の限界を超えています、日常的な訓練というところでしょうが、C-130Hと改良したKC-130Hは遠くない将来に耐用年数を迎えますので、この後継機が気に成るところです。

 フンガトンガフンガハアパイ火山噴火、非常に大きな水蒸気爆発を伴い、その際のブラストにより発生した津波は日本まで到達していますが、噴火が持続しなかった事が幸いです。空港も一時封鎖となりましたが、トンガタプ空港火山灰除去が完了した為、救援隊派遣へ。

 C-17輸送機。トンガへの救援はオーストラリア空軍のC-17輸送機やニュージーランド空軍のC-130輸送機により既に開始されています。オーストラリア空軍では現地で不足している飲料水とともに海底通信ケーブル切断後急遽必要となった衛星通信機を空輸しました。

 P-3哨戒機により現地の航空偵察を実施したニュージーランド軍は、海軍艦艇に救援物資を搭載し出航、20日中に到着するとのこと。もともとトンガは自給自足出来ない国であり、一週間に一便のニュージーランドからの海運物資の航路があり、その延長線上となります。

 自衛隊のトンガ救援隊は、現地で不足している物資として飲料水を輸送するとのことです。長期的に考えますと海水濾過装置を輸送した方がとも考えるのですが、格納庫の奥に災害派遣に備えた物資備蓄倉庫があり、まずこの災害派遣用物資を第一陣に送る構図でしょう。

 C-2輸送機かKC-767空中給油輸送機か、トンガまで8000kmといいますのでC-130H輸送機では日本から直行は少々厳しくなります、美保のC-2か小牧のKC-767か、どちらかという。2000年前の航空自衛隊ではトンガへの救援はこう早く展開するのはむずかしい。

 本日撮影している最中に空輸訓練等は行われていまして、もしかしたらばこの機体は実任務での派遣か、とも考えたものの、見送りの要員が並んでいませんでしたので、派遣はもう少し先なのだな、と。そして三菱重工のSH-60K定期整備に伴う飛行試験なども。

 U-4多用途機。小牧基地で一通り撮影を完了しましたのでそろそろ、と考えていますとU-4が小牧基地へ着陸して参りました、航空自衛隊のVIP専用機で、やはりこの機体が到着したということは、見送りの将官が小牧へ、本命はこちらだったか、と分りました次第です。

 空輸ターミナル、小牧基地の空輸ターミナルは地方空港の待合室の様な配置となっているのですが、U-4多用途機はその目の前に直に駐機、さて本稿掲載の頃には自衛隊トンガ救援隊はそろそろ出国する事でしょう。太平洋を遠く渡りトンガまで、頑張ってほしいですね。

北大路機関:はるな くらま ひゅうが いせ
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(第二北大路機関: http://harunakurama.blog10.fc2.com/記事補完-投稿応答-時事備忘録をあわせてお読みください)

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10 コメント

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訂正 (はるな)
2022-01-20 21:27:46
派遣されるのはNHKによればC130二機とのこと、大変だ
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やっぱりC2は。。。 (ドナルド)
2022-01-21 00:09:01
役立たずなんですかね。。。高速で飛行でき、搭載力もそこそこあり、不整地に着陸できるように最近「練習」もしたのに。。。

私はC2は嫌いですが、それは、C17並みの値段で半分以下の能力だからです。が、国産なのだから値段が高いのは仕方ないかも知れません(払ったお金の多くは国内に落ちるし)。

しかし、使い物にならないのでは、ちょっとまずいですよね。。。
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第二北大路機関 (774)
2022-01-21 18:10:18
>ドナルドさん

第二北大路機関の2021年8月28日の記事を読まれたらいかがですか?
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(774)さん (ドナルド)
2022-01-21 22:13:24
ありがとうございます。

はい、読んでますが、特に意見を変えるような要素は見つかりません。。。

C-2は開発費と調達費で、ざっと1機あたり360億円。C17を調達するのにかかるコストと同じですよね。調達数が少ないのは当初からわかっていることなので、22機前後でC17の半分以下の能力のC-2を、C17 22機調達できる資金をかけて調達したわけです。

もちろん、C17なら12機程度で良いので、その分P-1でもF35でも増やせたでしょうに、、、という意味です。(まあ、国産・国内技術のためにこうしたお金を払ったわけで、そこは良否の判断が分かれて良いとことだと思います)。

ただ、C17は世界中で縦横無尽に活躍しています。搭載力、航続力に優れ、荒っぽく使われることも多いので、どんどん前線で活躍しています。オーストラリアのC17はすでにトンガに着陸しています。

トンガなんて、C-2がまさに活躍できると良いはずの例で、アピールできる場のはずなのですがね。もっとしっかり試験して荒っぽく、どしどし使えないのでしょうか。。。
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イギリス海軍哨戒艦 (ドナルド)
2022-01-21 23:19:02
関連する話題ですが、イギリス海軍の哨戒艦「スペイ」がタヒチで荷物を搭載して、トンガに急行しています。間も無く到着予定。

イギリスは、2010年の海軍縮小以降、太平洋に毎年軍艦を派遣するのをやめました。2018年以降は、駆逐艦やドック型揚陸艦、そして空母戦闘群が時々訪問するようになりましたが、継続的なプレゼンスのために、哨戒艦2隻を「インド洋・太平洋」に常駐させようとしています。

ちょうどその最初の派遣で、パナマ運河経由で哨戒艦「スペイ」と「タマール」が太平洋に入っており、年末をハワイで過ごしていました。「タマール」は東シナ海におり、「スペイ」は南太平洋に残っていたので、そこからの緊急派遣です(ピトケアン島を訪問する予定だったはず)。

海上保安庁の巡視船に似た船で、ヘリコプターも飛行甲板だけと割り切った設計ですが、航続距離5500nm、無補給航海日数35日と、遠洋での活動に優れた船です。20ftコンテナを2つから最大6こ搭載でき、アームが長めの15tクレーンも搭載し、海兵隊員51名分の居住区も持っております。フォークランド諸島に「フォース」、カリブ海に「メドウェイ」が常駐して哨戒任務に当たっています。ジブラルタルには「トレント」が配備され、海兵隊員を搭載して西アフリカ諸国を訪問して合同訓練をするなど、「プレゼンス」を示す意味で活躍しています。

兵装が軽く、ヘリ格納庫もなく、そもそも建造のきっかけも新哨戒艦の必要性よりもむしろ造船所の救済だったり、物議をかもした5隻なのですが、現在では大活躍しているとして評価も高いようです。

リバー級バッチ2型という船型で、英国海軍5隻に加え、ブラジルに3隻、タイに2隻輸出されています。参考まで。。。
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Unknown (774)
2022-01-22 12:39:12
こう言っては失礼ですが、ドナルド様は結論ありきの部分があるのではないでしょうか?
例えば自衛隊の医療キットの問題も自衛隊の甘い認識や医師会の反対だけではなく
野党の法改正への反対も大きいと思います
(その証拠のために社民党の福島議員の意見書の事は書きましたよね?)
なのにドナルド様は自衛隊の認識が甘い、医師会が反対しているの二点張りじゃないですか?
自衛隊に問題点がないとは言いませんが、日本の政治情勢は「それ以前の問題」です

話を自衛隊の輸送機に戻せば、仮に2000年代の日本に余裕があったとしても「C-17のような過剰スペック高価格な機体の導入を中止して、自衛隊の輸送機を削減するべき」みたいな流れになっても
(日本なら)それほど不思議ではありません
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C-2も (ドナルド)
2022-01-22 20:38:12
いまニュースを読んだら、C2も2機増派するそうですね。C2がトンガに着陸し支援物資をおろす様子を、是非しっかり報道してほしいです。

一方で、飛行速度からも航続距離からも、C130よりもよほど迅速に現着できたはずのC-2を先行させられなかった原因を解決して、ただちに日本の輸送機が救援に向かえるような体制を作ってほしいところです。

そのためのC-2なので。。。
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公開遅延陳謝 (はるな)
2022-01-22 21:58:17
21日2213時から本日2038時までのコメント先程2156時に公開しました、噛み合わないような内容となっていますが、当方の公開遅延が原因です
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ありがとうございます (ドナルド)
2022-01-22 23:51:12
はるな様、ご配慮コメントありがとうございます。

774さんもありがとうございます。774さんのご意見、すなわち日本の政治が未成熟であるために、自衛隊が壮大な無駄を強いられ、骨抜きにされている、というご指摘に、とくに反対意見はありません。

あくまでC2という装備と、それに対する実用化の努力の話をしており、そこでは774さんと意見が違いますが、それはまあ、こういう場ではあって良い議論だと思っています。

社会情勢についてのご意見は、あまり意見に相違はないのだと思います。単に表現が違うだけなのかと。

私の意見は、平和を維持するための軍事力があることを理解できない、いわゆる左翼のお花畑の人たちに対する反論でもありますし、地道な法改正や体制強化こそが遥かに重要なのに、装備の話しかしない、しかもその装備もきちんと評価試験をしない、これまたお花畑にしか見えない防衛省や政府側の現状への批判でもあります。

1:個人的に、C2開発時の議論をリアルタイムでフォローしていましたが、代わりにC17を採用できない雰囲気だったとは思いません。できたことです。C2の開発予算が通る情勢で、C17の購入が通らない理由がわかりません。

2:また私自身はC2の投資には否定的ですが、同時に開発したのならきちんと使うべき、という立場で発言しています。不備があるなら改善し、たとえそのコストのために生産数が20機から17機に減ってでも、きちんと使えるようにすべきです。


余談:根本の議論に戻るのなら、防衛省は、道交法、医師法、電波法の法改正を最優先で進めるべきです。他にも沢山ありますよね。侵略をしなくても戦争に巻き込まれることは、歴史が示している事実。「戦争なんてない」前提で組まれている法体系をきちんと「戦争が起きても対応できるものにする」責任に比べれば、装備の話は遥かに優先順位が低い。「**という兵器を買う・買わない」とか「自衛隊を大きくするか小さくするか」は、いろいろな立場から大いに議論すれば良い。

でも、「戦争は絶対に起きないから、法体系は必要ない」などという考えは明確な間違いですよね。「原発は事故を起こさないから、事故対応の訓練は必要ない」と同等レベル。これ、今なら、きちんとやれば、法改正通ると思うんですが、、。

国民の一人として私のような意見がでることは、最終的に役に立つのだと思っています。
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Unknown (774)
2022-01-23 09:07:09
はるな様、ご迷惑をおかけして申し訳ありません


私自身、C-17を十分な機数導入するのがベストだったと思うのですが
ベストな選択肢が存在し、それが予算的に可能でも
それを許さない政治情勢が日本には存在するのではないでしょうか?
具体的には、世論に気を使ってF-2の調達を中止する国で
「90年代より割高になってしまったC-17」を採用可能な大義名分を私は思いつきません
最近の話でも(世界情勢が悪化しているのに)築城基地の拡張が住民の反対で頓挫しました
政府が民衆に従うのは正しいと私も思いますが
日本の場合、予算云々以前の手枷、足枷、障害が多すぎるのではないかと
(そして今頃になって解消できるのなら、とっくの昔に解消できているはずです)
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