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ウクライナ情勢-ウクライナ東部ポクロウシク市にロシア軍が迫る!ドネツク州における兵站拠点

2024-09-05 07:00:24 | 国際・政治
■防衛情報-ウクライナ戦争
 政府は自衛隊の退役装備に関する予備装備としての予算を計上する事となりましたが有事の際の予備装備が無ければ、ウクライナの現状よりもひどい事となる。

 ウクライナ東部ポクロウシク市にロシア軍が迫る危機的状況となっている。イギリス国防省ウクライナ戦況報告9月1日付情報として、ここ7日間の概況としてロシア軍がウクライナ東部ポクロウシク市へ加速して接近しており、9月1日までに市街地外縁から10km圏内まで接近していると分析しています。市街地侵入も時間の問題とも分析している。

 ポクロウシク市、ここはドネツク州における戦闘に重要な位置を占める兵站拠点であり、仮にポクロウシク市がロシア軍により制圧された場合、チャシブヤールやヴフレダルといった戦闘地域への補給が大きく迂回を強いられることとなるもよう。ロシア軍は南部やほかの東部地域でほぼ前進しておらず、ポクロウシク市が戦闘の焦点となっています。

 ポクロウシク市に関する唯一の楽観要素は、現在の進撃速度は市街地にウクライナ軍防御部隊が展開しているため、市街地に入れば前進速度が鈍化する事が期待されていますが、いったん市街戦が始まりますと、市街地に侵入したロシア軍を掃討する事もまた難しく、固定陣地に依存した防御は航空機からの滑空爆弾攻撃に曝されることとなります。

 ウクライナ軍は8月31日夜間から9月1日にかけ大規模な無人機攻撃を実施した、ISWアメリカ戦争研究所9月1日付ウクライナ戦況報告がまとめたところでは、百機単位で無人機をロシア領内攻撃に展開させたとのこと。この攻撃について、ロシア国防省はロシア防空軍は16州においてウクライナ軍無人機158機を撃墜したと発表しています。

 ロシア軍の前進について、ISWはハリコフ市北のフリボケ西部、クピャンスク南東に位置するピシュチャネ南西、ドネツク市西方のコスティャンティニフカ北東部で前進したとされ、また新しい焦点となりつつあるポクロウシク市近郊では、特に南東地域にあるミハイロフカの西とドリニフカの集落を攻撃、ISWは集落を占拠したと分析しています。

 ポクロウシク市近郊の戦闘ではロシア軍が損耗を度外視した攻撃を続けている動画がウクライナ側より公開されています。ロシア側としてはウクライナ軍のクルスク州侵攻への対処よりも、クルスク州侵攻そのものを国内報道から情報統制するとともに、ポクロウシク市という新しい目標を制圧する事を国内向けに協調する狙いがあるのかもしれません。

北大路機関:はるな くらま ひゅうが いせ まや
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