北大路機関

京都防衛フォーラム:榛名研究室/鞍馬事務室(OCNブログ:2005.07.29~/gooブログ:2014.11.24~)

【京都幕間旅情】東福寺,十二月戒厳令-数時間で終わった韓国非常事態を思い返すと共に

2024-12-04 20:24:48 | 写真
■紅葉景色と共に
 こういう話題もちょっと触れておきたいという事で写真とは無関係に。

 十二月の政変、東福寺の写真と共に語る事ではないのかもしれませんが、今朝がたは驚きました、というよりもほぼほぼ二十時間前ですか、友人から韓国で戒厳令が発令されたというメールが来まして、何の映画の話かとおもったら聯合ニュースのURLとともに。

 戒厳令、いや韓国は1987年の民主化以来戒厳令なんて、徳政令はあっても戒厳令はなかったと聞くしていると、NHKが戒厳令は1987年以来であると報じてくれて、わたしの記憶もばかにならないものだなあ、と思いつつ、2020年代半ばなんですよ、いまは。

 戒厳令は数時間で、議会議決により解除されたのですが、これはほんとうによかった、まず、大統領がきがちがったのでなければ、国家予算が通らないので戒厳令なんてありえず、戒厳令を布告しなければならないような、表以外の事情があると当然考えるものですから。

 クーデター準備のような不穏な動きがあるのではないか、つまり伝統的な海兵師団か空挺師団か特戦団かが、クーデター準備の動きが在って、これを事前に抑止するために戒厳令を布告するような、ドゴール大統領のかつての対応のような事情はないか、と考えて。

 親北の分子による国家破壊から秩序を守る、と大風呂敷広げられたので、実は特殊部隊でも浸透していて、呼応した土台人が騒擾を起こし、夜が明ければ朝鮮戦争再燃で核爆発の危機、と本当に心配したものの、これが大統領のおかしくなっただけという結末だった。

 しかし、議会選挙で大統領が負けて、レームダック化した政権が国会などで野党にたいして妥協を拒んだことでむきになって戒厳令を発令し議会閉鎖に追い込んだ、という表向きの理由以外何も見つからないとなると、理由がこれしかないのか、と本当に驚く。

 検察出身の大統領なので法律には多少明るいと思っていたが、どの条文を拡大解釈すると大統領ならば全部選挙を覆せると思ったのか、トランプ大統領だってやらないようなことを、日本時間深夜にいきなりやらかしたのだから、これはおどろくほかないのですよ。

 国会議員は、がんばった。感心したのは戒厳令とともに陸軍空挺旅団が、少人数だけれどもUH-60でヘリボーンを掛けて国会に少数の人員を派遣して、一応閉鎖したとともに、大統領命令により警察が国会議事堂周辺を封鎖したものの、民衆と議員は国会へ向かった。

 封鎖された議会へ、壁を超えて窓を割って議事堂のなかにはいり、全会一致で戒厳令解除を布告した、ここには与党も野党も無く、全会一致、という戒厳令への党派を超えた反対が成立ち、この結果大統領も数時間で戒厳令解除を公布せざるを得なくしたということ。

 軍事政権時代の戒厳令の記憶がある世代なのだろうなあ、韓国の友人もこの話題は触れたがらないもので、学生時代に、おまえはナムサンの安企部地下六階送りだ、とお酒の席で冗談を飛ばすと、急に真顔になり、たのむからその冗談はやめてくれといわれてしまって。

 しかし、議員と民衆が総力を挙げれば権力の暴走を止める事が出来るという韓国の実例とともに、さて、韓国は改憲や制度の見直し、まあ大統領の失職は当然としても変革を強いられるのだろうなあ、とおもうのですが。軟着陸できて、あんどしたのですよね。

 ただ、これからが大変です、青瓦台ではなく国防省に大統領執務室を置いた現政権、戒厳令布告とともに当然、各部隊の上級指揮官に恭順書を求めているとしたばあい、これに署名した指揮官は今度は逆に更迭の可能性がある、粛軍が北東アジア情勢にどう影響するか、関心事です。

北大路機関:はるな くらま ひゅうが いせ まや
(本ブログに掲載された本文及び写真は北大路機関の著作物であり、無断転載は厳に禁じる)
(本ブログ引用時は記事は出典明示・写真は北大路機関ロゴタイプ維持を求め、その他は無断転載と見做す)
(第二北大路機関: http://harunakurama.blog10.fc2.com/記事補完-投稿応答-時事備忘録をあわせてお読みください)

コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 【京都幕間旅情】東福寺,通天... | トップ | 【京都幕間旅情】榛名さんの... »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

写真」カテゴリの最新記事