■さよなら74式戦車
富士学校祭の速報も行事から時間が経ってしまいましたが今回の第六回で大団円となります。
12式地対艦誘導弾システムが射撃準備を展示します、とはいってもこれの実物を発射しますと鹿島灘とか伊勢湾沖まで射程に入ってしまうようなミサイルです。現在この改良型を開発しているというアナウンスが流れ、その射程は900㎞から2000㎞、長い。
19式装輪自走榴弾砲の射撃展示を終えて陣地変換をおこなう、似たような八輪式の車両ですが野砲とミサイルで全然違います、空包射撃もこちらは出来るのですが、今後自衛隊が反撃能力を整備してゆきますと、前者の角度をつけておしまいの展示が増える。
99式自走榴弾砲、自衛隊は野戦特科を長らく重視してきましたから装輪自走榴弾砲はスウェーデンのアーチャー自走砲のようにこの99式の砲塔を装輪車の後部に装着するものとおもっていましたが、大きさなどで断念したという。コスト面も大きいのだろうか。
74式戦車、この2023年が今度こそ最後の展示となります、日本が誇る第二世代戦車で、第二世代戦車は攻撃と防御と機動力の戦車三要素のうち、技術的にどれかを妥協しなければならないという制約があり、近代化改修には限界があるものを頑張って使った。
第二世代戦車は、ウクライナでの線上ではロシア軍とウクライナ軍が、ロシア軍は台地世代戦車まで投入して使っていますが、乗って線上に赴く方の事を考えると、早めに第三世代戦車に置き換える必要がある。自衛隊の場合は置き換えず単に廃止するだけ。
90式戦車の機動展示、74式戦車に対して90式戦車が第三世代戦車である所以は、その120mm砲弾を正面装甲や車体正面に受けても貫徹せず、側面に命中した場合でも人員区画が防護でき、このほか4000m先の目標に高い確率で命中させられる点など。
10式戦車は、この90式戦車を置き換えてゆくこととなる戦車です。ただ、思うのは防衛産業を維持し重厚な防衛力を維持し、且つ戦車定数を増やさないのであれば、量産数を増加させて、そして15年程度で退役し、補修したうえで海外に輸出するという提案だ。
第三世代戦車か第四世代戦車か、という視点で語られた重くなりすぎた第三世代戦車の配置を合理化することで防御力を高めつつしかし逆に軽量化するという選択肢は、結局世界が第三世代戦車の改良だけで済ますことが主流となり追随されるには至らない。
16式機動戦闘車の展示、ほぼすべてはうしろに向けて射撃姿勢をとっているのは、ちょうどこの撮影に当たったG3Xカメラには見えにくい角度で射撃展示が続いたので、ほぼ撮影できなかったというのが正しい、もっとも、一眼レフでは撮れたのだけれどもね。
戦車駆逐車というか、装甲防御をあきらめて機動力に特化するという発想は第二世代戦車の発想の延長線上にあるのだけれども、これはモノになってゆくのだろうか。この分野で先進的なイタリアは現在チェンタウロ2という120mm戦車砲搭載型を量産中だ。
AH-1S対戦車ヘリコプターの支援、このAH-1Sも古くなったもので、しかし後継機種を調達することなく対戦車ヘリコプターと本来の後継であるべき戦闘ヘリコプターは区分ごと用途廃止される計画、即座の致死性を突き付けられる必須の装備と思うのだが。
陸上防衛は転換期にある、というのは理解できるのだけれども、本来戦争には限定戦争と全面戦争があって、限定戦争に仕えるものは全面戦争にも対応する、けれども全面戦争を念頭に置いたものを限定戦争に用いると、戦争が全面戦争に拡大してしまうのですね。こんな感じにて富士学校祭訓練展示は状況終了となりました。
北大路機関:はるな くらま ひゅうが いせ
(本ブログに掲載された本文及び写真は北大路機関の著作物であり、無断転載は厳に禁じる)
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(第二北大路機関: http://harunakurama.blog10.fc2.com/記事補完-投稿応答-時事備忘録をあわせてお読みください)
富士学校祭の速報も行事から時間が経ってしまいましたが今回の第六回で大団円となります。
12式地対艦誘導弾システムが射撃準備を展示します、とはいってもこれの実物を発射しますと鹿島灘とか伊勢湾沖まで射程に入ってしまうようなミサイルです。現在この改良型を開発しているというアナウンスが流れ、その射程は900㎞から2000㎞、長い。
19式装輪自走榴弾砲の射撃展示を終えて陣地変換をおこなう、似たような八輪式の車両ですが野砲とミサイルで全然違います、空包射撃もこちらは出来るのですが、今後自衛隊が反撃能力を整備してゆきますと、前者の角度をつけておしまいの展示が増える。
99式自走榴弾砲、自衛隊は野戦特科を長らく重視してきましたから装輪自走榴弾砲はスウェーデンのアーチャー自走砲のようにこの99式の砲塔を装輪車の後部に装着するものとおもっていましたが、大きさなどで断念したという。コスト面も大きいのだろうか。
74式戦車、この2023年が今度こそ最後の展示となります、日本が誇る第二世代戦車で、第二世代戦車は攻撃と防御と機動力の戦車三要素のうち、技術的にどれかを妥協しなければならないという制約があり、近代化改修には限界があるものを頑張って使った。
第二世代戦車は、ウクライナでの線上ではロシア軍とウクライナ軍が、ロシア軍は台地世代戦車まで投入して使っていますが、乗って線上に赴く方の事を考えると、早めに第三世代戦車に置き換える必要がある。自衛隊の場合は置き換えず単に廃止するだけ。
90式戦車の機動展示、74式戦車に対して90式戦車が第三世代戦車である所以は、その120mm砲弾を正面装甲や車体正面に受けても貫徹せず、側面に命中した場合でも人員区画が防護でき、このほか4000m先の目標に高い確率で命中させられる点など。
10式戦車は、この90式戦車を置き換えてゆくこととなる戦車です。ただ、思うのは防衛産業を維持し重厚な防衛力を維持し、且つ戦車定数を増やさないのであれば、量産数を増加させて、そして15年程度で退役し、補修したうえで海外に輸出するという提案だ。
第三世代戦車か第四世代戦車か、という視点で語られた重くなりすぎた第三世代戦車の配置を合理化することで防御力を高めつつしかし逆に軽量化するという選択肢は、結局世界が第三世代戦車の改良だけで済ますことが主流となり追随されるには至らない。
16式機動戦闘車の展示、ほぼすべてはうしろに向けて射撃姿勢をとっているのは、ちょうどこの撮影に当たったG3Xカメラには見えにくい角度で射撃展示が続いたので、ほぼ撮影できなかったというのが正しい、もっとも、一眼レフでは撮れたのだけれどもね。
戦車駆逐車というか、装甲防御をあきらめて機動力に特化するという発想は第二世代戦車の発想の延長線上にあるのだけれども、これはモノになってゆくのだろうか。この分野で先進的なイタリアは現在チェンタウロ2という120mm戦車砲搭載型を量産中だ。
AH-1S対戦車ヘリコプターの支援、このAH-1Sも古くなったもので、しかし後継機種を調達することなく対戦車ヘリコプターと本来の後継であるべき戦闘ヘリコプターは区分ごと用途廃止される計画、即座の致死性を突き付けられる必須の装備と思うのだが。
陸上防衛は転換期にある、というのは理解できるのだけれども、本来戦争には限定戦争と全面戦争があって、限定戦争に仕えるものは全面戦争にも対応する、けれども全面戦争を念頭に置いたものを限定戦争に用いると、戦争が全面戦争に拡大してしまうのですね。こんな感じにて富士学校祭訓練展示は状況終了となりました。
北大路機関:はるな くらま ひゅうが いせ
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