北大路機関

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スタンドオフミサイル/反撃能力の配備に関する政治的課題,SSM地対艦ミサイルとの明白な分水嶺

2024-12-11 07:00:37 | 先端軍事テクノロジー
■スタンドオフミサイル
 今回も12式地対艦誘導弾システム射程延伸型の話題を昨日とは少し角度を変えて考えてみましょう。

 スタンドオフミサイル、反撃能力整備について、陸上自衛隊の12式地対艦誘導弾射程延伸型の実験成功を昨日紹介しましたが、スタンドオフミサイルの水化しさについて、今回は少し考えてみたいと思います。持論として、過去に特集しましたが、反撃能力は日本としては潜水艦など海上プラットフォームからの運用が最適であると考えていました。

 老朽潜水艦にトマホークミサイル運用能力を、潜水艦あさしおAIP区間追加のように、船体延長により20発程度搭載能力を付与し、普段は小笠原近海など、日本の聖域、つまり第三国潜水艦が接近しにくい海域に遊弋させるという持論を過去掲載しました。今考えてみると、必要な反撃能力は数千発から一万数千発ですので、とても数が足りないのですが。

 航空自衛隊が反撃能力整備を行った際には、輸送機からのミサイル運用というものを真剣に検討し、戦闘機の搭載能力の限界というものを輸送機からの数の投射能力で補う持論を展開しましたが、自際防衛装備庁が同様の研究を行っていたと知った際には、なるほどアメリカが実施している方法は王道なのだなあ、と実感したものでした。

 重要なのは、スタンドオフミサイルは相手にとり脅威なので、逆に最優先目標となる、ということです。潜水艦であれば、最優先目標であっても簡単に位置が暴露しませんし、なにより、相手が強引な手段を用いた場合でも、目標が海洋であれば、少なくとも周辺住民への付随被害はありません。航空基地ならば基地防空とミサイル防衛がこれを阻止しえる。

 けれども、地対艦ミサイルの延長線上として、仮に離島に配備する場合はこの限りではありません、離島が航空攻撃を受けた場合は付随被害が大きくなります、なにしろ掩砲所さえ構築するのに制限がある地域なのですから。離島には純粋な地対艦ミサイル、ミサイル艇に装備しているような装備を超えるものは、逆に住民の不安をあおるのではないか、と。

 防衛用、といえば聞こえはいいのかもしれませんが、北朝鮮の核ミサイルも自称は防衛用であり、中国の空母も自称は防衛用です。問題は相手がどのように受け止めるかで、まあたとえばスタンダードSM-6のように対空ミサイルが照準によっては対艦用に使えるというものは純粋に防衛用と云い得るのでしょうが、スタンドオフミサイルは配備に配慮が必要なのです。

北大路機関:はるな くらま ひゅうが いせ まや
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