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【京都幕間旅情】金閣寺/鹿苑寺,西園寺は西海貿易制した藤原家傍流の地を継ぐ足利義満の北山殿包む紅葉

2022-11-23 20:00:12 | 写真
■金閣寺の紅葉は鮮やか
 金閣寺といいますか今まで金閣ばかりみていまして寺院の広がりもそして木々さえも良く見ていなかったように少し顧みる。

 鹿苑寺こと金閣寺にこれほどの紅葉が、驚かされましたのは、横浜の知人にそういえば金閣寺の紅葉はいまどのくらいいろ付いたのだろう、と素朴なやりとりがありまして、金閣寺、紅葉はどのあたりだっただろうかと曖昧な受け答えをしてしまいました次第です。

 北区金閣寺町、左大文字を仰ぐこの立地は、京都と云えば金閣寺という程に修学旅行の定番ではあるのですが、臨済宗相国寺派の寺院、禅寺と云う割には華美な金閣ではあるのですが、一歩引いてみますと、三門も堂宇も、こじんまりとした、確かに禅寺と気づきます。

 椛、すごいじゃあないか、こう改めて思いました次第です。もちろん金閣寺の金閣を包む紅葉、というような植樹はないのですが、ここは金閣であって金閣寺ではない、そうつまり金閣寺をみているつもりで今まで金閣だけを眩しいとか豪華とか言っていた。違うのだ。

 北山文化は室町幕府がもっとも華やかな時代にひろまりましたものゆえに、金閣は再建されたのちこそ眩い以上の光を放っています、いかし、考えてみますとここはもともと北山殿とい足利義満の別荘だったわけでして、禅寺となったのはずいぶんと後で歴史は複雑だ。

 藤原公経が西園寺を造営した、この一帯は西園寺家の所領となるのですがもともとは藤原氏の分家となります西園寺の、しかし名の通りの寺院でありました。鎌倉時代元仁元年、西暦の1225年に寺院が造営された事に始まります、昨今鎌倉時代は大河ドラマで話題だ。

 平清盛、歴史に関心が無くとも平家物語などは義務教育でも学ぶところなので常識の範疇なのでしょうが、武家社会の基礎を構築した平家は西海貿易、瀬戸内海の海賊を鎮定し制海権を維持し貿易の権益も一手に握り莫大な財力を政治力や軍事力に代えたのが背景です。

 日本史は面白いが気付かないところが多い、そもそも平家は財力を政治力にといいますが、政治力が今風に言えば賄賂のようなものを想像するのですけれども、そうではなく当時は今の様な宮中行事が大規模であり、しかも誰かが資金を拠出しなければならないという。

 西海貿易、興味深いのは鎌倉幕府が源頼朝により開府となりましても、西海貿易を幕府所管とする動きが何故か無いのですね、税収も関税にあたるものは徴収していますが、港湾管理権や物流による利益などは、驚くほど武家の家計簿に出てこないのです、では何処に。

 西園寺家はこの西海貿易を所掌していた、平家は西海貿易の権益とともに利益により朝廷行事の費用負担を担ていたのですが、鎌倉幕府はその名の通り首都を鎌倉に、東国に配置しています、あの時代には京と鎌倉という二つの首都があったのです、これは特殊でした。

 鎌倉と京、これは江戸時代の江戸と京の関係を思い起こすかもしれませんが、首都を二つに分けたのは日本ではこの鎌倉時代が初めてであり、距離を置く事での優位性と実務性を理解した結果の江戸、鎌倉時代はそういう意味で暗中模索の中での二つの首都といえます。

 幕府も宮中行事に資金をかなり拠出はしていました、これは朝廷との関係を意識していた為です、しかし飢饉救済など朝廷が行わない公共事業にも幕府は関与していた、この中で日常の数多ある行事の資金を拠出していたのが、京都にあった西園寺家だったわけです。

 紅葉、そう思い出せば金閣寺は金閣の舎利殿ばかり象徴的な建物として紹介しますし、金閣寺といえばみなさん思い浮かべるとおりこの金閣を思い出す、それは銀閣寺が観音殿を思い浮かべる以上に、寺院の中でも金閣しかみていなかったのではないか、なにかこう反省する。

北大路機関:はるな くらま ひゅうが いせ
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