■臨時情報-えちご座礁
海のもしもは118番といい1月18日は118番の日でもありましたが事故は海上保安庁の方で発生しました。

国土交通省によれば昨日18日0630時頃、新潟の第九管区海上保安部に所属する海上保安庁巡視船えちご、が新潟県柏崎市沖合1kmの海域を航行中、暗礁に乗り上げ座礁しました。先週は山口県沖にて海上自衛隊の護衛艦いなづま座礁事故が発生していますが、凡そ一週間にして事故が続いた、船体は座礁したままであり浸水しているが乗員33名は無事という。

えちご、ヘリコプター搭載巡視船つがる型の7番船であり、総トン数3221tで満載排水量は4037tという大型巡視船となっています、就役は1990年で既に船齢32年という。つがる型巡視船は従来の領海及び接続水域に加え国連海洋法条約施行に伴う200浬排他的経済水域設定を受け、警備救難能力強化を求められ量産された大型巡視船となっています。

つがる型は2000年代に増強された2隻を除いていずれも船齢30年を超えており、延命改修を受けています。この背景として海上保安庁では各管区に1隻のヘリコプター搭載巡視船を配備する方針を示しており、一方で尖閣諸島警備能力強化という観点から中型高速巡視船の整備が優先され、高価なヘリコプター搭載巡視船の代替船建造が遅れた背景がある。

座礁事故、原因は沿岸部近くを航行した為に海図上の暗礁を見落とした為と考えられます、しかし気になるのは報道にありました、“乗組員33名に負傷者は無し”という点です。満載排水量で4000t級の巡視船、そう、つがる型巡視船は定員69名であり、実に定員の半分以下で運用されていた事となります。海図見落としというより人員不足が原因におもえる。

知床観光遊覧船沈没事故、思い出すのは昨年4月23日に発生した海難事故です、痛ましい事故でしたが、海上保安庁に通報があったのは当日1313時であったものの、海上保安庁のヘリコプターが現場に到着したのは1630時、この事故を受け運行会社の杜撰な安全管理が批判されていますが、同時に海上保安庁の装備不足や人員不足も表面化していました。

柏崎市沖座礁事故、えちご航行は警戒監視が任務との事でしたが、定員が半数以下で在る状況で出航した船長と、そうした人員状況での運用を敷いた管区本部長の責任も問われるべきです。実のところ人員不足、そしてその場合でも任務免除が許されない状況が、事故の背景には無いでしょうか。関係者を叱責するだけではなく、待遇改善が再発防止策なのかもしれません。
北大路機関:はるな くらま ひゅうが いせ
(本ブログに掲載された本文及び写真は北大路機関の著作物であり、無断転載は厳に禁じる)
(本ブログ引用時は記事は出典明示・写真は北大路機関ロゴタイプ維持を求め、その他は無断転載と見做す)
(第二北大路機関: http://harunakurama.blog10.fc2.com/記事補完-投稿応答-時事備忘録をあわせてお読みください)
海のもしもは118番といい1月18日は118番の日でもありましたが事故は海上保安庁の方で発生しました。

国土交通省によれば昨日18日0630時頃、新潟の第九管区海上保安部に所属する海上保安庁巡視船えちご、が新潟県柏崎市沖合1kmの海域を航行中、暗礁に乗り上げ座礁しました。先週は山口県沖にて海上自衛隊の護衛艦いなづま座礁事故が発生していますが、凡そ一週間にして事故が続いた、船体は座礁したままであり浸水しているが乗員33名は無事という。

えちご、ヘリコプター搭載巡視船つがる型の7番船であり、総トン数3221tで満載排水量は4037tという大型巡視船となっています、就役は1990年で既に船齢32年という。つがる型巡視船は従来の領海及び接続水域に加え国連海洋法条約施行に伴う200浬排他的経済水域設定を受け、警備救難能力強化を求められ量産された大型巡視船となっています。

つがる型は2000年代に増強された2隻を除いていずれも船齢30年を超えており、延命改修を受けています。この背景として海上保安庁では各管区に1隻のヘリコプター搭載巡視船を配備する方針を示しており、一方で尖閣諸島警備能力強化という観点から中型高速巡視船の整備が優先され、高価なヘリコプター搭載巡視船の代替船建造が遅れた背景がある。

座礁事故、原因は沿岸部近くを航行した為に海図上の暗礁を見落とした為と考えられます、しかし気になるのは報道にありました、“乗組員33名に負傷者は無し”という点です。満載排水量で4000t級の巡視船、そう、つがる型巡視船は定員69名であり、実に定員の半分以下で運用されていた事となります。海図見落としというより人員不足が原因におもえる。

知床観光遊覧船沈没事故、思い出すのは昨年4月23日に発生した海難事故です、痛ましい事故でしたが、海上保安庁に通報があったのは当日1313時であったものの、海上保安庁のヘリコプターが現場に到着したのは1630時、この事故を受け運行会社の杜撰な安全管理が批判されていますが、同時に海上保安庁の装備不足や人員不足も表面化していました。

柏崎市沖座礁事故、えちご航行は警戒監視が任務との事でしたが、定員が半数以下で在る状況で出航した船長と、そうした人員状況での運用を敷いた管区本部長の責任も問われるべきです。実のところ人員不足、そしてその場合でも任務免除が許されない状況が、事故の背景には無いでしょうか。関係者を叱責するだけではなく、待遇改善が再発防止策なのかもしれません。
北大路機関:はるな くらま ひゅうが いせ
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