■寝台特急富士はやぶさ号名古屋駅撮影紀行
寝台特急富士・はやぶさ号の撮影と、名古屋駅に停車している特急車や快速電車の写真を本日は掲載したい。名古屋駅は、京都駅や東京駅、上野駅などと同じく新幹線と在来線、私鉄線が乗り入れる総合駅だ。
寝台特急富士・はやぶさ号、来年にも廃止といわれているブルートレインは、富士号が日本最初の特急列車として1912年に新橋・下関間で運行が開始された名称を受け継ぎ、はやぶさ号は、運航開始から50年の歴史を誇る由緒正しい列車だ。今日こそ、新幹線が九州と京阪神、そして名古屋、東京を結んでいるが、当時はこのブルートレインこそが走るホテルとしての風格と速度を誇っていた。
ホームライナー運行に就く683系特急車。白雪を髣髴とさせる美しい車体が自慢の683系電車、昼間ダイヤでは、特急「しらさぎ」号として、名古屋駅から東海道本線を米原へ、米原から北陸本線に入り、金沢、富山、和倉温泉など北陸方面を結んでいる。683系は、金沢総合車両所の車両で、JR西日本の特急というかたちになっている。
ホームライナー運行に就いているキハ85系気動車。昼間ダイヤの運行では、特急ワイドビューひだ号、特急ワイドビュー南紀として運行されている。ワイドビューひだ号は、名古屋から東海道本線、岐阜から高山線に、非電化区間の高山線を、高山、そして富山まで結ぶ特急。カミンズ社製の強力なディーゼルエンジンと電気指令式ブレーキを搭載した電車特急並の性能を有している。
南紀としては、名古屋駅から紀勢線を通り、新宮駅、紀伊勝浦駅を結んでいる。ワイドビューという名前に恥じない流線型の車体と部分的な前面展望を可能としたデザインは、鉄道友の会よりブルーリボン賞を受賞している。隣のホームの奥に停車しているのは、通勤電車の221系電車。
383系特急電車が回送電車として停車している。昼間ダイヤでは名古屋駅から長野駅までを結ぶ特急として活躍、振子式制御装置を搭載した特急として知られており、振子式制御は、急勾配を規定よりも最大25km/h速く通過することが出来、名古屋駅から中津川駅までの区間では130km/h運転を実施している。なお、前述のワイドビューひだ号と、ワイドビューしなの号は、毎日一往復、大阪まで乗り入れている。
JR東海の新快速電車網を支える313系電車。名古屋を中心に、東は豊橋・浜松まで、西は大垣・米原までを130km/hの新快速・特別快速が結んでいる。LED表示方式の方向幕を搭載しているのが最新の313系5000番台で、並走する名鉄特急の1200形一般車や7000形パノラマカー、5700形急行車のサービスに対抗するべく、全車転換クロスシート方式を採用している。
寝台特急富士・はやぶさ号が2248時、名古屋駅のホームに滑り込む。ブルートレインのブルー塗装客車が名古屋の夜空に溶け込んでいる。名古屋駅時刻表は、最終が2257時発の、のぞみ号新大阪行、博多への最終列車が発車するのは2035時である、新幹線はいよいよその日の運行を終えようとしている中で、ブルートレインの時間が始まろうとしている瞬間だ。
ブルートレインは、名古屋、京都から新幹線の走らない時間帯を走り、新幹線始発前の広島に到着する。また、広島・岡山と名古屋・浜松も同様の利用方法を採る方がいるようだ。場合によっては、新幹線の運行していない時間帯を走るショートカットの列車としても利用する方がいるようだ。この点、終発に近い一部の新幹線指定席券で、寝台を利用できるようにすれば、利用者はそれなりに増えるのではないか、と考えたりする。
寝台特急は、富士・はやぶさ号で1803時東京始発、富士号の終点大分到着は1117時、はやぶさ号の終点熊本着は1149時。はやぶさ号の博多着は1010時なので、東京駅を当日0600時に発車する始発のぞみ号の1045時着よりも僅かに早いものの、12時間遅れで東京を出発した新幹線に追いつかれそうな早さである。従って、山陽本線のダイヤ利便性は別としても、旅行の目的としての需要の比率が比較的高いことが予想される。
寝台特急富士・はやぶさ号は、利用者の減少などで、食堂車の営業終了と編成からの除籍、続いてサロンカーの編成からの除籍により、文字通り寝台車だけの編成となっており、くわえてシャワー設備の有無など、サービスも劣化しているように思う。これが利用客の更なる減少を呼んでいるようにも思う次第。
373系特急車を利用した夜間快速ムーンライトながら号が名古屋駅に到着した。この列車に乗車するのが今回の目的。ムーンライトながら号は、今後、定期運行を改め、季節列車運行となる予定とのことで、将来的には、富士・はやぶさ号が廃止されれば、東海道本線を行く夜行列車は、サンライズ瀬戸・出雲の一本だけになってしまう。夜間要員の確保などの負担が、この一本にかかると大きな負担となってしまうようにも思うのだが、そういう考えを振り払いつつ、首都圏に向かうムーンライトながら号に乗り込んだ。
HARUNA
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