冒頭の図は7世紀後半の日本の政権の中枢の天智天皇(中大兄皇子)と天武天皇(大海人皇子)に関係する妻や子の関係図である。系図はこの5-6年大変興味をもっていろいろ眺めてきた。ギリシャ悲劇が実に簡単な系図で読み解かれたり、平家物語の世界を系図で読み解くと悲劇の元が良くわかったりした。
以前、奈良や京都などを散策したときに長谷寺の曼荼羅図や東寺の内陣の曼荼羅を見学させていただいたが、系図はなにか曼荼羅のようで、そこから様々な行動や様々な感情が湧き立つのを感じる。今日も万葉集で志貴皇子の素晴らしいの歌や十市皇女のなんとも言えない歌。持統天皇の晴れやかな名歌や柿本人麻呂の美しい歌に接しつつ、この系図を眺めた。
この曼荼羅?を見ることでこの世の何かが見えてくるような気になった。中大兄皇子と大海人皇子の相克は壬申の乱を招いたり、親族間による謀殺や悲劇を招いたりしたが、長い目で見ると律令国家の設立に繋がっている。また、それが現代に繋がる絶対的なものでもなくハンコ文化が1000年以上の歳月を経て変わってくるかもしれないということも(笑)。すでにこの曼荼羅(系図)に出ている人々の身体は1000年以上前なので無く、またその生育史・記録も定かではない。しかし、その中でも残るもの。彼ら彼女らの魂はいずこに。そして、神仏は何を語ろうとしているのか?
よく分からないものの意味を考えること。それはU先生の生き甲斐の心理学で学んだことだ。漠然と意味を考えるのではなく、自分を大切にするために身体と生育史からなるこころ、そして神仏の領域の魂に想いを馳せることだ。
自分のことを大事にし、これからのことを考えるとき、私は企業での経験を活かし、ライフプランをつくってみたりする。これもある意味大いなる知恵なのだと思うが、生き甲斐の心理学をU先生から20年近く学んでいると視点がちょっと変わってくる。
一つは自分の湧き起こる感情について、その意味を考えるということだ。良いことを思いついたり、良い仕事をするときは、100%緊張の状態にいるのではなく、お風呂に入っていたり、鼻歌をうたいながら散歩をしていたりするときに気がついたことがモノを言うことが多い。それと、同じようにあのとき何故、こんな感情が湧いてきたのかとのんびり考えるのがポイントである。人生には岐路があり、どうするかを決めなければならないことがある。そういったときに他人に聞くのはよくあることだが、他人は他人で自分のことをどれだけ知っているかは実に疑問。それは親子でも親しい人でも同じである。回答は自分の中にあるとは生き甲斐の心理学の師匠U先生が良くいわれることであるが、実にそうだと思う。6歳の時の難しい心理状態を理解したのは、大事な現場で50年以上後に湧き起こった感情だった。人生の後半である試験に合格したときに感じた空しさ。それは、自分の職業選択に活かすキーポイントだった。感情の意味を考えることは人生に大きなインパクトを与えた。
こうした大きなこともあるが、いつもイライラすることを俯瞰すると、自分の違った側面が見えてくることもある。あることで過度にイライラするのは何故か・・など。湧き起こる感情の意味を考えることで、自分の生活のちょっとしたやり方をかえる必要が見えてきたりする。感情のあり方が生活の断捨離?を教えてくれる。意味を考えることは自分の生活の質を変える可能性まであるのだろう。
もう一つ、他人と比べて変かなと思うような自分の不思議な行動について、その意味を考えるのも大事なようだと思う。学生のころから外出するときに鞄に本を何冊か入れて持ち歩くということが習慣だった。「森はいつもずた袋や大きな鞄を持っている」そんなことを言われてはっとしたのは学生時代だった。その行動は、今に至るまで余り変わらないが。今考えるとそれには職業選択にも関わる大事な私の特性を示していたように思う。
最後に一つ。珍しくちょっとした病気になり医者に通っている。コロナ禍で病気にならないようにしていたがなってしまった。たいしたことではないが、その意味を考えるのは重要だと思う。この2-3ヶ月はりきり過ぎて身体がついていけなくなったのだろう。無理はいけない。意味を考えるのも適当にしよう・・・
(自己実現、今も昔も 6/10)
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