考古学に興味をもって、はじめは白鳳時代の遺跡の本などを読んでいたが、そのうち縄文時代、そして最近は旧石器時代とどんどん深層に向かっている。とは言え、私のスタートは比較宗教学や比較文化を取り入れた臨床心理学というか、U先生の「生き甲斐の心理学」でそこが実は私の源泉である。このところ原点に戻って「生き甲斐の心理学」を再度勉強しているが、自分の心の深層を考古学ではないが、どんどん遡り味わっている。
私の明確な初めての記憶は1歳7ヶ月の時のものだ。それが1歳7ヶ月のものだと分かったのは結構最近で7-8年前のことだった。両親が作ってくれた幼い頃の写真のアルバムに私のうっすらした記憶が繋がったのだ。多分、生き甲斐の心理学を学んでいなかったら、こうしたことは気にもならず、それが家族の歴史と繋がることもなくあの世に旅立つことになっただろう。
戦後の傷が癒えぬ1953年の秋ごろだったのだろう。東京に住む祖父母が、広島県の祖父母を呼んで日光見物をしたのだった。母方の祖父の家系が江戸幕府と繋がりがあったからかもしれない。私がトコトコ砂利の境内を歩いていると、怖い仁王様が顔を出し、親がからかったのかもしれないが、恐ろしさ泣く。そして父か母に抱きあげられて記憶は閉じる。そのほかに広島の祖父母に遊んでもらっている記憶の断片もある。人生の最初の記憶というのは実に不思議であり、その背後の私の感情、恐怖感、甘えの感情、そして抱きかかえられての安心感の流れも実に神秘的だ。あの世とこの世の境目のようであり、亡くなる時は同じように誰かに抱きかかえられてこの世を去るのだろうか。
さて、妄想はこの程度にして、この感情の流れの原形?についていろいろ思いを巡らしてしまう。人間とは何だろうか。
一つ言えるのは、最初の記憶は自分にとって画期的なことだっただろうということだ。それは感情の原形としの嫌い、怖いというものだったようだ。最初の記憶がネガティブな不安感だった・・・どうも生命というものは、不安が先行する存在かもしれない。それも、暗に他者への救いを求めてと言うような。U先生がよく言われる愛の孤独感・・・それなのだろう。
この数週間、人は何なのかと人間観について語り合ったり教わったりすることが多い。英語でいうとsoulとかspritは何かとか、日本語でいうと魂や霊魂とはとか。人間の属性である物理的な身体と、生育史からなる心も楽しい話題だ。コロナ禍以前よりこうした話題が出てくるのは、死をどこか意識し何か祖先返りみたいで、よりそぎ落とされた感覚を取り戻しつつあるのかもしれない。よく分からないけれど。
伝統宗教でも、このあたりの人間観について語り合うことは意外に少ないように思う。でも、縄文時代に生き抜いた人はどうだったのだろうか。そんな昔の話ではなく、少し前の第二次世界大戦のころの死と隣り合わせの祖先でも・・・。
心理学は西欧で生まれたこともあり、キリスト教文化の影響は大きいようである。U先生によると臨床心理学の理想モデルと考えられるものは、新約聖書ヨハネ福音書第4章1-42節のサマリアの女の場面だそうだ。絵画や映画も、このヤコブの井戸でのサマリアの女とイエスの出会いを好んで描いたりするが、人間業では不可能ま対応に驚く。愛の孤独の中にいるサマリアの女の救済。
さて、現代の愛の孤独の中で、U先生やKさん、もう一人のKさんと設立したNPO法人キュール(略名)。みな様のお陰でちょうど15周年となり、現在京橋で個展を開催している。今でも一層頼りない私を支えていただいているみな様に感謝である。
(自己実現、今も昔も 8/10)
------------------------------------------------------------
縄文中期の関東・中部地方を中心にした愛と魂の物語です。
「縄文小説 森と海と月 ~五千年前の祖先の愛と魂~」購入方法
1.紙の本の入手については・・・
四ツ谷サンパウロさんへ 定価(1,500円+税)送料別。
電話:03-3357-8642(書籍・視聴覚)
住所:〒160-0004 東京都新宿区四谷1-2
2.電子書籍版は定価(1,000円)でアマゾンさんで、
Kindle unlimitedなどの特典で無料でも読めます。
サンプルもあります。
縄文小説 森と海と月: 五千年前の祖先の愛と魂
森 裕行
なお、カスタマーレビューを書いていただけると励みになります!
尚、私の電子書籍は現在この縄文小説だけです。同姓同名の方の
著作がありますのげご注意ください。私の著作の確認はこちら!
------------------------------------------------------------