変化の激しい世の中にあっては、自分を信じて頑張ってきても挫折することがある。私などは年をとってきたので、できることが限られてきたりということがあり、これも形を変えた挫折体験かもしれない。ただ、そんな時でもやることはなくならず、そして、次に何をするかは重要な決めごとだと思う。
「生き甲斐の心理学」では、挫折などの自己混乱の時の大切な自問自答を教えてくれる。「私は何のために生きていくか?」「生き甲斐は何か?」そして「自分の身体、生育史、魂を大切にしているか?」である。U先生によれば、アイデンティティの統合のためのエッセンスだそうだ。私は、この自問自答をのんびりと風呂に入ったときや散歩しながらしてみる。
その中では雑念がいろいろ湧いたりするが、時にふと回答らしきものが浮かんでくる。そうした中、これからどうするか具体的な道を考えるのだが、その中で自分なりの選定基準があると便利だ。生き甲斐の心理学では自他肯定の道かどうかが鍵のようだ。自己否定や他者否定がちらついている道はどこか無理があり長続きがしにくいように思う。もちろん、決めるのは自分であり、客観的に決める基準ではない。
さて、昨日は夕方から夜にかけて二度目の国立東京博物館の「特別展 縄文ー1万年の美の鼓動」を堪能させていただいた。
1万年の縄文時代とあるように、その長さは日本の形ができてからの1300年程度の10倍近くあり、例えば縄文中期といっても1000年くらいの幅がある。そして、土器と行っても土偶といっても、基本的には縄文文化でくくることはできても表現は驚くほど変わっている。今回の展示は同時代の世界各地の土器などもあり、時間や空間を考えつつ楽しむことができ、さらに優れた図録もあって、今日も図録を眺めて時間を忘れて楽しんでいる。そして、私たちの祖先の人生や苦労を妄想したりするのだが、時間と空間による文化の束縛にもかかわらず個性も感じてしまう。普遍性と特殊性というのか。私たちの個々の挫折体験も特殊性と普遍性があるのだろう。
忠誠心を考える 8/10
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森 裕行 | |
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