物理と数学:老人のつぶやき

物理とか数学とかに関した、気ままな話題とか日常の生活で思ったことや感じたこと、自分がおもしろく思ったことを綴る。

本の収集と資料の保存

2006-12-20 18:26:04 | 科学・技術

私の肩入れしている人に武谷三男と遠山啓がある。二人とももう故人だが、彼等の著書を収集している。武谷でいえば、もう多分収集した著書も170冊を越しただろう。因みに私のつくった著作目録では武谷の寄稿がある本は多分200冊を越していると思う。この著作目録は素粒子論グループの機関誌「素粒子論研究」に数度にわたって発表している。その改訂版をつくる必要があるのだが、時間が取れない。

ネットの古本市場で購入すべき武谷関係の書籍もほとんどなくなった。これはお金に明かせて買うのならまだあるのだが、個人としてはそれほどつぎ込むお金がないので、比較的安価なものしか買わないからである。女房や子どもたちに言わせれば、ごみがたまるだけというわけだが、そうとばかりもいえないだろう。誰かが執念を持ってやらなければならないことがある。

女房には私の死後には県立の図書館に寄贈をしてくれと言ってある。これは後でこれらの人々の業績に関心を持った人々が研究しやすいようにとの配慮からである。もちろん、寄贈先は大学の図書館の方がいいのだが、少なくとも私の勤めていた愛媛大学には受け入れてくれる余地がなさそうである。

私の子どもたちによれば、紙の媒体ではなくて電子的な媒体で資料を保存をしたほうがスペースも少なく済むとのことであるが、これは私の後輩のある大学の教授先生が言うには電子媒体でも少なくとも10年ごとぐらいで常に更新しないと永久保存はできないらしい。

彼のいわくでは意外と紙の媒体は保存がいいのだそうである。もっとも以前のような酸性紙だとぼろぼろになってしまうとか。それだと紙の寿命はもろいものであろう。

湯川、朝永生誕百年で各地で展覧会が開かれているが、その展示資料は複製だそうである。これは紫外線による劣化がひどくて元の原資料がすぐに駄目になってしまうからである。湯川、朝永関係でもいろいろな資料があるのだが、それを電子資料としてインターネット上で取得できるようにしてくれませんかと小沼通二先生に会ったときにお願いをしたのだが、そういう風になるのかどうかはわからない。しかし、ぜひやって欲しいことである。

岡潔先生の関係では資料が公開されているので、やろうと思えばできるだと思う。要は先立つものとしての予算であろうか。